国土交通省は2026年10月19日、オートバイの「希望ナンバー制」の申込受付を開始した。初日には霞が関で新様式のナンバーを付けたバイク4台を展示。さっそく見てきたので、仕組みや料金、人気になりそうな番号の大予想とあわせて紹介する。
国内4メーカーのバイクが新ナンバーでそろい踏み
クルマではすっかりおなじみとなった「希望ナンバー」。誕生日や記念日、縁起のいい数字などを付けている人も多いはずだ。その希望ナンバー制が、ついにバイクでも始まった。
国交省は2026年10月19日、小型二輪自動車(250cc超)と軽二輪自動車(125cc超~250cc)を対象に、希望ナンバーの申込受付を始めた。同じ日から、二輪車のナンバープレートのデザイン(様式)も新しくなっている。
制度スタートの当日、東京・霞が関の合同庁舎3号館では、新様式の希望ナンバーを付けたバイク4台がお披露目された。
展示されたのは、カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハの国内4メーカーが1台ずつ持ち込んだバイクだ。
3台が250ccクラスの軽二輪、1台が大型の小型二輪という組み合わせなので、新様式の軽二輪ナンバーと小型二輪ナンバーの両方を見比べることができた。ニンジャの「1」とVストロームの「8」は全国共通の抽選対象番号。レブル250はずばり「819」(バイク)、TRACER9の「1019」は制度開始日だ。
当日は朝日健太郎国土交通副大臣も視察に訪れ、制度開始について「これでさらに、日本のバイク愛好者の皆様が、楽しいツーリングをしていただけるのではないかと大いに期待しています」とコメントした。
撮影会には各バイクメーカーからの参加者もいたため、ヤマハ発動機、カワサキ、スズキの関係者に話を聞いてみたのだが、制度開始の受け止めは軒並み「歓迎」とのことだった。ヤマハとカワサキの担当者は、同制度の開始により、「皆さんがご自身のバイクに、より愛着を持つことができるようになるのでは」と口をそろえた。
スズキ担当者によれば、バイクのユーザーは自分なりのカスタムを施して愛車に個性を持たせて楽しんでいる人が多いという。希望ナンバーも、そういった「パーツの一種として」楽しんでもらえるのでは、とのことだった。
なぜバイクにも希望ナンバー? きっかけは「番号切れ」
希望ナンバー制は、登録自動車では1998年5月、軽自動車では2005年1月に始まった。四輪では四半世紀以上の歴史がある制度なのに、バイクで始まるのは、なぜ今なのか。
大きな理由は、二輪のナンバーが「足りなく」なりそうになったからだ。
国交省の担当者によると、バイクはクルマより台数が少ないため、これまでは番号の組み合わせに比較的余裕があった。しかし一部の地域では、それもいよいよ底を突きそうになったという。
そこで国交省は2023年6月、有識者や業界団体によるワーキンググループを立ち上げ、プレートの様式見直しを検討した。プレートの大きさは変えずに、地域名の横に入る文字や数字の種類を増やす方式にすれば、同じ4桁の番号をもっと多く発行できる。番号に余裕が生まれるなら、二輪ユーザーから要望の多かった希望ナンバーも導入できる――というのが今回の流れだ。
つまり、新様式のプレートと希望ナンバー制はセットで生まれた制度といえる。2024年3月には「2026年度に導入するのが適当」とのとりまとめ案が示され、プレス機の入れ替えやシステム改修など2年以上の準備期間を経て、今回のスタートにこぎつけた。
選べるのは4桁の数字、料金は2,500~3,000円
希望ナンバーで選べるのは、プレートに大きく表示される4桁以内のアラビア数字だ。地域名やひらがな、地域名横の文字・数字は選べない。
対象はクルマでいう「白ナンバー」にあたる自家用のバイクで、事業用やレンタルバイクは対象外。125cc以下の原付は市区町村が交付するナンバーなので、今回の制度とは関係ない。新車や中古車を買うときだけでなく、いま乗っているバイクのナンバーを希望番号に付け替えることもできるのがうれしいところだ。
申し込みは、希望番号申込サービスのウェブサイトか窓口で受け付けている。自分で申し込むのが面倒なら、バイクショップや整備工場、行政書士に相談することもできる。
料金は1枚2,500~3,000円で、地域によって違う。東京や神奈川、大阪、福岡などの大都市圏は2,500円と最安クラス。一方、京都や奈良、滋賀、北海道の釧路・帯広などは3,000円となっている。
