一個の「好き」って、次の「好き」を連れてくるんです。プラモ→カメラ→PC→フィギュア→ドール→野鳥、みたいに。

趣味は「点」じゃなくて「線」。今ハマってるものが、思わぬ形で次の世界の入口になったりします。写真も、ファッションも、ものづくりも、人との出会いも。知らない扉、ちょっと開けてみませんか?

「自分には関係ないかな」と思っているあなたへ

「趣味、人形なんです」って聞くと、ちょっと遠い世界に感じるかもしれません。でもこの記事、じつは人形そのものの話というより、 一個の「好き」が、写真・ファッション・ものづくり・人とのつながりに、どんどん化けていく話なんです。 推しがいる人、集めるのが好きな人、なんか作るのが好きな人。読んでるうちに「あ、これ自分かも」って入口が、きっと見つかりますよ。

  •  初めてのご対面

    初めてのご対面

――まずは軽く自己紹介、お願いします!

ザクさん:はい。もともと子どもの頃からプラモが大好きで。大人になってちょっとずつお小遣いも増えていくじゃないですか。それに合わせて、いろんなホビーに手を出しながら大きくなった感じですね。中学まではプラモがきっかけで、電子工作とかカメラにもハマって。高校・大学あたりでは、マイコン、まあ「パソコン」とはあえて言わないんですけど、そういう世界にもどっぷりでした。働き始めてからは、カメラとかオーディオビジュアルの方にも広がっていって。 で、2008年ですね。ネット広告でたまたま見かけたフィギュアが「え、こんなに出来いいの!?」ってレベルで。そこからフィギュア集めが始まりました。さらに2014年、フィギュアの“最終形態”みたいなドールにまで手を出して、今に至る、と。じつは趣味を仕事にできないかと思って、社内の新規事業コンペにドール事業の企画で挑戦したこともあるんですよ。熱意はほめてもらえたんですが、結果はいいところまでいって敗退。まあ、そう甘くはなかったですね。

最近は野鳥撮影にもハマってて。50歳を超えた今も、気になったものにはついどっぷり入り込んでしまう性分でして。ちなみに仕事は、システムの開発・保守を統括しています。

――そもそも「ドール」って何ですか? フィギュアとどう違うんでしょう。

ザクさん:まず言葉の整理からいきましょうか。フィギュアって、色を塗った彫像みたいなもので、基本は動かない置物なんですよ。対してドールは「球体関節人形」。関節が球体になってて、手足を動かしてポーズを取らせられるんです。しかも服は本物の布、髪もウィッグ。サイズも大きくて、存在感がフィギュアとは全然別モノなんですよね。

私が特にハマったのが、ボークスってメーカーの「ドルフィー」というドールです。存在自体は前から知っていたんですけど、けっこう高いと聞いていたので、正直「自分にはちょっと縁遠い世界かな」と感じていました。

【用語ミニガイド】
・ フィギュア … 樹脂に色を塗った、動かない置物。ポーズは固定。
・ドール(球体関節人形) … 関節が動く。布の服・ウィッグの髪で、着せ替えもポーズも自由。
・ボークス/ドルフィー … 代表的なメーカーと、その高級ドールブランド。
・ウィッグ … 人形用のかつら。髪型を替えられます。

ドールとの出会いはボークスの「ドルパ」

――ドールにハマったきっかけは?

ザクさん:子どもの頃からプラモ好きだったんですけど、ちょうど大人になってお金に余裕が出てきた時期と、フィギュアの出来がグンと良くなり始めた時期がドンピシャで重なったんですよ。2006年くらいから、もう出来が別次元に良くなった印象で。当時は今ほど値段も高騰してなくて、社会人ならわりと手が出せる趣味だったんです。好きなアニメキャラの、出来のいいフィギュアをけっこうな数、買い集めていましたね。 発売予定の情報を常にチェックして、デコマス、つまり完成見本の出来が良さそうなら即予約。そんな毎日でした。新作ホビーの展示イベント「ワンダーフェスティバル」、通称ワンフェスが東京ビッグサイトである日には、限定品ほしさに始発で並ぶくらいハマっていましたね。

