連続ドラマとして28年ぶりに復活し、反町隆史が元暴走族らしいヤンキー精神で真正面から学校の問題に飛び込んでいく、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『GTO』(毎週月曜22:00~ ※FOD・TVerなどで配信)の第8話が、7日に放送された。

今回は、鬼塚(反町)が生徒だけではなく、柏原(生見愛瑠)にも、ある気づきを与えた。いよいよ「グレートティーチャー」になりつつある鬼塚について第8話から分析したい。

  • 生見愛瑠 (C)カンテレ

    生見愛瑠 (C)カンテレ

【第8話あらすじ】柏原が教師を辞める決意

夏風邪をこじらせた鬼塚に代わり、1年B組の担任を務めることになった柏原。そんな矢先、かねて希望していた会社から中途採用の合格通知が届き、柏原は教師を辞める決意を固める。

しかし、退職願を出そうとした直前、生徒の石橋心愛(北里琉)がパパ活アプリを利用していることを知る。心愛は、容姿へのコンプレックスから整形費用を稼ごうとしていた。退職するなら関わらないほうがいいと思いながらも、柏原は心愛を放っておけない。だが、説得しようとするほど反発され、柏原自身も教師という仕事への不満を爆発させてしまう。

その後、心愛が学校へ行くと言いながら姿を見せていないと知った柏原は、退職願も出せないまま街へ捜しに出る。

一方、心愛はパパ活相手と待ち合わせていたが、そこに現れたのは鬼塚だった。鬼塚とホテル前まで向かったその時、近くで女性が倒れる。心愛はとっさに心臓マッサージを行い、その女性を救った。実は心愛は以前、祖母が倒れた際に何もできなかったことを悔やみ、救命措置を学んでいたのだった。

その後、鬼塚は柏原に教師を続けるよう真正面から訴える。柏原もまた、自分にしかできない生徒との向き合い方があることに気づき、内定を辞退する。

翌朝、学校へ戻る勇気がないという心愛に、柏原は、昨日ためらわず人を助けた自分をもっと認めていいと伝える。心愛は笑顔を取り戻し、最後には将来の夢を「教師」と語るのだった。

  • (C)カンテレ

    (C)カンテレ

「教師という仕事への情熱」と「教師としての適性」は本当に同じなのか

第8話で最も印象に残ったのは、柏原のこの言葉だった。「子どものことも好きじゃないんです」「それでも教師をやり続けなきゃいけないんですか?」学園ドラマとしては、かなり異質なセリフだ。

教師ものの作品では、「本当は子どもが好き」「生徒のためなら頑張れる」といった情熱が、その人物の教師としての資質として描かれがちだ。だが柏原は違う。「コンプライアンス的にこれもアウト、あれもアウトって。生意気なガキにいちいち気を遣わなきゃいけないし」「時間外労働が多すぎるし、働き方改革にも全然合ってないじゃないですか」。かなり身もふたもない。

鬼塚に対しても、「あなたみたいに後先考えずにやれたら幸せなんでしょうけど、こっちはそうはいかないんです」とまで言い切る。だが、だからこそ今回の柏原は面白かった。鬼塚も彼女に「本当は子どもが好きなんだろ」とは言わない。代わりに、こう言う。

「あんたにしか教えられないことが、たくさんあるからだよ」
「あんたにしか伝えられないことで、うちのクラスのヤツを何人も救ってきたじゃないかよ」
「いつもクールで、生徒のことをちゃんと観察してるからちょっとした変化に誰よりも早く気づくし、こんな教師に向いている人間って他にいるかよ」

つまり第8話が描いたのは、「教師を愛している人が良い教師なのか」という話ではない。むしろ、「教師という仕事への情熱」と「教師としての適性」は、本当に同じなのかという問題だったのではないだろうか。

柏原は鬼塚のような熱血教師ではない。むしろクールで、面倒くさがりで、口も悪い。だが、生徒をよく見ている。小さな違和感に気づく。きれいごとで慰めない。そして、必要なら嫌われる言葉も言う。

心愛に対して放った、「結局あんたが言っているのは、傷つきたくないし、自分からは何もしたくないけど、人が持ってるものはほしいし、自分をバカにしたり無視するのは許せないってことじゃない」という言葉は、その象徴だ。優しい言葉ではない。教師として危うくすらある。だが少なくとも柏原は、心愛を「かわいそうな生徒」という安全な場所から眺めていない。

心愛の弱さも、甘さも、痛さも含めて、一人の人間として向き合った。それは鬼塚とは違うやり方だ。そして、鬼塚にはできない救い方でもある。