のどの痛みや鼻水、発熱といった風邪のような症状が出たとき、「病院に行くべきか、様子を見るべきか…」と迷った経験はありませんか?
マイナビニュースが20~60歳の男女301人を対象にアンケートを実施したところ、半数以上が「風邪の症状で医療機関の受診を迷った経験がある」と回答しました。
そこで今回は、風邪のような症状が出たときに多くの人がどのように対処しているのかを紹介するとともに、セルフケアのポイントや受診の目安について医師に話を聞きました。
風邪症状で受診を迷った経験がある人は5割超
まず、「風邪の症状で、病院に行くべきか迷った経験はありますか?」と質問したところ、「よくある」が17.3%、「ときどきある」が36.5%となり、あわせて53.8%が受診を迷った経験があると回答しました。
一方で、「あまりない」は33.2%、「全くない」は13.0%でした。
“風邪のような症状”は多くの人にとって身近なものですが、病院に行くべきか判断に迷った経験がある人も少なくないようです。
「風邪かな」と思ったときの行動1位は「十分な睡眠」
続いて、「風邪の症状が出た際に最初に取る行動」を尋ねたところ、最も多かったのは「十分な睡眠をとる」(51.8%)でした。次いで、「市販薬を服用する」(45.2%)、「家で安静に過ごす」(42.9%)が続きました。
そのほか、「栄養のあるものを食べる」(31.9%)、「水分補給をする」(30.6%)も3割を超えており、多くの人がまずはセルフケアで様子を見る傾向がうかがえます。
一方で、「医療機関を受診する」と回答した人は13.3%にとどまりました。
受診を考えるきっかけは「高熱」が最多
では、どのような症状があると受診を考えるのでしょうか。
「病院の受診を考える風邪の症状」を聞いたところ、最も多かったのは「高熱が出る」(54.3%)でした。続いて、「症状が長引く」(44.4%)、「熱が数日続く」(41.4%)、「市販薬を服用しても症状が改善しない」(38.3%)となりました。
また、「咳がひどい」(32.1%)、「強い倦怠感がある」(30.2%)という回答も3割を超えています。
多くの人が症状の強さだけでなく、症状が続く期間やセルフケア後の改善状況を受診の判断材料にしていることが分かりました。
医師に聞く「風邪症状が出たときのセルフケアと受診の目安」
今回のアンケートでは、風邪のような症状が出た際、多くの人がまず睡眠や安静、市販薬の服用などセルフケアを行う一方で、半数以上が受診を迷った経験があることが分かりました。
一方で、「どのタイミングで受診すべきなのか分からない」と感じている人も少なくないかもしれません。そこで、風邪症状が出た際の適切なセルフケアや受診の目安について、医師に詳しく話を聞きました。
まずは「休養」と「水分補給」を優先
いわゆる風邪の大半は、ウイルスによる上気道の感染です。多くは数日から1週間ほどで自然に治まっていくため、まず意識したいのは「治す薬を探すこと」ではなく、「体が回復に使うエネルギーを確保すること」です。
そのため、無理に予定をこなそうとせず、十分な睡眠時間を確保して休養を取ることが基本のセルフケアといえるでしょう。
また、発熱時は通常よりも多くの水分が失われます。常温の水やお茶に限らず、経口補水液やスープ、みそ汁など、塩分や糖分を含む飲み物を活用して、水分補給を心掛けることが大切です。
空気の乾燥も症状を悪化させる要因のひとつです。乾燥すると、のどや鼻の粘膜のバリア機能が低下し、咳や痛みを強く感じやすくなります。加湿器や濡れタオルを干すなどして室内の湿度を保つことも、セルフケアとして有効です。
さらに、症状が出ている間は周囲へ感染を広げないよう、マスクの着用や手洗い、換気などの基本的な感染対策も心掛けましょう。
「薬が効いているうちに無理をする」は避けて
アンケートでは、「十分な睡眠をとる」(51.8%)、「市販薬を服用する」(45.2%)、「家で安静に過ごす」(42.9%)が上位となりました。これらはいずれも理にかなった対処法です。
一方で、回復を遅らせる行動には注意が必要です。
特に避けたいのが、解熱鎮痛薬で症状を抑えたまま仕事や学校に行くことです。薬によって熱や痛みが軽くなっても、体の中でウイルスと戦っている状態は変わりません。動き続ければ回復に回すべき体力が削られ、治りが遅くなる可能性があります。また、周囲へ感染を広げてしまうリスクもあります。