そんな中で、「いや、もっとすごいのがあるぞ」と気づいてしまったんです。それがボークスのドール、ドルフィーでした。フィギュアが樹脂の置物なのに対して、ドールは布の服、ウィッグの髪、しかも大きい。アニメキャラを再現したドールもあって、それがまた完成度が高いらしいと。ずっと気になっていました。今思えば、なんだか運命的に引き寄せられていたのかもしれません。 で、「とりあえず本物を一回この目で見てみよう。見るだけなら入場料だけで済むし」と。それで2014年のゴールデンウィーク、東京ビッグサイトであったボークスのドールイベント「ドールズ パーティー(略称ドルパ)」に行ったんです。

そこで初めて、大量のドールを生で見たんですよ。その中でもう、ガツンときたのが、当時いちばん好きだった『アイドルマスター シンデレラガールズ』のキャラ、神崎蘭子のドール、「ドルフィードリームシスター(通称DDS)」でした。もう第一印象からやられてしまって。普通のフィギュアの約3倍のサイズで、存在感がとにかくすごいんです。

蘭子の特徴の、あの縦ロールのツインテールが、ウィッグでものすごく精巧に再現されていて。フィギュアの塩ビ(PVC)とは質感がまるで違うし、服も布製で、あのゴシックロリータのドレスが忠実に仕立てられているんですよ。どんなに出来のいいフィギュアでも、樹脂に色を塗ったものと本物の生地とでは、リアルさが段違いなんです。

瞳もアクリル製で、光を受けてキラッと輝くんですよ。もう生気が宿っているみたいで。画面やイラストで見ていた神崎蘭子が、そのまま現実に出てきて、今にも動き出しそうなくらいの存在感で。人形が動き出すのを怖いと感じる人もいると思うんですが、ファンからすると「いっそ動いてくれ」と、むしろ願ってしまうくらいなんです。

それまで私は、ドールって「不気味の谷」、要は人に似せるほどかえって違和感が出るというあれですね、あれがあって、キャラ再現ではフィギュアに負けるものだと思い込んでいたんです。でも実物の蘭子は、その思い込みを見事にひっくり返してくれました。架空の世界にいたキャラが現実に現れて、目の前でそっと微笑んでいるように感じられて。展示品なので触れはしないんですけど、手を伸ばせば届く距離にいる、という感覚がもう強烈で。 その瞬間、「これは絶対うちに迎えたい」となりました。ところがこれ、その場で買える商品じゃなくて、イベント当日に抽選販売される限定品だったんですよ。抽選はイベント開始直後にあって、当然、蘭子の在庫なんて残っていない。そもそも販売数も多くなかったんでしょうね。ただ案内を見たら、後日、全国のボークス店舗で「ドルパ アフターイベント」という、物販イベントがあって、そこでも少数売られると書いてあったんです。

さっそく調べたら、これがまあハードルの高いこと。売る数がとても少なくて、店に行けば買える、なんて甘いものじゃない。特に秋葉原の店舗は、首都圏中からファンが集まるので、始発の時間帯からもう長蛇の列になると。 しかも蘭子のDDSは高額で希少ですから、転売目当ての人たちにも目をつけられていて。アルバイトを雇って列に並ばせる業者も少なくなかったようなんです。確実に手に入れるには、事前に相当な作戦を練らないといけなくて。店の周りでの徹夜は禁止で、始発の時間に合わせて列ができるんですけど、正直、素直に始発で行ったのでは間に合わない気がして。それで私、列ができるのに間に合うように、近くのカラオケボックスで夜を明かしたんです。我ながら、なかなかの気合いの入れようでした。

おまけにボークス秋葉原の待機列には独自ルールがあって。列を途中でランダムに区切って、その区切ったところを先頭にして、列の一部を入れ替えるという方式なんですよ。つまり単純な先着順じゃなくて、運もかなり絡むという。

  •  運命の整理券

    運命の整理券

幸い、私が並んでいた位置は分断されずに済んで、そのまま購入整理券をゲットできました。先頭から配られていく整理券が、自分の目の前でなくならないか、もうドキドキしながら見守っていたのを今でも覚えています。そんなこんなで、無事に神崎蘭子のドールを迎えられました。これが、私のドール人生のスタートです。

  •  初めてのお迎え当日

    初めてのお迎え当日

「人形が仲間を呼ぶ」ドール沼の魅力とは?

――ドールのどんなところに惹かれるんですか? 特に好きなポイントは?

