このほど「星野リゾート オンラインプレス発表会 2026秋」を開催した星野リゾート。現時点で82もの施設を全国・世界に展開しているが、2027年には新たに4施設が開業予定だ。そして既存施設でも新しいサービスが登場し、宿泊予約システム「FleBOL(フレボル)」も進化。走り続ける星野リゾートの、今注目したいポイントを紹介しよう。
2027年9月開業! 福井県「リゾナーレ福井」
北陸エリア初進出のリゾナーレとして、福井県勝山市に「リゾナーレ福井」が2027年9月10日に開業する。勝山市までのアクセスは、東京・名古屋・大阪から飛行機や新幹線などで約2~3時間。福井県立恐竜博物館のすぐ隣に位置し、「恐竜の森のデザイナーズホテル」をコンセプトとしている。
広大な森を360度見渡すロケーションが大きな特徴で、デザイン監修は「クライン ダイサム アーキテクツ」が担当。2025年にオープンした「リゾナーレ下関」も手がけており、そのデザイン力は世界からも注目されている。特に最上階に誕生する「パノラマ・ウェルネスフロア」は、雄大な自然を望む特等席。絶景を眼下に望むパノラマプールも備えているという。
「福井県立恐竜博物館とお互いにとってプラスになるようにできれば」と話すのは、星野リゾート代表の星野佳路氏。大都市に住む人たちやインバウンド客が福井県立恐竜博物館に訪れた時にリゾナーレ福井に宿泊する、もしくはリゾナーレ福井が誕生したことによって博物館に来る人たちを増やすという、相乗効果を狙っているという。
業界全体をみると、現在ホテルの新規開業が多いのはインバウンド需要が高いエリアだ。一方、国内旅行者を主要ターゲットとして考える星野リゾートが新規開業を進めるエリアは、そのほかのエリアが多く、地域活性化に繋がっている。今回の福井の開業も同様で、「星野リゾートがオープンするから、初めて福井県に行ってみよう」という人も増えるだろう。
「星野リゾートはこれまでも、インバウンドのお客様がまだまだいらしていないエリアに積極的に開業してきています。これは日本の観光の将来のためになります。東京・京都・大阪・北海道・沖縄はオーバーツーリズムですが、ほかのエリアはアンダーツーリズムです。もっと日本の地域的な分散を、インバウンド市場においては図るべきと考えます」と星野佳路代表。
2027年7月開業! 奈良県「星のや飛鳥」
2027年7月22日に開業が決定した、奈良県・明日香村の「星のや飛鳥」。明日香村は日本のはじまりの地ともいえる特別な場所で、2026年7月に「飛鳥・藤原の宮都」として世界遺産にも登録されている。宿のコンセプトは「気に満ちた丘の辺」。目には見えない“気”の余韻を感じ、マインドフルネスな時間を過ごすことができるという。星のや飛鳥は星のやブランド10施設目となり、これまで培ってきた運営ノウハウがすべて注ぎ込まれるだろう。
全35室のみのスモールラグジュアリーな施設で、全室オールスイート。地域の景観を守る通称「明日香法」に倣い、平屋づくり・日本瓦の屋根となるという。室内には石舞台古墳から着想を得た岩を用いたソファも設置される予定で、飛鳥という地域ならではの魅力と、星のやらしい高級感を楽しめそうだ。
2027年夏開業! 佐賀県「界 嬉野」
2027年夏の開業を予定している「界 嬉野」は、星野リゾートの佐賀県初進出となる施設。日本三大美肌の湯の一つである嬉野温泉や、名産の嬉野茶などを満喫できるという。客室は全28室がご当地部屋「里山便り坪庭の間」で、すべて坪庭を望む露天風呂付きという贅沢。設計デザインは、2026年7月に開業した「界 宮島」も手がけた小大建築設計事務所が務める。
界 嬉野の大きな特徴は、スパトリートメント施設「美肌小舎」。トロトロとした嬉野温泉の効果効能を最大化するために、入浴とスパトリートメントの組み合わせを提案するという。温泉旅館ブランドの「界」でスパトリートメント施設があるのは珍しく、心も肌もうるおいに満ちた体験ができるだろう。
