クラシルが運営する節約アプリ「レシチャレ」は2026年10月30日、10月1日の酒税法改正前後におけるビール類カテゴリーの購買行動に関する調査結果を発表した。調査は2026年9月10日~10月21日に投稿された約929万枚のレシートデータを対象に、アプリに投稿された購買記録を分析して実施。改正前後の両期間にレシートを投稿した人のうち、指定商品の購入キャンペーンに参加していない人を集計対象とした。
酒税一本化後の10月、ビール購入者の割合は前年を3週連続で上回る
対象者全体約26万人について、ビールを購入した人の割合を週ごとに分析した。曜日やレシートの投稿数による変動をならすため、8月27日~9月9日の数値を100とした指数で比較している。
2026年は酒税一本化後の10月に指数が上昇。1週目(10月1日~7日)は120、2週目(10月8日~14日)は136、3週目(10月15日~21日)は121となり、3週連続で前年を上回った。一方、2025年は9月から10月を通して99~109の間で推移し、ほぼ横ばいだった。10月の3週間をまとめると、2026年は125、2025年は103で、前年同時期と比べて約1.2倍となった。
なお、2026年9月は5連休(9月19日~23日)に指数が一時125まで上昇したものの、酒税一本化直前の9月24日~30日には94まで低下していた。
※ビールは改正前からビールとして販売されている銘柄を対象とし、10月以降にビールへリニューアルした銘柄は含まない。
ビール購入の伸びは40〜60代が中心、20代は前年とほぼ変わらず
対象者約26万人を年代別に分け、酒税改正前後のビール購入の変化を前年同時期と比較した。
前年との差が大きかったのは40〜60代で、1.6〜2.3ポイント増加した。なかでも50代は2.3ポイント増と最も大きかった。男女別でも、年代が上がるほど前年との差が大きくなる傾向が見られた。最も増加幅が大きかったのは男性の50代と60代で、いずれも2.9ポイントだった。一方、20代は0.3ポイント増にとどまり、前年とほとんど変わらなかった。30代は1.0ポイント増だった。
改正前の3週間にビールを購入した人の割合を見ると、20代は4.8%で、50代の11.1%、60代の11.8%の半分以下だった。厚生労働省の「令和5年国民健康・栄養調査」でも、飲酒習慣のある人の割合は20代が7.5%と、年代別で最も低かった。なお、同調査における「飲酒習慣のある人」は、週3日以上、1日1合以上飲酒する人を指す。
発泡酒・新ジャンル派の16.4%が改正後にビールを購入
改正前の3週間(9月10日~30日)に発泡酒・新ジャンルを購入し、ビールを購入していなかった人を対象に、改正後3週間(10月1日~21日)にビールを購入した人の割合を調べた。
その結果、ビールを購入した人は16.4%で、約6人に1人に相当した。前年の同じ時期、同じ条件では11.6%(約9人に1人)で、今年は4.8ポイント高くなった。
発泡酒・新ジャンルの購入は31.0%減、9月末の買い置きの反動も
発泡酒・新ジャンルを購入した人の割合は、10月21日時点で投稿されたレシートを基に比較すると、改正前の8.99%から改正後の6.20%へと31.0%減少した。前年同時期の減少幅は17.5%で、今年はその幅を上回った。
改正前に新ジャンルを購入し、ビールを購入していなかった人のうち、23.6%(約4人に1人)は増税直前の9月最終週にケースや6缶パックなどでまとめ買いをしていた。前年同時期は20.9%だった。また、9月最終週にまとめ買いをした人では、10月にビール・発泡酒・新ジャンルのいずれも購入しなかった人の割合が、前年より11.4ポイント高くなった。一方、まとめ買いをしなかった人では2.1ポイント増だった。
この結果から、増税前にまとめ買いした分を消費している可能性がうかがえる。
ビール購入者の約半数はビールと発泡酒・新ジャンルを使い分け
改正前に発泡酒・新ジャンルを購入し、ビールを購入していなかった人のうち、改正後3週間にビールを購入した人が何を購入したかを分類した。
ビールを購入した16.4%の内訳は、ビールだけを購入した人が8.6%、ビールと発泡酒・新ジャンルの両方を購入した人が7.8%で、ほぼ半々となった。前年と比較すると、ビールだけを購入した人は5.2%から8.6%へ3.4ポイント増加。両方を購入した人は6.4%から7.8%へ1.4ポイント増加した。ビール購入者の増加は、主にビールだけを購入した人によるものだった。
ビールにリニューアルした新ジャンル銘柄は購入率が約1.2倍に
10月6日にビールへリニューアルした銘柄の購入率は、前年同時期と比べて約1.2倍となり、前年より多く購入されていた。一方、それ以外の新ジャンル銘柄は前年同時期と比べて約0.7倍となり、約3割減少した。同じ新ジャンルでも、ビールにリニューアルした銘柄とそれ以外では、購入の動きに大きな違いが見られた。
前年同時期と比べた購入率の前年差は、リニューアルした銘柄が0.4ポイント増、それ以外の新ジャンルが1.1ポイント減だった。
酒税一本化でビールへの回帰が進む一方、20代の動きは限定的
2026年10月1日の酒税一本化から3週間で、改正前に発泡酒・新ジャンルを購入していた人のうち、約6人に1人がビールを購入した。ビール購入者の割合は前年同時期と比べて約2割多く、40〜60代を中心に増加した一方、20代は前年とほとんど変わらなかった。
発泡酒・新ジャンルの購入は前年を上回るペースで減少したが、9月末の買い置きによる反動が含まれている可能性もある。酒税一本化後、発泡酒・新ジャンルからビールへと購入を切り替える人が増えている様子がうかがえる結果となった。