アルコールや喫煙にも注意が必要です。アルコールは睡眠の質を低下させるだけでなく、脱水を進める恐れがあります。また、喫煙は気道の粘膜を刺激し、咳を長引かせる要因になります。
さらに、「汗をかけば風邪が治る」と考えて厚着をしたり、サウナで汗を流したりする方法は要注意です。こうした行動は脱水を招く可能性があり、回復を早める効果は期待できません。
薬の使い方にも気を付けたいところです。以前処方された抗菌薬を自己判断で服用したり、家族の薬を分けてもらったりする行為は避けましょう。風邪の多くはウイルス感染によるため、抗菌薬は効果が期待できないうえ、副作用や薬剤耐性のリスクを高める可能性があります。
市販薬は「症状を和らげるためのもの」
市販薬は風邪そのものを治す薬ではなく、“つらい症状を和らげ、休養しやすい状態を整える”ためのものです。
例えば、発熱やのどの痛みで眠れない場合、症状が和らぐことで睡眠が取りやすくなります。また、鼻づまりや咳による不快感が軽減されれば、食事や休養もしやすくなるでしょう。
一方で、症状に合った薬を選ぶことも大切です。発熱やのどの痛みが中心なのか、鼻水なのか、咳なのかによって適した薬は異なります。迷ったときは薬剤師へ相談すると安心です。
また、市販薬の併用による成分の重複には注意が必要です。風邪薬と解熱鎮痛薬を併用することで、同じ成分を過剰に摂取してしまうケースもあります。服用前には成分表示を確認し、用法・用量を守ることが重要です。
市販薬を2~3日使用しても改善しない場合や、症状が悪化している場合には、自己判断を続けず医療機関の受診を検討しましょう。
「高熱」「長引く症状」は受診のサイン
アンケートでは、受診を考える症状として「高熱が出る」(54.3%)、「症状が長引く」(44.4%)、「熱が数日続く」(41.4%)が上位となりました。こうした感覚は、受診の目安として適切だといえます。
例えば、
・38度以上の発熱が3日以上続く
・一度下がった熱が再び上がる
・発症から1週間たっても改善しない
・市販薬を数日使用しても変化がない
といった場合には、一度受診を検討したほうがよいでしょう。
また、咳だけが2~3週間以上続く場合も注意が必要です。風邪以外の病気が隠れている可能性もあるため、一度診察を受けることをおすすめします。
さらに、
・息苦しさがある
・胸の痛みがある
・水分が取れない
・強い倦怠感で動けない
といった症状がある場合は、早めの受診が望ましいとされています。
高齢者や乳幼児、妊娠中の方、基礎疾患がある方は症状が急変することもあるため、様子を見る期間を短めにして、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
風邪だと思ったら別の病気だったケースも
風邪だと思っていた症状の中に、別の病気が隠れているケースは少なくありません。
代表的なものとしては、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症があります。急な高熱や強い倦怠感、筋肉痛がある場合はこれらの感染症も考えられます。
また、強いのどの痛みと発熱が目立つ場合は溶連菌感染症、副鼻腔炎では鼻症状が長引いたり顔の痛みが出たりすることがあります。さらに、咳や発熱が続き息切れを伴う場合は、肺炎などが隠れている可能性もあります。
一方で、花粉症などのアレルギー性鼻炎も、鼻水やのどの違和感など風邪とよく似た症状を引き起こします。
風邪は一般的に、鼻やのど、咳などの症状が同じ時期に現れ、数日をピークに少しずつ改善へ向かいます。しかし、ひとつの症状だけが極端に強い場合や、いったん良くなった後に再び悪化する場合は、別の病気の可能性も考えられます。
「いつもの風邪と何か違う」と感じたときは、その感覚を軽視せず、早めに医療機関へ相談することが大切です。
この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。
調査概要
・調査時期:2026年8月24日
・調査対象:マイナビニュース会員
・調査数:男女合計301人
・調査方法:インターネットログイン式アンケート