「界」は2026年に群馬県「界 草津」、広島県「界 宮島」、山形県「界 蔵王」の3施設もオープンし、星野リゾートの中でも勢いがあるサブブランド。12月1日からは泉質の特徴が直感的にわかる「界の温泉名刺」を全施設で提供開始する。「温泉は好きだけれど、泉質まではよくわからない」という宿泊者に向けて、泉質を擬人化したキャラクターの名刺を通してわかりやすく伝えるという。集めながら、界めぐりをするのも楽しそうだ。
2027年1月開業! 福島県「BunkLodge NEKOMA by 星野リゾート」
2027年1月12日に開業する「BunkLodge NEKOMA by 星野リゾート」は、スキー好きの星野代表も熱い視線を注いでいる。震災以降長らく休館を余儀なくされていた施設だったが、滑ることに特化したリーズナブルな滞在を叶えてくれる。料金はスタンダードプラン(6名利用時)が1人1泊3,200円から。ファミリーはもちろん、仲間同士で「滑ろうよ」という冬のレジャーにうってつけだ。
帰省ブルーをウキウキに、「ホテル帰省」を提案
既存施設も、新しい取り組みがはじまる。
今年も残り2か月前後となり、年末に帰省するという人も多いだろう。親に会えるのは嬉しい反面、気を遣う場面も多く、ちょっとしたストレスを感じてしまうのは素直な感情だ。そんな「帰省ブルー」に対して「OMO(おも) by 星野リゾート」が提案するのが、「ホテル帰省」。2026年12月26日~2027年1月3日の年末年始期間、実家近くのOMOを拠点に帰省する宿泊者を対象に「OMO帰省パスポート(無料)」を配布し、「テンションあがる帰省」を演出してくれるという。
通常は宿泊者限定の夜のイベント「ローカルリズムナイト」も、「OMO帰省パスポート」を提示すると、宿泊者だけでなく実家の家族も参加が可能だ。「ローカルリズムナイト」は各施設によって異なり、例えばOMO7大阪は大阪らしいユニークな「ワンハンド屋台グルメ」の食べ歩きができる「PIKAPIKA 祭 NIGHT」を開催している。実家近くの「OMOに入ってみたかった」という親と一緒にホテルを楽しめる、またとない機会だ。
食事変更の機能を順次追加、宿泊予約システム「FleBOL」の進化
10年以上、星野リゾートが時間をかけて開発している宿泊予約システム「FleBOL(Flexible Booking On Line)」。オンライン上でさまざまな変更ができるシステムで、宿泊者としては「簡単に変更できるから予約しよう」と、予約のハードルが低くなるのがメリットだ。2025年に界・LUCYから導入がはじまり、2026年にはOMO・BEB・星のや・リゾナーレで順次導入している。
現在、FleBOLでできるのは、人数・部屋タイプ・宿泊プラン・日程の変更。そして2026年から2027年にかけては、「食事」の変更ができるような機能を順次導入するという。例えば連泊時に2泊目だけ食事を外したり、前日の体調次第で予約していた夕食をキャンセルしたり。チェックイン当日でも、朝9:00までならシステム上で食事もキャンセルできるという。この「FleBOL」は業界全体で見ても新しい取り組みで、キャンセル・変更時に「電話をしなくてはいけない」という不便さからも解放される。これは星野リゾート公式サイトから予約した場合に適用され、順次導入されるため施設によってはまだ対象外のケースもあるので、予約時は注意が必要だ。
星野代表は、「タビマエの体験の充実が、これからの旅行の質を決める上で重要だと思っています。体験したいものを、それぞれのお客様がスマートフォンで自由に予約でき、自由に変更でき、自由にキャンセルでき、自由に延期できる。そういった世界を目指しています」と話している。
リゾナーレ福井、星のや飛鳥、界 嬉野、BunkLodge NEKOMA by 星野リゾートと開業が続き、既存施設でも新たな取り組みがはじまる星野リゾート。人気観光地への旅行も良いが、星野リゾートの施設は「この県に行ったことがないから、旅行してみよう」という新たな旅行先を発見する後押しもしてくれるだろう。それは、自分自身が意識していなくとも、自然と地域活性化に繋がる。自分の知らない土地に行き、土地の魅力を満喫するーー星野リゾートの施設なら、そんな未知なる体験ができそうだ。