ザクさん:私がいちばんグッとくるのは、ドールの「実在感」なんですよね。小さい子がリカちゃん人形で遊ぶ感覚、あれをちょっと想像してもらうと近いかもしれません。基本は、ごっこ遊びの延長にある趣味だと思うんです。だからファンには女性も多くて。人形遊びが好きだった人には、その世界がもっと精巧に、本格的になったものとして響きやすいんじゃないかな。男性だと、アニメやゲームのキャラがきっかけという人が多い印象ですね。まあ、子どもの頃に人形やぬいぐるみが好きだった男の子も、けっこういると思いますけど。

あと、造形そのものの完成度が高くて、持っている満足感が大きいのも魅力で。特に「ワンオフ」、これはドレスもメイクも完全オリジナルで、世界に一体しかないドールのことなんですけど、入手の難しさも込みで、もう貴重な工芸品のような存在なんですよ。とはいえ、美術品みたいに飾って眺めるだけじゃなくて、手に取って一緒に遊ぶのがドールの基本の楽しみ方です。

初心者なら、まず季節に合わせて服を替える「着せ替え人形」として楽しむのが分かりやすいと思います。あちこち一緒に出かけて写真を撮るのも定番ですね。ドールの瞳には「追視」という、見る角度を変えても、ずっとこちらを見ているように感じられる仕掛けを持ったものもあって。そういう視線や表情のおかげで、生きているような存在感が出るんです。一瞬のポーズを固定するフィギュアとは違う、ドールならではの良さですね。

手先が器用な人なら、自分で服を縫ったり、メイクをしたり、ヘッドを加工して理想の顔に近づけたりもできるんですよ。突き詰めればどこまでも奥深いのに、初心者でも始めやすい。この懐の広さがいいんです。その意味では、フィギュア集めよりも楽しみ方の幅が広い趣味だと思いますね。最近は3Dプリンターでフィギュアも自作しやすくなりましたけど、ドールの世界には今でも、手作業のアナログな工夫がたくさん残っています。

ドールって、プラモ、フィギュア、ぬいぐるみ、美術品、クラフト、いろんな趣味の要素が全部混ざった存在なんですよ。少し言い過ぎかもしれませんが、この“全部乗せ”感こそがドール趣味の醍醐味だなと。どの方向から入っても、自分なりの楽しみ方が見つかる懐の深さがあります。

私自身は、ドールショウとかドールズ パーティーのようなイベントに足を運んで、サークルの人が出しているドレスや小物を買って楽しむ、という、わりと初心者寄りのスタイルですね。

たとえば神崎蘭子には、アニメの中で馬の蹄鉄を幸運のアイテムとして飾る、印象的なシーンがあるんですよ。その設定にちなんで、蹄鉄モチーフのネックレスをプレゼントしたいなと思って、 あちこち探し回って。なかなか見つからなかったんですが、あるイベントでやっと売っているのを見つけて、無事に贈ることができました。

夏はサマードレス、年末は振袖、というふうに季節ごとに服を替えて楽しんでいます。普段はガラスケースに飾って、季節や設定に合わせて少しずつ表情を変えていく、そんな感覚で向き合っていますね。

ただ我が家、保管スペースの問題がありまして。全員を常に飾っておくのは、さすがに難しくて。今も箱で保管中の子が2体いるんです。早く出してあげたいんですけど、さらにもう1体が届く予定で、置き場所問題がいよいよ深刻になりそうです。うれしい悩みではあるんですけどね。

ドールには、それぞれに性格とか背景という「設定」をつけて楽しめるんですよ。基本は自分で自由に想像すればいいんですけど、漫画やアニメのキャラを再現したドールだと、その作品での性格や関係性も大事な要素になってきます。

今、箱で保管している2体のうち1体は、ドールを題材にした有名な作品『ローゼンメイデン』に出てくる「第1ドール」を再現したものなんです。知っている人には伝わると思うんですが、そのキャラ、箱の中で静かに泣いているタイプじゃなくて、むしろ激しく怒りをあらわにするような性格でして。ですから長いこと箱に入れっぱなしにしているのは、少し申し訳ないような、出したときに叱られそうな、そんな気分でもあるんです。

しかも今度届く予定のドールも、同じ『ローゼンメイデン』の「第5ドール」なんですよ。この二人、作中であまり仲が良くないので、並べて飾るときは、その設定上のピリピリした緊張感まで含めて楽しむことになりそうです。こういう、作品の設定やキャラ同士の関係を踏まえて想像を広げられるのも、ドール趣味ならではの楽しみ方ですね。

――「これは普通の人だとビックリするだろうな」という“沼の深さ”のエピソード、あります?

