コスモエネルギーホールディングスと国立大学法人群馬大学は、地域分散型データインフラの事業化に向け、エッジデータセンター(エッジDC)の実証(PoC:Proof of Concept)を群馬県内にあるコスモエネルギーグループのサービスステーション(SS)跡地にて開始する。
「データの地産地消」で地域のデジタル化へ
エッジDCは、データが生まれる現場の近くでデータを処理する小規模なデータセンターであり、都市部の大型ビル型データセンターと比べて地域の電力への負荷が小さい省電力型のデータセンター。エネルギー企業の保有拠点を活用したエッジDCの実証は、国内で初めての取り組みとなる。
コスモエネルギーグループは、同実証で得られた知見をもとに、製造、物流、医療、インフラ点検など幅広い分野での活用を検討し、エッジDCの事業化をめざす。
将来的には、群馬県内での取り組みをモデルに、SS跡地や運用中のSS、その他既存事業の遊休地などグループの拠点等へ展開していく考えだ。地域で生まれたデータを地域で処理する「データの地産地消」を通じて、地域企業の生産性向上や医療・行政サービスの高度化など地域のデジタル化を支えていく。
実証の背景・概要
AIの普及に伴い、工場や医療・物流拠点など地域産業の現場では、映像やセンサー情報など大量のデータを活用したAIへの対応が喫緊の課題となっている。コスモエネルギーグループはこうした現場で生まれるデータを、石油に次ぐ新たな戦略資源と捉えている。
一方、これらのデータを都市部の大規模データセンターやクラウドで処理する場合、主に次のような課題がある。
・通信遅延:遠隔地との通信に時間を要し、リアルタイム処理が難しくなる
・機密性:医療データや製造ノウハウなど、外部での保存・処理が難しい
このため、データが生成される場所の近くでデータ処理を行う「エッジコンピューティング」の重要性が高まっている。
今回の実証では、群馬県内のコスモエネルギーグループの2拠点にエッジDCを設置し、閉域網(インターネットから切り離された専用の通信網)で接続。群馬大学のフィジカルAIや医療データ処理などの研究に活用し、エッジDCの有効性や事業化に向けた課題を検証する。
意義
・コスモエネルギーグループは、長期ビジョン「Vision 2035」において、AI・デジタル化の加速やデータセンター需要の拡大を事業環境の変化と捉えている。全国のSSやSS跡地、その他既存事業の遊休地など、エッジDCを設置できる拠点を有しており、これらを活用することで、新たに用地を確保することなく、地域ごとに小規模なデータ処理拠点を分散して配置できる。
・群馬大学では、医療データやフィジカルAIの研究が進められており、機密性の高いデータを学外に出さずに処理できる環境が求められている。また、群馬県は製造業が集積しており、実証で得た知見を地域企業での活用につなげやすい環境にある。
各者概要
〇コスモエネルギーグループについて
コスモエネルギーグループは、中東地域での原油開発から国内での石油精製、国内外への石油製品販売までサプライチェーンを一貫して手掛けるとともに、石油化学事業や風力発電事業まで、社会に欠かせないエネルギーを幅広く取り扱っている。最大の使命は、エネルギー調達地域の多様化、災害時の迅速な供給体制の構築など、安全かつ安定的なエネルギー供給の実現を通して社会に貢献することだ。また、エネルギーを取り扱う企業として環境と社会に配慮し、持続的発展をめざしている。
〇群馬大学について
群馬大学は、次の基本理念を掲げている。
・新しい困難な諸課題に意欲的、創造的に取り組むことができ、幅広い国際的視野を備え、かつ人間の尊厳の理念に立脚して社会で活躍できる人材を育成する。
・教育及び研究活動を世界的水準に高めるため、国内外の教育研究機関と連携し、世界の英知と科学・技術の粋を集め、常に切磋琢磨し、最先端の創造的な学術研究を推進する。
・教育及び研究の一層の活性化と個性化を実現するため、大学構成員の自主性、自律性を尊重し、学問の自由とその制度的保障である大学の自治を確立するとともに、それに対する大学としての厳しい自己責任を認識し、開かれた大学として不断の意識改革に務める。



