「なんとなくだるい」「しっかり休んだはずなのに疲れが抜けない」――そんな不調を感じたことはないでしょうか? だるさは、多くの人が日常的に感じている身近な不調のひとつです。一方で、その原因については「疲れや寝不足」といったイメージが先行し、深く考えられていないケースも少なくありません。
そこで今回は、20~60歳の男女300名を対象に、「だるさ」に関するアンケートを実施。調査結果をもとに、だるさの背景にある要因や見過ごされがちな体調のサインについて医師に聞きました。
日常的に“だるさ”を感じている人の割合は?
まず、普段どのくらいだるさを感じているかを聞いたところ、「ほぼ毎日ある」と回答した人が29.6%、「週に数回ある」が28.9%と、半数以上が日常的にだるさを感じていることがわかりました。
「たまにある」も28.2%と高い割合を占めており、「ほとんどない」と答えた人は13.3%にとどまっています。
この結果から、だるさは一部の人に限った症状ではなく、多くの人にとって“当たり前の不調”として捉えられているという実態が見えてきました。
「日中」にだるさを感じている人が最多
次に、どのようなときにだるさを感じやすいかを聞いたところ、「日中(仕事・家事中など)」が48.3%で最多となり、「朝起きたとき」も47.5%と、ほぼ同じ結果となりました。
また、「屋外に長時間いた後」と回答した人も27.2%にのぼり、活動中や外出後にだるさを感じる人が一定数いることがうかがえます。
そのほか、「運動後」(14.9%)や「入浴後」(12.3%)といった、体に負荷がかかった後のタイミングも挙げられており、日常生活のさまざまな場面でだるさが生じていることがわかります。
だるさの原因を「特に深く考えていない」という人も
では、だるさの原因はどのように捉えられているのでしょうか?
最も多かったのは「疲れ・寝不足だと思う」(47.1%)で、約半数を占めました。次いで、「ストレスだと思う」(25.7%)、「気温や環境の影響だと思う」(16.1%)と続きます。
一方で、「特に深く考えていない」と回答した人も10.0%おり、だるさの原因について明確に意識していない人も一定数見られました。
多くの人がだるさを“疲れ”として捉えている一方で、その背景にはさまざまな要因が関係している可能性も考えられそうです。
医師が指摘する“だるさの要因”とは
調査の結果からは、多くの人が日常的にだるさを感じつつも、その原因を「疲れ」や「寝不足」といった分かりやすい要因に結びつけている実態が見えてきました。
しかし、なかには単なる疲労のように思えるだるさの中にも、別の要因が隠れているケースもあるといいます。そこで今回は、だるさの要因と対処法について、医師に詳しく話を聞きました。
監修者

小鷹 悠二(おだか ゆうじ)医師
福島県立医科大学医学部卒業 専門は循環器内科
2009 4月~2013 3月 宮城厚生協会坂総合病院/2013 4月~2017 3月 東北大学病院循環器内科・同大学院 医員/2017 4月~2018 5月 仙台オープン病院 循環器内科医長/2018 5月~ おだかクリニック 副院長
だるさは“体からのサイン”
だるさは、疲れや寝不足だけでなく、「体を休めてほしい」というサインとして現れることがあります。
原因としては、風邪やインフルエンザなどの感染症をはじめ、精神的ストレス、睡眠不足、栄養不足、脱水などさまざまです。また、貧血や甲状腺機能低下症、糖尿病、心不全、肝臓・腎臓の病気など、何らかの病気が背景に隠れているケースもあります。
特に、「いつもと違う強いだるさ」や「長期間続く場合」は、単なる疲れと決めつけず、原因を確認することが大切です。
だるさを感じたときは「まず無理をしない」
だるさを感じたときは、まず十分な睡眠と休養をとり、無理をしないことが基本です。
そのうえで、こまめな水分補給やバランスの良い食事、ぬるめの入浴、軽いストレッチなども有効とされています。特に暑い日や運動後は、水分や塩分が不足しやすいため注意が必要です。
軽いだるさであれば、早めに休養をとることで改善するケースも少なくありません。
また、予防の観点では、規則正しい生活や適度な運動、ストレスをため込みすぎないことも大切です。普段から自身の体調を把握し、「いつもの状態」との違いに気づくことも、体調管理につながります。
「なんとなくだるい」は脱水のサインかも?
だるさは、脱水や体内の水分不足によって起こる代表的な症状のひとつでもあります。
体内の水分が不足すると血液の流れが悪くなり、全身に酸素や栄養が届きにくくなるため、体が重く感じたり、集中しづらくなったりすることがあります。
特に、暑い日や屋外での活動後、運動後、入浴後、発熱時、下痢や嘔吐があるときは脱水が起こりやすい状態です。また、高齢者や子どもは喉の渇きを感じにくく、気づかないうちに脱水になっている場合もあります。
「なんとなくだるい」と感じたときは、疲れだけでなく、水分不足の可能性も考えてみることが大切です。
“いつもの疲れ”と違うときは、熱中症の可能性も
脱水や熱中症によるだるさは、暑い環境にいた後や大量の汗をかいた後に現れやすいのが特徴です。
通常の疲労とは異なり、水分を十分にとらないまま活動を続けることで、急激に症状が強くなることもあります。口の渇きやめまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、尿量の減少などを伴う場合もあります。
さらに、「ぼんやりする」「受け答えがおかしい」といった変化が見られる場合は、重症化のサインの可能性もあります。
暑い場所で感じるだるさは、「ただ疲れているだけ」と軽視せず、熱中症の初期症状として早めに対応することが重要です。
重症化を防ぐには、“症状を見逃さない”ことが大事
脱水や熱中症によるだるさを放置すると、体温調節がうまくできなくなり、意識障害やけいれん、臓器障害につながることがあります。重症化すると命に関わる場合もあります。
暑い場所でだるさを感じた場合は、まず涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給して休むことが大切です。
30分ほど休んでも改善しない場合や、頭痛、吐き気、ふらつきが強い場合は、医療機関の受診も検討しましょう。
また、意識がはっきりしない、水分を飲めないといった場合は、速やかに救急要請が必要です。
熱中症を予防するには?
脱水や熱中症を防ぐためには、「喉が渇く前」からこまめに水分をとることが大切です。
起床後や外出前、運動前後、入浴後、就寝前など、タイミングを決めて意識的に水分補給を行うとよいでしょう。大量に汗をかいた場合は、水だけでなく、塩分も補給できるスポーツドリンクも役立ちます。
そのほか、室温管理や通気性の良い服装、十分な睡眠も重要です。特に暑さに慣れていない時期は注意が必要で、「無理をしない」「暑さを我慢しない」ことが最大の予防策になります。
「いつもと違うだるさ」は受診のサイン
だるさが数日以上続く場合や、休んでも改善しない場合は、一度医療機関へ相談することを検討しましょう。
また、発熱や息切れ、動悸、体重減少、食欲不振、むくみ、めまいなどを伴う場合は、貧血や感染症、ホルモン異常、心臓や内臓の病気が隠れている可能性もあります。
さらに、暑い環境でのだるさに加えて頭痛や吐き気、意識がぼんやりする場合は、熱中症の可能性があるため、早めの受診が必要です。
「いつもと違う」「明らかに強い」だるさは、受診を考える大切な目安になるとされています。
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