ザクさん:いやもう、ここまでの話ですでにけっこう引かれている気がするんですけど……そこは、どうかお付き合いください。

ドール趣味の深さを象徴するのはやっぱり、「人形が仲間を呼ぶ」ところですかね。最初は1体だけのつもりで迎えるんですよ。でもその子と向き合っているうちに、もう1体、さらにもう1体と、自然に増えていくんです。気づいたら家に何体もいて、「いつの間に、こんなに」と自分でも驚く。ここに、この趣味のいちばん深い沼があるんだと思います。

ドールって生き物じゃないんですよ。でも大切に向き合っていると、なんだか語りかけてくるように感じる瞬間があって。生きてはいないんだけど、生きているように見える。そのギリギリのところに、強烈な魅力があるんです。ペットのように命を預かる責任とは違うんですけど、かといって放っておいていい存在でもなくて。だから増えた分だけ、飾る場所とか服とかお手入れを考えなければいけない。それがうれしくもあり、同時になかなか大変でもある、という具合です。

あともう一つ印象的なのが、ボークスのイベントでやる「ワンオフモデル」の抽選販売です。会場に大きなステージが用意されていて、当選した人はその場で名前を呼ばれて、名乗り出るんですよ。もう単なる抽選というより、参加者にとっては一種の儀式のような場面なんです。

イベントでは、素体もメイクも服も違うワンオフモデルが20体くらい発表されるんです。参加者は当日、実物を見て「この子だ」と選んで、ドールの名前と自分の氏名・住所を書いた抽選用紙で申し込む。そして当選すると、ステージで名前を呼ばれる、と。

私も一度だけ、ステージで名前を呼ばれたことがあるんですよ。まさか当たると思っていなくて、当選してから慌てて現金を用意しに走りました。今思えばカード決済にすればよかったんですが、当時は高額な買い物をカードで払うのにあまり慣れていなくて、たぶん相当に動揺していたんですね。それだけ、自分にとって大きな買い物だったということでもあります。

そのときに迎えたのが、「スーパードルフィー 真紅」という名前のドールでした。私が特に好きな「メイクアーティスト」、これは素体にメイクを施す職人さんのことなんですけど、「きのこ」さんが手がけた子なんです。ボークスには何人かメイクアーティストがいて、それぞれ一目で分かるくらい個性のある作風なんですよ。同じ素体でも、メイクをする職人さんによって印象がガラッと変わる。私はきのこさんの作風が好きで、きのこさんのワンオフモデルを2体、幸運にも抽選を当てて迎えることができました。

その「スーパードルフィー 真紅」は、以前に限定販売された人気の高いドールで、その素体にきのこさんがワンオフのメイクを施して、専用のドレスを合わせて仕上げたものなんです。もともとのスーパードルフィー 真紅自体、発売当時から入手困難で、その後も再販されておらず、オークションでも高値で取引されることがあって。最近は出品を見かけることすら少なくなりました。発売から時間も経っていますから、紫外線などで経年劣化している個体もあるでしょうし、欲しい人の手に行き渡って、みんな手放さなくなったんでしょうね。 そんなスーパードルフィー 真紅がベースのワンオフですから、私にとってもたいへん大切な一体です。もちろん、手放すつもりは毛頭ありません。

ドール初心者にオススメのシリーズは?

