ポケモンは9月1日、「全国睡眠県グランプリ2026」を発表した。集計対象期間は2025年4月1日~2026年3月31日。睡眠計測アプリ「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)」の利用データおよびアンケート回答をもとに、全国47都道府県の睡眠傾向を分析した。
総合1位は宮崎県
総合1位は宮崎県となった。宮崎県は睡眠時間(全国4位)と休養感(全国3位)が揃って高い水準にあり、結果として1位となった。2位の新潟県、3位の福井県も、早寝早起きの習慣と十分な睡眠時間が確保されており、睡眠が安定して規則正しい都道府県が上位を占めている。
一方で、下位(ワースト3)は45位・大分県、46位・埼玉県、47位・岐阜県という結果に。データの背景を分析すると、それぞれ異なる睡眠阻害のパターンが浮き彫りになった。
45位の大分県は、睡眠時間の短さ(45位)に加え、高いストレス(2位)と寝床でのスマホ利用(4位)が重なり、休養感が全国最下位(47位)となっている「ストレス・就寝前スマホパターン」。
46位の埼玉県は、長時間通勤(全国2位)で平日の睡眠が圧迫され、それを補う「週末の寝だめ」が全国最大となり、規則正しい睡眠が取れていない「都市型・社会的時差ぼけパターン」。
47位の岐阜県は、実睡眠時間が7時間6分25秒(全国最下位)と、根本的な睡眠量が不足している「睡眠時間不足パターン」だった。
総合スコアの落差は、単なる寝不足だけでなく、こうした「通勤環境・ストレス・就寝前の習慣」が大きく関係していることが示唆される。
部門別ランキング
総合スコアを構成する5つの指標について、それぞれ都道府県別のTOP5・BOTTOM5(43~47位)をまとめた。
上位県の睡眠特性
総合1位となった宮崎県は、睡眠時間が4位(7時間24分36秒)と長めで、休養感も3位(62.88%)と高いのが特徴だ。専用の寝室を持つ人の割合が1位(58.58%)、日中に屋外で過ごす時間も1位(46分40秒)と、昼は光を浴びてしっかり活動し、夜は独立した静かな寝室で休むという"生活のメリハリ"が整っている。睡眠の量と休養の実感がそろって高い水準にあることが、総合1位につながった。
総合2位となった新潟県は、睡眠時間が5位(7時間24分6秒)、休養感が7位(60.01%)、さらに睡眠効率が7位(83.83%)、規則正しさ(週末と平日の差の小ささ)も8位(17分47秒)と、5つの指標すべてが上位にそろっている。就寝は0時14分25秒(全国平均より約12分早く、早い時間に就寝(19-22時台)する人の割合は6位)、起床は7時58分58秒(早い時間に起床(4-6時台)する人の多さ10位)と、安定して早寝早起きで、量・規則正しさ・質・実感のどれにも目立った弱点がない。突出した1位はないものの、あらゆる面が高い水準でそろう"バランス型"であることが、総合2位につながった。
総合3位となった福井県は、睡眠時間が2位(7時間26分34秒)と全国屈指の長さで、休養感も6位(60.697%)と高いのが特徴だ。通勤時間が下から3位に短く(21分52秒)、就寝は0時2分11秒(早い時間に就寝(19-22時台)する人の割合は5位)、起床は7時48分10秒(早い時間に起床(4-6時台)する人の割合は3位)という早寝早起きのもと、布団に入っている時間をしっかり確保できていることが、長い睡眠時間につながっている。睡眠の量と休養の実感がそろって高いことが、総合3位を支えた。
ランキング上位県の傾向
早寝早起きの県が上位に多く見られる(宮崎・福井・新潟など)。今回の総合ランキングでは、起床・就寝の"時刻"そのものを評価材料に含んでいないが、就寝・起床がともに早い県ほど、睡眠が規則的で総合スコアも高めの傾向がある。特に、早起き志向(7時ごろまでに起床する人の割合)を見ると、1位鳥取県(92.75%/睡眠時間1位、睡眠効率1位)、2位徳島県(90.88%/総合8位、規則正しさ4位)、3位山口県(90.22%/総合5位、規則正しさ3位)と、主要項目のランキング上位県が軒並み上位を占めている。
睡眠時間が同じでも、遅寝遅起きの県ほど総合順位が低い?
