第一三共ヘルスケアは2026年8月6日、「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」の結果を発表した。本調査は2026年6月18日~6月22日、全国の20代~70代男女600人を対象に、インターネットで実施したもの。

労働時間は減少も、約7割が「休んでも疲れが取れない」

  • 20年前と現在の労働環境・情報環境の変化

    20年前と現在の労働環境・情報環境の変化

20年前と比べた1日の労働時間の変化では、50.8%が「減った」と回答した。また、「20年前に比べてワーク・ライフ・バランスを意識するようになった」と回答した人は63.3%となり、働き方の改善を実感する人が一定数いることが分かった。

一方で、情報環境について「20年前と比べて情報量や社会の変化のスピードをどう感じるか」を聞いたところ、73.3%が「情報が多く、必要な情報を取捨選択するのが大変」、75.6%が「世の中の変化や物事のスピードが速く、気ぜわしい」と回答した。

  • 20年前と比べた体調変化

    20年前と比べた体調変化

また、「20年前と比べ、休んでも疲れが取れない」と感じる人は71.9%。働く時間は短くなった一方で、情報量の増加や社会の変化の速さによる疲労感を抱える人が増えていることがうかがえる。73.5%が「メンパ(メンタルパフォーマンス)を重視する」と回答。87.7%が「自分の健康や体調を自分で管理することが大切」と回答した。

健康テーマは「人間関係」から「食生活」「睡眠」へ変化

  • 意識している健康テーマ

    意識している健康テーマ

20年前に意識していた健康テーマは「人間関係・コミュニケーション」(19.4%)、「運動」(15.6%)、「ダイエット」(15.2%)が上位となった。一方、現在は「食生活」(34.4%)、「運動」(28.8%)、「疲労回復」(27.5%)が上位となり、健康への関心領域が変化している。

特に20年前と比べて意識が高まったテーマは、「腸内環境・腸活」(6.5%→27.3%)、「睡眠・睡眠サポート」(7.1%→27.5%)、「食生活」(14.4%→34.4%)だった。

「健やかさ」は身体だけでなく心の安定も重視

  • 健やかだと思うこと/今現在の自身の健やかさの意識

    健やかだと思うこと/今現在の自身の健やかさの意識

自身が考える「健やかさ」について、20年前は「身体に不調がない」(34.8%)、「病気ではない」(31.0%)、「人間関係が良好」(25.6%)が上位となった。現在は「身体に不調がない」(40.2%)に加え、「気持ちが安定」(36.7%)、「ストレスが少ない」(31.5%)が上位となった。特に「気持ちが安定」は20年前の19.8%から36.7%へ増加しており、身体面だけでなく精神面の状態も重視されるようになっている。

  • 今現在の健やかさの意識

    今現在の健やかさの意識

また、現在「健やかだと思う」と回答した人は51.3%で、高齢層ほど自身の健やかさを実感している傾向が見られた。

セルフケア実践率は20年間で3.5倍に

  • セルフケアへの取り組み

    セルフケアへの取り組み

第一三共ヘルスケアでは、セルフケアを「自分自身の健康を守り、対処すること」と定義している。

20年前に「セルフケアに取り組んでいた」と回答した人は16.9%だったのに対し、現在は58.8%となり、20年間で3.5倍に増加した。年代別では、60代・70代の実践率が69.2%と高く、30代では10.8%から60.0%へ増加し、伸び率は5.6倍となった。

セルフケアは「病気予防」から先回りケアへ

  • セルフケアの捉え方

    セルフケアの捉え方

自身が考えるセルフケアについて、20年前は「病気を防ぐ」(24.0%)、「自分らしくいる」(21.5%)、「疲れを改善する」(19.8%)が上位だった。現在は「心を整える」(39.8%)、「身体の不調を未然に防ぐ」(36.0%)、「病気を防ぐこと」(35.6%)が上位となった。

20年前は病気を防ぐことを中心としていたセルフケアが、現在では身体だけでなく心の状態も整え、不調を未然に防ぐ「先回りセルフケア」へ変化している。

心理的負担を減らす「メンパチョイス」が拡大

  • 実践しているセルフケア

    実践しているセルフケア

セルフケアを実践している人が取り組む内容では、20年前も現在も「休息」が1位となった。一方で、20年前と比較すると、「腸内環境・腸活」(5.7%→22.3%)、「食生活」(20.5%→33.9%)、「運動」(22.0%→35.1%)、「睡眠・睡眠サポート」(11.4%→23.8%)の実践率が大きく伸びた。

  • セルフケア行動の変化

    セルフケア行動の変化

セルフケアとして実践している具体的な行動を聞いたところ、「十分な睡眠をとる」(41.9%)、「できるだけ歩くようにする」(34.9%)、「手洗い・うがいをこまめにする」(30.4%)が上位となった。20年前と比較すると、「睡眠」(+16.1ポイント)、「歩く」(+17.8ポイント)、「手洗い・うがい」(+18.7ポイント)はいずれも増加しており、コロナ禍を経て、日常的な健康習慣への意識が高まったことがうかがえる。

一方で、現在のセルフケアは身体的な健康管理だけにとどまらない。「無理な人間関係を控える」は20年前の6.8%から現在は28.3%へ増加し、21.5ポイント上昇。「余計なものを食べない」(6.1%→13.2%)、「会食や飲み会を控える」(4.5%→10.5%)も増加した。

夏の不調対策にもセルフケア意識

  • 夏の暑さによる不調について

    夏の暑さによる不調について

夏の暑さによる不調について、「身体のだるさ・疲れやすさ」(32.8%)、「夏バテ・熱中症への不安」(29.7%)、「疲れが取れにくい」(29.2%)が上位となった。現在行っている暑さ対策では、「こまめに水分をとる」(46.3%)、「冷房や扇風機などで室温を調整」(33.5%)、「十分な睡眠をとる」(32.7%)が挙げられた。

  • 今後取り入れたいセルフケア

    今後取り入れたいセルフケア

今後取り入れたいセルフケアでは、「十分な睡眠をとる」(24.3%)、「こまめに水分をとる」(21.3%)、「ストレッチや軽い運動」(19.7%)が上位となった。

  • 20代の暑さ対策デトックスセルフケア

    20代の暑さ対策デトックスセルフケア

また、20代では「スマホやSNSを見る時間を減らす」を現在行っているセルフケアとして挙げる人が多く、今後取り組みたいセルフケアでも「情報から離れてぼーっとする時間をつくる」が最多となった。

専門家が解説、これからは「先回りセルフケア」の時代へ

弘前大学副学長の村下公一先生は、セルフケアについて「病気にならないための対策」から「心身を整え、自分らしく過ごすための取り組み」へ広がっていると解説した。情報過多の時代では、睡眠や休息だけでなく、情報との付き合い方そのものもセルフケアになるという。

今後は、必要なものを選ぶ「Choice」、自分の生活に合わせて組み合わせる「Customize」、自身の状態を把握する「Check」の「3C」を意識した先回りセルフケアが重要になるとしている。

出典:「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」(第一三共ヘルスケア)