
カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)が最新アルバム『Day and Night』を9月18日にリリースした。2枚組・全24曲を通して、多作なポップスターはさまざまなスタイルと大陸を横断しながら、恋愛がもたらす目もくらむような高揚と、打ちのめされるほどの落胆を描き出す。
インターネットのある界隈では、カーリー・レイ・ジェプセンは不朽の2011年のヒット曲「Call Me Maybe」を歌った女性というだけではなく、極上のポップを紡ぐ詩人のような存在だ。ファンに言わせれば、彼女は今世紀最高のポップソングを少なくとも5曲は書いているという(ただし、それがどの5曲なのかについては誰も意見が一致しない)。カナダにおけるカイリー・ミノーグのような存在だと考える人もいれば、ためらうことなく真摯な感情をさらけ出す姿に若き日のテイラー・スウィフトを重ねる人もいる。膨大なディスコグラフィを通じて、彼女がほぼ一貫して書き続けてきたのは、この「愛」と呼ばれるクレイジーなものについてだ。シロップのように甘い歌声で、一緒にどこかへ逃げようと愛らしく呼びかける曲もあれば、大胆な別れのアンセムも歌ってきた。
新たな恋へ向かうときも、まだ踏み込んだことのないジャンルに挑むときも、自分の心に従う──そんなカーリーの直感こそ、常に彼女最大の武器だった。最新作『Day and Night』は、単なる二枚組アルバムではない。音楽的にも歌詞的にも、愛をめぐる旅の記録でもある。その一部には、昨年結婚したプロデューサー、コール・M・G・Nとのロマンスが反映されている。バレアリックの色合いを帯びた、綿菓子のように甘い午後から、2ステップで踊る夕暮れの夜会、薄暮の空の下で繰り広げられる恍惚としたボサノヴァの告白まで。これはカーリーにとって最も実験的で、最も胸躍る作品であり、恋に落ちるという体験を、まるで初めてのことのように新鮮に感じさせてくれる。
アルバムの「Day」パートでは、ドリームポップやフォークポップといったシルキーなジャンルから影響を受けており、カーリーはいかにも幸せの絶頂にいるように聴こえる。ニュー・ディスコ調の「Habits of Creatures」では、彼女が安定を求めていることが示される。トッド・テリエの楽曲を思わせるシンセが天へ向かって舞い上がるなか、彼女は〈同じものを、もっとちょうだい〉とため息まじりに歌う。そして「Soft」では警戒心を解き、くるりと身を翻して恋人の腕の中へ飛び込んでいく。
「Night」パートになると、舞台は世界各地のクラブへと飛び、彼女の欲望もよりストレートに表現される。ディープハウスの「Near or Far」、官能的でサンプリングをふんだんに用いた「Never Let a Good Thing Die」、そして大量のディスコソングが並ぶ(何しろカーリー・レイ・ジェプセンのアルバムなのだから)。「Dont Leave Me on the Dance Floor」は、泣き出すほど力いっぱい歌いたくなるような宣言の歌だ。天高く響く叫び声から、セロファンのように薄いささやき声まで、タイトルのフレーズが繰り返されるたびに、生きるか死ぬかほどの切実さが感じられる。フレンチ・タッチとABBAを同時に思わせるメタリックなコーラスで、彼女は恋人に〈暗闇に置き去りにして、またひとりで次の曲に向き合わせないで〉と呼びかける。
『Day and Night』は、終わることのないハネムーンのような作品だ。カーリーは、「Blue Skies」の浜辺を思わせる心地よい揺らぎや、「Versailles」で繰り広げられる豪奢な酒宴など、穏やかな情景の数々をゆったりと渡り歩いていく。後者は、ソフィア・コッポラ監督による2006年の映画『マリー・アントワネット』から明確なインスピレーションを得た曲で、カーリーは恋人に、果物の染みでベッドシーツを汚したり、裸のまま庭を駆け抜けたりと、人生の快楽に一緒に身を委ねようと誘いかける。本作のプロデュースを主に手がけたのは、長年カーリー作品を支えてきたカイル・シーアーで、『Day and Night』の中でも特にダンサブルな楽曲を生み出している。このほか、Bullion、CJ Baran、Magnus Lidehällらも参加している。なかでも特筆すべきは、コール・M・G・Nが複数の楽曲で共作とプロデュースを担当していることだ。家族をテーマにした弾けるような賛歌「Motivation」や、ボサノヴァを取り入れ、『Day and Night』の「Day」パートをおとぎ話のように締めくくる「Just a Little Walk on the Moon」もそのひとつだ。
カーリーの歌は、いつだって愛のことばかりだ。目もくらむような高揚から、打ちのめされるほどの落胆まで。彼女にとって、自分が抱えているものをさらけ出し、一曲の中で感情を告白することに恥じるべきことなど何もない。「Night」パートの最後を飾る「Super Sage」は、カーリーが不安げに歩き回る場面から始まる。自分が恋人を限界まで追い詰めているのではないかと怯える彼女の不安を映すように、シンセが幾重にも重なり、左右を行き交いながら、螺旋を描くように膨らんでいく。ところが突然、「Super Sage」はサイケデリック・ポップの宇宙へと一気に飛び出す。テンポが上がり、シンセは正弦波のようにうねり、そのすべてが、何もかも打ち明けようとする瞬間に全身を駆け抜ける熱を思わせる。
『Day and Night』全体にはエデンの園を思わせるイメージが繰り返し描かれているが、カーリーが何度も息をのむように〈I love you〉と口にする瞬間こそ、このアルバムで最もロマンティックで、最も無防備な場面だ。そこには、むき出しの切実さが宿っている。7年前、カーリーは『Dedicated』収録の「Real Love」で、本物のつながりを求めて空に向かって叫んでいた。『Day and Night』を聴くかぎり、どうやら彼女はそれを見つけたようだ。
From Rolling Stone US.

カーリー・レイ・ジェプセン
『Day And Night』
発売中
