連続ドラマとして28年ぶりに復活し、反町隆史が元暴走族らしいヤンキー精神で真正面から学校の問題に飛び込んでいく、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『GTO』(毎週月曜22:00~ ※FOD・TVerなどで配信)の第9話が、14日に放送された。

今回は、簡単に作られ広がってしまうフェイクやデマ、悪評と、それとは正反対に簡単には作れない“信頼”という、大きなテーマが潜んでいるように思えた。

  • (左から)堀口真帆、反町隆史 (C)カンテレ

    (左から)堀口真帆、反町隆史 (C)カンテレ

【第9話あらすじ】鬼塚が教え子に手を上げる──!?

クラスが一つにまとまりかけた矢先、鬼塚(反町隆史)の過去に関する悪評がタブレット上に次々と書き込まれ、芦田綾乃(堀口真帆)が自分が犯人だと名乗り出る。噂は保護者にも広がり、抗議が殺到した鬼塚は謹慎処分に。1年B組も鬼塚を信じる側と疑う側に分裂してしまう。

そんななか鬼塚は教室に現れ、自身が過去の学校を辞めた理由を記した書類を綾乃に渡す。「信じてもらえないなら、俺はこのクラスの担任も、この学校も辞める」と告げるが、生徒たちは最終的に全員、鬼塚を信じることを選ぶ。

一方、孤立した綾乃は、かつて母親が入学を望んでいた名門校へ別の制服を着て忍び込む。見つかって窮地に陥るが、鬼塚が現れて彼女を連れ出す。

そこで綾乃は、志望校に落ちて以来、母親から認められなくなったこと、父親の不倫、信頼した大人からの裏切り、友人に秘密を暴露された経験などを打ち明ける。そうした積み重ねから人間不信に陥り、SNSに悪口を書くことで鬱憤を晴らしていたのだった。

鬼塚はそんな綾乃に「賢くなれ。自分の可能性を信じないヤツが本当のバカだ」と告げ、自分が体罰をしたように見える動画を使えば、鬼塚をクビにできると提案する。

後日、綾乃は実際に“鬼塚が自分を平手打ちする動画”を学校のSNSに投稿。しかし、その続きには「今の動画はフェイクです」という表示があった。

そして綾乃は両親や教師たちの前で、鬼塚は自分を救おうとしてくれたのだと告白。これまでの自分の行いも認めたうえで、「これからは、自分の頭で必死に考えて、賢くなりたい」と、自分自身の人生を歩くことを宣言するのだった。

  • (C)カンテレ

「見えるもの」と「本当のこと」は一致しない

第9話で描かれたのは、単なるSNSトラブルではなかった。鬼塚についての悪評が次々と書き込まれ、保護者から抗議が殺到。クラスも、鬼塚を信じる側と疑う側に分裂する。そして、その中心にいたのが綾乃だった。

現代では、誰かについて何かが書かれれば、それだけで「事実らしさ」が生まれる。さらに画像や動画まで添えられれば、なおさらだ。だが第9話は、その前提をひっくり返した。

最後に綾乃が投稿したのは、鬼塚が自分を平手打ちする動画。見た瞬間、誰もが「鬼塚が生徒を殴った」と思う。ところが、その直後に表示されたのは――

「今の動画はフェイクです」

つまり、この回がずっと描いていたのは、「見えるもの」と「本当のこと」は一致しない、という問題だった。

いまや、文章だけでなく画像も動画も編集できる。そうなると、「証拠があるから本当」という単純な判断そのものが危うくなる。では、何を信じればいいのか。その答えを示したのが、1年B組の生徒たちだった。

鬼塚は、自分が過去の学校を辞めた理由を記した書類を綾乃に渡し、それでも信じてもらえないなら、「俺はこのクラスの担任も、この学校も辞めるから」と言う。

自分を弁護し続けるわけでもない。「俺を信じろ」と強要するわけでもない。判断を、生徒たちに委ねた。そして生徒たちは、鬼塚を信じる。それは、書類の内容だけを信じたということではないだろう。

これまで自分たちが見てきた鬼塚。
困ったときに走ってきた鬼塚。
面倒でも逃げなかった鬼塚。
嫌われても本音を言った鬼塚。

その積み重ねを知っているからこそ、ネットに流れてきた「情報」より、自分たち自身が見てきた人間を選んだ。ここに、第9話の重要なポイントがある。

──フェイクは作れる。だが、積み重ねた“信頼”まで作ることはできない。