――学生でも始められますか? ぶっちゃけ、予算感が気になります。

ザクさん:正直に言いますね。ボークスのドルフィーは大型なので、お値段はけっこう張ります。DOLKとかアゾンが扱っている大きめサイズも、造形や服の作り込みがしっかりしている分、基本的にはお高めです。 ただ、ドールには 1/6サイズ、だいたい24cm前後の、わりと扱いやすいシリーズもあるんですよ。たとえばアゾンの「ピュアニーモ」あたりが代表例で。サイズ感は、みんな知っているリカちゃん人形に近くて、置き場所も費用も抑えやすい。始めやすい選択肢だと思います。

植毛タイプなら、自分で髪を整えたりカットしたりして、もっと好みに寄せる楽しみもあります。私も、買った直後の前髪がイメージとちょっと違ったので、自分でレイヤーカットを入れて整えたことがあって。そのときはもう、自分が担当美容師になったような気分でしたね。こういう、役になりきりながら手を加えていくのも、ドールならではの「ごっこ遊び」の奥深さだと思います。

【ドール趣味「はじめの一歩」】
1.まずは大型の高級ドール(ドルフィー等)ではなく、1/6サイズ(24cm前後)から。
2.代表例:アゾン「ピュアニーモ」など。リカちゃん人形に近いサイズ感で、置き場所も費用もお手頃。
3.植毛タイプなら、前髪カットなどの“自分でお世話する”楽しみも味わえます。

――ドールを通じて身につくスキルとか、広がる世界って? 最初の一歩のおすすめも教えてください!

ザクさん:さっきの髪を整える話にも通じるんですけど、ドールをやっていると、普段の生活ではあまり意識しない知識に触れる機会があるんですよ。 髪型の整え方とか、服の構造とか、アクセや小物の合わせ方とか。全部を本格的に学ぶ必要はないんですけど、少しずつ視野が広がっていくのが、この趣味の面白いところですね。

あと、イベントとか、ドールショップのレンタル撮影ブースに行くと、同じ趣味の人と出会えたりするんです。共通の話題があるから、自然と会話が生まれやすいんですよね。人と話すのが得意な人なら、そこから新しいつながりが広がることもあると思います。

アクセ、小物、ドールアイ、ウィッグとか、普段の生活ではなかなか触れない世界の知識がどんどん増えていくのも、醍醐味で。趣味って、ある意味、一見ムダに見えるものに自分なりの意味を見いだしていく行為なのかもしれません。お金が儲かるわけじゃなくて、むしろ使う場面のほうが多い。それでも、自作のドール服やアクセをサークル活動で売る人もいますし、そこまで本格的でなくても、自分なりの深さで楽しめます。どの入口からでも一歩踏み出せるのが、ドールの魅力であり、奥深さでもあると思いますね。

おすすめの第一歩は、ドールショウとかドールズ パーティーのような大規模イベントに行ってみることです。会場に行くと、愛好者の熱気とか、展示・販売されている作品の多様さを、肌でしっかり感じられます。入場料はかかるんですけど、初めての人にも魅力が伝わるように工夫されているので、入口として最高だと思います。

近くにドールショップがあれば、のぞいてみるのもいいですね。ただショップって、けっこう落ち着いた雰囲気で、ある程度知識のある人が目的を持って行く場所という感じもあるので、初めてだと少し魅力が伝わりにくいかもしれません。まず雰囲気をつかむなら、ボークスのショールームもおすすめです。原宿には「天使の窓」というお店があるので、近くに住んでいる人は、一度行ってみる価値がありますよ。

ボークスは京都に本社がある会社で、京都にはドルフィーの聖地ともいえる施設「天使の里」があるんです。ただ「天使の里」は会員でないと入れないので、行くなら事前に条件を確認しておいてくださいね。

初めての人には、やっぱりまず大規模イベントですね。会場だと、たくさんのドールを生で見られて、写真や画面越しでは絶対に伝わらない存在感に触れられます。ふとした瞬間に「あ、この子だ」という出会いがあるかもしれません。私自身、そういう場で運命的な出会いをした一人ですから。

ドールって、ただきれいなものを飾って眺めるだけの趣味じゃないんです。服を選んで、小物を探して、写真を撮って、設定や物語を思い描きながら向き合っているうちに、いつの間にかその子が、自分の生活の中に静かに居場所を持つようになる。最初はちょっと遠い、不思議な世界に見えるかもしれません。でも一歩踏み込んでみると、ものづくり、ファッション、写真、人との交流、そして自分の「好き」という気持ちが、思いがけない形でつながっていくんです。ですから私にとってドールは、ただのコレクションじゃないんですよ。自分の「好き」を受け止めて、毎日の世界をちょっとだけ豊かに広げてくれる、そんな存在なんだと思います。

創作造形©ボークス・造形村 スーパードルフィー®、ドルフィードリーム®、ドールズ パーティー®はボークス社の登録商標です。