BYDはミドルサイズSUV「ATTO 3」の大幅改良モデル「ATTO 3 EX」を日本で発売した。フル充電で620kmも走れてシートベンチレーション付き、上級グレードなら車内に「温冷庫」まで付いて価格は400万円台だ。軽EV「ラッコ」に続き、BYDは日本のSUV市場にも衝撃を与えられるのか。BYD Auto Japanの説明会で詳しい話を聞いてきた。
フルモデルチェンジ級の大幅進化!
「ATTO 3」はBYDが日本の乗用車市場に参入した2023年1月、同社の日本導入第1弾として売り出した電気自動車(EV)だ。サイズは中型、いわゆる「Cセグメント」に属する。世界では累計100万台以上が売れていて、日本での累計販売台数は2,684台だ。日本の購入者の90%は男性で、年代構成は40代と50代で計60%を占める。
今回の「ATTO 3 EX」はマイナーチェンジモデルではあるものの、従来型とはモーターの搭載位置からして変わっている。駆動方式は前輪駆動だったものが後輪駆動および4輪駆動(AWD、新規設定)となり、一充電走行距離は大幅に伸長。BYD Auto Japanの東福寺厚樹社長は、「中身的にはモデルチェンジに近いような、大幅な進化を遂げた」モデルであると説明した。
車名に加わった「EX」には、「EXTEND」(生活を広げる)、「EXPLORE」(選択肢を広げる)、「EXPERIENCE」(体験を広げる)の3つの意味を込めた。コンセプトは「毎日を、もっと広げる。」だ。
装備充実、航続距離も向上
ボディサイズは全長4,455mm、全幅1,875mm、全高1,615mm、ホイールベース2,720mmで現行型と変わらないが、中身は大幅に変化している。従来は前輪駆動のみだった駆動方式は、後輪駆動(RWD)あるいは4輪駆動(AWD)から選べるようになった。バッテリー容量は従来型の58.56kWhから74.88kWhに拡大。一充電走行距離は従来型が470km、EXのAWDが550km、EXのRWDが620kmとなっている。急速充電の最大受電能力は85kWから100kWに向上した。
グレードと価格は「BYD ATTO 3 EX」(RWD)が437.8万円、「BYD ATTO 3 EX AWD」が487.3万円となる。
「ATTO 3 EX」は装備の充実ぶりにも注目。シートヒーターはもちろん、シートベンチレーションも両グレードで標準装備となる。AWDには「車載温冷庫」まで付いてくる。安全・運転支援機能の面では、センサー構成が従来の「3つのミリ波レーダーと1つのフロントビューカメラ」から「5つのミリ波レーダーと1つのフロントビューカメラ」に進化した。
同じEVで考えると、日産自動車「リーフ」と比べてみるのが分かりやすいかもしれない。リーフのボディサイズは全長4,360mm、全幅1,810mm、全高1,550mm(プロパイロット2.0装着車は1,565mm)、ホイールベース2,690mm。「ATTO3 EX」とバッテリー容量が近い78kWhのグレードは518.87万円からだ。装備面が違うので単純比較はできないが、「ATTO 3 EX」の価格設定はけっこう驚異的なのではないだろうか。
ひとつ残念なのは、BYDのCEV補助金が国産車やテスラなどと比べて圧倒的に少ないこと。「ATTO 3 EX」のCEV補助金は15万円だ。もしリーフ並みの129万円が使えるなら、実質価格は300万円台前半からということになる。
とはいえ、「ATTO 3 EX」に競争力があるのは間違いなさそうだ。


