人気の番号は抽選に
申し込みが集中しそうな番号は抽選になる。抽選は毎週1回、コンピューターで行う。全国共通の抽選対象は「1」「7」「8」「88」「333」「358」「555」「777」「888」「1111」「8888」の11通りだ。
これに加えて、地域ごとに抽選対象の番号が追加される。最も多いのは神戸で、「3」「10」「1000」「1122」「2525」「9999」など26通り。横浜、大阪、名古屋も20通りを超える。「1122(いい夫婦)」や「2525(ニコニコ)」といった語呂合わせ系が、地域によっては抽選対象となる。
プレートのデザインも変わった
10月19日からは、二輪のナンバープレートの様式も変わった。ポイントは地域名の横に入る文字・数字だ。
小型二輪は、現行の「品川C」のように地域名の後ろにローマ字1文字(C・L・Vのいずれか、またはなし)が入る形から、「品川C1」のようにローマ字(13種類)と数字(0~9)を組み合わせる形になった。
軽二輪は、現行の「1品川」のように地域名の前に数字1桁(1か2)が入る形から、「11品川」のように数字2桁になった。
これで同じ4桁番号を発行できる枚数が増える仕組みだ。プレートの大きさは変わらない。
大予想! バイク乗りに人気が出そうな番号はこれだ
では、実際にどんな番号に人気が集まるのか。ヒントになるのが、国交省のワーキンググループ資料に載っている二輪ユーザー向けアンケートの結果だ。
王道の「ゾロ目」と「1234」
アンケートで人気上位に入ったのは「7777」「1111」「1234」「1」「8888」。このうち「1」「1111」「8888」は全国共通の抽選対象になっているので、確実に手に入るとは限らない。
面白いのは、アンケートで上位だった「7777」と「1234」が全国共通の抽選対象に入っていないこと。地域別の抽選対象にも見当たらない。抽選なしで申し込める可能性があるので、狙っている人は早めにチェックしておきたい。
国交省の担当者によれば、人気が出そうなナンバーは自動車の方から類推した部分もあるそうで、バイク独自の傾向が出るかどうかも含めて反応を見つつ、抽選対象のナンバーについては今後も検討していきたいとのことだった。
バイク乗りならではの「819」
「819」も意識しておきたい数字だ。言わずもがな、「バイク」の語呂合わせである。8月19日は「バイクの日」でもある。国交省のチラシに載っている軽二輪の見本プレートも、「・8 19」になっているくらいだから、人気が出てもおかしくない。アンケートでも「二輪特有と思われる番号」として挙がっていた。
排気量ナンバーは定番化しそう
クルマでは「型式」にちなんだ番号のナンバープレートをときどき見かける。バイクでも人気が出そうだ。型式番号の刻まれたナンバープレートを装着してミーティングイベントに参加すれば、同好の士から「きみ、わかってるね」という視線を浴びられるのは間違いない。
「型式ナンバー」に近いのが、排気量にちなんだ番号だ。アンケートでは「250」「400」「750」「1000」が二輪特有の番号として挙がっている。
250:展示車にも「Ninja ZX-25RR」「V-Strom 250」「Rebel 250」と3台そろうほどの激戦区。人気が出そう
400:400ccクラスのオーナーなら一度は考えるはず
750:往年のナナハンにあこがれた世代に刺さりそう
1000:リッターバイク乗りの定番に? ただし品川、横浜、名古屋、大阪、神戸などでは抽選対象なので要注意
ヤマハ関係者の人気予想は「46」
ヤマハ担当者に「人気が出そうな番号はありますか?」と聞いてみたところ、「やっぱり、46ですかね?」との回答が。こちら、ヤマハのマシンを駆って「MotoGP」で4度のチャンピオンに輝いた伝説のライダー、バレンティーノ・ロッシ選手のゼッケン番号だ。
ちなみに見本プレートは「10-19」
国交省の資料に載っている見本プレートは「品川R8 あ 10-19」。R8(令和8年)の10月19日、つまり制度スタートの日付だ。記念日ナンバーという選び方もアリ、というメッセージなのかもしれない。
これまで「割り当てられた番号を付けるもの」だったバイクのナンバーが、10月19日からは「自分で選ぶもの」になった。料金は数千円で、今乗っているバイクにも付けられる。愛車のナンバーに何を選ぶか、考えてみるだけでも楽しいはずだ。