一方、夜型(就寝・起床の早さで評価)の傾向が強い県ほど、睡眠時間にはあまり影響しないものの、それ以外の4つの評価指標が低くなる傾向が見られた。
寝つきは夜型ほど悪く、睡眠効率も夜型ほど低い傾向にあった。また、規則正しさでは夜型ほど週末の寝だめが大きく、満足度もやや低い傾向が見られた。
夜型の人は都市型の地域ほど多く、不規則な生活習慣が影響している可能性が考えられる。
都市圏と地方の違い
47都道府県のデータを比較したところ、「都市圏vs地方」で睡眠傾向に差が見られた。
都市圏では、通勤時間や座っている時間が長く、週末の「寝だめ」の幅が大きいほか、就寝・起床時刻が遅い「夜型」の傾向が見られた。一方、地方では通勤時間が短く、体を動かす仕事が多い。睡眠が規則正しく、早寝早起きの傾向が強かった。
実際、総合ランキングの下位には埼玉県(46位)・神奈川県(44位)・千葉県(43位)・東京都(40位)・大阪府(39位)・愛知県(36位)など都市圏の県が並び、上位には宮崎県(1位)・新潟県(2位)・福井県(3位)・山口県(5位)など地方の県が多く入る結果となった。
都市圏で夜型・不規則になる背景
特に首都圏は通勤時間で全国上位を占め(神奈川53分2秒、埼玉51分24秒、千葉50分8秒、東京47分28秒)、通勤時間の長さが影響している可能性が考えられる。長時間の通勤が就寝時刻を後ろ倒しにし、平日の睡眠時間を圧迫。たまった睡眠不足を週末の"寝だめ"でまとめて補うサイクルになりやすく、これが都市圏で夜型・週末型の不規則な睡眠につながる。また、都市の方が夜遅くまで楽しめる施設やコンテンツが多いことも夜型のライフスタイルに繋がっているのかもしれない。
一方、週末の"寝だめ"が小さい山形県(差16分0秒/規則正しさ1位)や鹿児島県(差16分17秒/同2位)は、通勤時間が全国最短クラス(山形21分51秒、鹿児島23分48秒)で、平日から十分な睡眠時間を確保できている。平日の睡眠が削られにくいため、休日にまとめて眠り直す必要が小さく、週末と平日の差が開きにくいと考えられる。
「よく眠れている」ほど休養感は高い - それでも生じる"例外"
今回の分析では、アプリのデータによる睡眠時間が長い人ほど、主観的な休養感も高いという関係が確認された。基本的には"よく眠れていること"が"休養できている実感"につながる。
その一方で、鳥取県のように客観的な睡眠指標(睡眠時間)が全国トップでも、休養感が下位にとどまる"例外"の県も見られた。
睡眠時間がしっかり取れているほど休養感も高まりやすい一方で、休養感にはストレスの有無や寝室環境も強く関わる。数値の上では"よく眠れている"県でも、こうした要因によって休養の実感が伴わないことがある。単一の指標だけで睡眠の良し悪しを語れないのは、このためだ。
なぜ「同じ長い睡眠」でも休養感が分かれるのか
睡眠時間が全国トップクラス(鳥取1位/宮崎4位)でありながら、休養感には大きな差がある(宮崎3位/鳥取45位)。背景データを見ると、寝室環境や就寝前の行動の違いが浮かび上がる。
鳥取県は、通勤時間が全国最短クラス(23分39秒/43位)で睡眠時間そのものは十分に確保できている。一方で、家族などと同じ部屋で眠る人が多く(1人で就寝する割合が全国最下位/47位・50.51%)、就寝時に「気になる音がない」静かな環境の割合も46位(46.14%)と、寝室環境に課題が見られる。就寝前に寝床でテレビ・動画(2位・27.02%)や音楽(2位・15.02%)に触れる習慣も広く見られるが、詳しく分析しても、これらの行動はむしろ睡眠時間を延ばす方向に働き(テレビ+8.3分、音楽+7.9分)、休養感を直接下げる関係は確認されていない。鳥取県の休養感の低さは睡眠の量ではなく、同室就寝や静音性といった"寝室環境"などの要因が関わっている可能性がある。
一方の宮崎県は、日中の屋外活動時間が1位(46分40秒)、専用の寝室を持つ人の割合が1位(58.58%)と、日中にしっかり光を浴びて、夜は環境の整った寝室で休むことで、睡眠の量がそのまま休養感につながりやすい条件が揃っていると考えられる。
なお、睡眠時間の少なさ(45位)が休養感の低さ(47位)に連動している大分県はストレスを感じる割合が2位(75.97%)、寝床でのスマートフォン利用が4位(71.18%)と高く、就寝前の緊張やスマホの刺激が、休養感の低さに影響している可能性がある。
睡眠時間を左右する生活・行動要因
重回帰分析とは、ある指標(この場合睡眠時間の長さ)に対して、どの要因(通勤・通学の状況、冷暖房をつけっぱなしかどうか、など)がどのくらいの影響力を持っているかを調べる統計手法である。この重回帰分析は都道府県別ではなく、すべての回答データを一括で扱い分析した。
分析の結果、普段の行動・環境では、「通勤・通学がない/在宅中心」の人ほど睡眠時間が長く(+15.8分/+13.9分)、通勤の有無が睡眠時間に大きく関わっていることがわかった。
就寝前の行動では、寝床でのスマートフォン操作が睡眠時間の短さと大きく関連し(-17.0分)、スマートフォンの利用が睡眠時間を圧迫している可能性が考えられた。
一方、「特に何もしない(すぐ眠る)」も−15.2分と睡眠時間の短さに関連していたが、こちらは逆に、日常的に十分な睡眠時間を確保しにくく、就寝前に何かをする余裕がほとんどない人の特徴を反映している可能性がある。
一方、テレビや動画(+8.2分)、音楽(+7.9分)といった受動的な行動は、就寝前にこうした行動をとる時間的な余裕のある生活パターンを反映しているのか、長めの睡眠時間と関連があった。
また、暖房を朝までつけっぱなしにすること(暖房+10.5分)や就寝時に完全消灯すること(+7.2分)も睡眠時間を延ばし、快適な温度や光刺激のない環境の大切さが示唆された。











