連続ドラマとして28年ぶりに復活し、反町隆史が元暴走族らしいヤンキー精神で真正面から学校の問題に飛び込んでいく、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『GTO』(毎週月曜22:00~ ※FOD・TVerなどで配信)の第5話が、17日に放送された。
今回は実に、鬼塚英吉らしい、そして遊川和彦脚本らしい内容だった。それに加え、「令和の生徒の描き方がステレオタイプすぎるのではないか」といった不満から、『GTO』における、「記号」的な魅せ方を探る。
【第5話あらすじ】苦労する母のため退学しようとする生徒に…
謹慎明けの百花(大島美優)が新たにマスゲーム部の一員となり、職員室では、ともに生徒の窮地を救った鬼塚(反町)と村山(夙川アトム)の間に奇妙な絆が芽生えていた。少しずつだが校内に鬼塚の型破りなやり方に理解を示す人が増え始め、校長の大久保(宇梶剛士)もまた、鬼塚に興味を抱き始める。
そんななか、クラスで三者面談が行われることになり、鬼塚と柏原(生見愛瑠)は事前に生徒自身の進路の意向を聞くため、一人ずつ面談をすることに。すると、田中航(及川桃利)が、二人を前にして突如、退学届を取り出す。
航本人は「うちの学校にいても楽しくないし、時間の無駄」とその理由を説明するが、鬼塚は到底納得できない。すると、出向職員の龍之介(工藤阿須加)からの情報で、航が学校生活に必要な費用を滞納していることが分かる。
航の父親は借金を残して失踪。母が女手一つで育てていたが、怪我をし、しかも労災が出るかどうかも分からない状況だった。それを知った鬼塚は、三者面談で保護者を交えて話をしようと航を諭す。しかし、航は、あからさまな態度で鬼塚に反抗するように。挙げ句、クラスメートにも悪態をつき始め、「なんだと、お前?」とつい暴走族時代の自分が出そうになる。それを止める柏原。
見かねた鬼塚は、退学を思いとどまらせるため、航に様々な方法を試すが、ことごとく失敗。龍之介にも協力を仰ぎ、奨学金制度の話も出すが、「それって結局、借金でしょ」と一蹴される。いら立つ航は、ついに暴力沙汰を起こしてしまう。さらに母にも悪態をつく航に、鬼塚は声を荒げて、航の母がどれだけ頑張っているかを説く。
そしてついに鬼塚は最後の手段に出る。放課後の教室で、航1人を残し、自分を殴れと言う。鬼塚も元暴走族。しかも伝説。自分の気持ちを上手く表現できないかったために、意味もなく暴れたくなった過去を明かす。最初は、おそるおそるだった航も、鬼塚に煽られ、次第にその拳に力が入っていく。そしてこれまで溜まりに溜まっていた自身の怒りと不満をぶつけるのだった。徐々に凝り固まっていた心が溶けていく──。
鬼塚英吉、遊川和彦氏がいよいよ本領発揮
あの鬼塚が帰ってきた──!! 第5話の鬼塚は、伝説の暴走族・鬼塚英吉の過去の片鱗が多く見られ、ここに来て、50代になった鬼塚がより立体的に見えてきた。これを待ち望んでいた往年の『GTO』ファンもいたのではないだろうか。
良い教師の仮面をかぶり、生徒のご機嫌取りをし、大きな問題は起こさなそうに見えた26年版の鬼塚。5話ではその仮面が割れ、あの当時特有の、問題も暴力も起こすが、情に厚く、自分に正直でまっすぐで、義理人情にはバカのように熱い、98年版の鬼塚により近い存在として、航の問題に向き合っていたのだ。
これにX(Twitter)も即座に反応。「これは貴重なGTO」「今週のGTOは良い回」「航が鬼塚を殴りながら思いをぶつけていくシーンは泣いたわ」「これが、俺たちが待っていた鬼っちだよ」など多くの反響が寄せられている。一方で、「急に昔の鬼塚に戻って違和感があった」「すごく感動したけど、じゃあ今までの鬼塚は何だったんだ」と多少、戸惑った声も上がっている。
そして今回は、生見愛瑠回でもあった。航の家を訪問した柏原は、航から「本当は面倒くせーと思っているの見え見えだから」とガンとして反抗を続ける航に、「当たってます」とキッパリ。「本当はこんなことやりたくないって言うか、学校辞めてくれた方が仕事も減って楽だし、もう放っておきましょうこんなガキ面倒くさい」「あ~! 辞めろ辞めろ辞めちまえお前なんか」と言い放ったのだ。
さらに、自身の心の底からの想いをぶつけながら鬼塚を殴った航に、「あんたが一番いけないのは、大人を頼らないことなんじゃないかな。子どもが困った時、助けるために大人がいるの。だから1人で苦しまないで、何でも相談すればいいのよ」「(航の)お母さんが望んでいるのは、(高校も大学受験も止めて)家計を助けてくれることじゃない。あんたが、本当にやりたいことを見つけて、それを応援することなんだから」「二度と、自分で自分の道を閉ざすことはしないで」
この柏原の言動も、ある種、急な変化に思えたが、筆者はうれしかった。鬼塚だけじゃない。あの『女王の教室』『家政婦のミタ』の遊川和彦氏の真髄が見られたような気がしたからだ。「あの遊川和彦が戻ってきた」──そうとも言える回だったのかもしれない。





