「俺、何やってんだろう」――。テレビプロデューサーの佐久間宣行氏が、2日深夜に放送されたニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』(毎週水曜27:00~28:30)で、就職活動中に毎日のように食べていた思い出の料理を約30年ぶりに再現したことを明かした。
就職活動中の生活を支えた鶏もものバターソテー
自宅での揚げ物を妻から許されず、仕事用の作業場で唐揚げ作りに挑戦した佐久間氏。初回は思い描いたような出来栄えにならず、さらに使用後の油の処理にも失敗したため、「揚げ物はやめることにした」と決断した。
それでも、自炊そのものは続けようと考えたという。冷蔵庫には、今後も唐揚げを作るつもりで買っておいた鶏もも肉が残っていた。その肉をどう調理するか考えたとき、「人生で一番金がなかった」という就職活動中の日々がよみがえった。
当時は就職活動が長期にわたり、アルバイトをする時間も次第に減少。事前にためていたお金でスーツを購入した後、生活費に余裕がなくなっていった。
そんな佐久間氏を支えた料理が、鶏もも肉のバターソテーだった。200円ほどで購入した鶏もも肉を半分に切り、1食分を約100円に抑えて調理。バターで焼いた肉をご飯にのせ、毎日のように食べながら就職活動を乗り切ったという。
「あの頃食ってたあれ、結構おいしかったな」と思い出した佐久間氏は、約30年前に作っていた鶏もものバターソテーを、現在の自分が再現したらおいしいのか試すことにした。
思い出の味に「あれ?」
料理を始めたのは19歳の頃。クリスマスイブに親友を手料理でもてなすため、数週間前から少しずつ作るようになったという。今回、記憶を頼りに鶏もも肉を焼いていると、大学時代に料理を始めたきっかけや、当時のさまざまな出来事が次々によみがえった。
フライパンへ鶏もも肉を置き、皮目からじっくり加熱。裏返して蒸し焼きにした後、バターと塩コショウで仕上げた。皿へご飯を盛り、その上に肉をのせ、バターを含んだ肉汁もご飯へ吸わせた。
皮はカリカリで、中はしっとり。見た目も火の通り方も問題なく、佐久間氏は「これこれこれ」と期待しながら口に運んだ。
ところが、出てきた感想は「そんなうまくない(笑)」。記憶に残る料理との違いに、「そんなうまくないんだ、あれ?」「俺、これ思い出の食べ物なんだけど」と困惑した。
調味料を足すと絶品になるも「全然思い出の品でもない」
二口ほど食べたところで味が足りないと判断し、鶏肉を再びフライパンへ戻した佐久間氏。しょうゆを加えて炒めている途中、にんにくパウダーを発見し、「にんにく入れたほうが絶対うまい」と投入した。さらに別のスパイスも加えると、次第に食欲をそそる香りが立ち始めたという。
完成したのは、ガーリックバターしょうゆ味のチキンソテー。改めて食べてみると「めっちゃうまい」と満足できる味になり、ノンアルコール飲料も進んだ。
しかし、食べ終えた瞬間、「俺、何やってんだろう」と我に返った佐久間氏。おいしい料理にはなったものの、「全然思い出の品でもないんですよ」と、約30年前に食べていたバターソテーとは別物になったことに気づいた。
今回の再現をきっかけに、佐久間氏は昔作っていた料理を掘り起こすことに夢中になっているそう。かつて交際していた女性に教わった、トマトジュースで作るドライカレーや、娘が小学生の頃に好んでいた塩昆布と玉ねぎのスパゲティなど、記憶に残るレシピを一つずつ振り返っている。
料理を再現することで、味だけでなく、当時の暮らしや人とのつながりまで思い出した佐久間氏。記憶の中の味を完全に取り戻すことはできなかったが、30年前の自分と向き合う新たな楽しみが生まれたようだ。
『オールナイトニッポン0』は、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」で放送と同時に映像でも配信中。放送後には「17LIVE」限定のアフタートークも配信されている。
【編集部MEMO】
『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』は、テレビプロデューサーの佐久間宣行氏がパーソナリティを務めるラジオ番組。2019年4月にスタートし、テレビ番組や映画、エンタメ業界にまつわる話題のほか、仕事や家族との日常で起きた出来事などを届けている。
