そんな本音トークの交通整理を任されたのが、MCの麒麟・川島明だ。
初めて一緒に仕事をしたのは『IPPONグランプリ』で、その後も『酒のツマミになる話』などに出演してもらってきた。その印象について、「要所要所で“面白いものにしたい”というときに川島さんに助けていただいた記憶がすごく強い」と明かし、4月の『30時間限界突破フェス』(ABEMA)で担当した『完徹』でMCを依頼。今回の番組も最初からMCをお願いしたいと決めていた。
収録にあたり、川島にも匿名投稿を書いた人物を知らせていない。最初の打ち合わせで日置氏が「知らないでいいですよね?」と確認すると、川島自身も「知らないほうが絶対いい」と賛同したという。
本音を扱う番組だけに、話が危うい方向へ進む可能性もあるが、そこでも川島への信頼は厚い。「百戦錬磨の川島さんですから、これ以上行くと危ないなというところで、踏み外さずに軌道修正してくださる」と安心感があるそうだ。
もちろん、放送するラインを川島任せにしているわけではない。編集段階でも日置氏一人で決めず、スタッフと一緒にプレビューし、「私はこれは引いた」「これはちょっとかわいそう」と一人でも感じれば、一度立ち返って編集を考え直す。
「これは炎上する」「ここまでは大丈夫」という線引きは日々変化するだけに、完全な正解を見つけることは難しい。それでも、何かが起きた時に「どう反省して、どう勉強して、どう修正していくのかは、これからのクリエイターに必要なことだと思います」と捉えている。
村重杏奈&くるまは「右大臣と左大臣」
キャスティングにも、これまでの日置氏の番組作りが色濃く表れている。
初回では、日置氏がフジテレビ時代に担当した『呼び出し先生タナカ』でブレイクした村重杏奈に加え、YouTubeチャンネル『ゲリラ』でタッグを組んでいる高比良くるま(令和ロマン)を両サイドに配置。「右大臣と左大臣として2人にいてもらいました(笑)」と表現するほど、番組を支える存在として信頼を寄せる。
オファーにあたっては、「“よし、初回に日置が呼んでくれたぞ”となったら、一段ギアを上げてきてくれるんじゃないかなという期待もあった」といい、実際の収録でも「本当に2人ともめちゃくちゃ面白かったです」と応えてくれた。
一方、すでにバラエティで実績のある出演者だけで固めるつもりもない。『呼び出し先生タナカ』などで新しい顔を積極的に起用してきた日置氏は、『裏垢ウララカ』でも地上波ではなかなかチャレンジしづらい人をキャスティングしていきたいと考えている。
レギュラー番組では毎回数字を求められ、制作費も限られる中、「“この席に全く知らない人を座らせるのは怖い”と制作者が考えるのは当然です」とした上で、「新しいスター、新しいタレントさんを作っていかないと、ベテランの方しか出ないメディアになってしまう」と危機感を口にする。
そこには、単に新しい人を発掘したいというだけではなく、出演者自身に「テレビって面白い」「また出たい」と思ってもらいたいという思いも。『裏垢ウララカ』の収録では、思うように力を発揮できなかったことを悔しがり、終了後に涙を見せた新顔の出演者がいたという。
そうした姿は、これまでにも何度も見てきた。『呼び出し先生タナカ』では、あるタレントが収録後に号泣し、日置氏が楽屋まで慰めに行ったことも。「そこまで番組に本気で来てくれる」という出演者たちの姿勢を受け止めながら、その成長を見ることも制作者としての楽しみになっている。


