Chloe Qishaが語るポップスターの条件、ABBAやLCDサウンドシステムに影響された音楽観

チャーリーxcx、アディソン・レイ、チャペル・ローン、サブリナ・カーペンター、オリヴィア・ロドリゴ、それに6年ぶりのアルバムを控えるフィービー・ブリジャーズ......現在は紛れもなく女性ポップスターの時代だ。そして、その分厚い層に食い込むためには、単純にヒット曲があればいい、というわけではない。曲、ミュージックビデオ、SNSを含むマーケティング戦略など多層的に構築された魅力的な世界観がいかに提示できるかが鍵を握っている。

マレーシア系中国人としてマレーシアで生まれ育ち、その後ロンドンへと渡ったクロエ・キシャ(Chloe Qisha)は、今その鍵を手にしているアーティストの一人だろう。彼女は、学生時代にYouTubeにカバー曲を投稿し始め、ホリー・ハンバーストーンやハード・ライフ、The 1975と仕事をしてきたプロデューサー、ロブ・ミルトンと出会い本格的にキャリアをスタート。懐かしくも踊れるサウンドとセクシーかつ大胆な身体表現、魅力あるキャラクター像によって作り上げられた彼女の世界観は、すでにNMEなどの海外メディアでは高く評価され、昨年6月には、コールドプレイのサポートアクトとしてウェンブリースタジアム(90,000人キャパ)に立った。

まさに今スターダムを駆け上がる彼女のステージを、今年のサマーソニックで目撃できるのは幸運なことだろう。初来日を控えるクロエ・キシャに、影響源やこれまでのキャリア、作り上げる世界観について話を聞いた。

ABBAの影響を感じるクロエ・キシャの代表曲「21st Century Cool Girl」

80年代の影響、現代のポップスターの条件

ーマレーシアで生まれ育ち、その後ロンドンへと渡ったと伺いました。どのような環境で育ち、どのような音楽に触れてきたのでしょうか?

クロエ:そう、マレーシアで生まれ育って、16歳でイギリスに来て学校を卒業するまでは、ずっとインターナショナルスクールに通っていて。親が80年代の音楽しか流さなかったから、主に80年代の音楽にたくさん触れて育ったんです。他のものは絶対にかけなくて、ビージーズやティアーズ・フォー・フィアーズのようなバンドをよく聴いてた。あとはモータウン作品や、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロスだったりもね。

ー80年代のポップミュージックは、現在ご自身の作る音楽のどのような部分に影響を与えていますか?

クロエ:無意識のうちに自分の中に染み込んでいる気がします。そればかり聴いて育ったから、それがポップミュージックなんだって自然に思い込んでいた。80年代やディスコミュージックって、当時流行っていた音楽だから、言ってしまえばポップミュージックなわけで、思ってもみない形で自分に影響を与えてくれたとは思っていて。というのも、今の私の音楽には80年代のバックボーンがあるんだけど、意図してそうしたわけじゃない。気がついたらそこに辿り着いていた、という感じ。実際、(プロデューサーとの)セッションや曲作りの場に持ち込む叩き台も80年代の曲が多いんだけど、それは今の私の好みがそうだからであって、意識してそうしたというよりも、親が私に与えた環境から自然と現れてきていると思うんです。

ーABBAもかなりお好きだと伺いました。

クロエ:ABBAは、歴代でも最も好きなバンドの一つで、これもまた父の影響なんだけど、父にとっても大好きなバンドの一つだったんです。20代になった今、あらためて聴いてみると、彼らの曲の完成度やソングライティングの巧みさが昔よりずっとわかる。子どもの頃は、それを当たり前のように受け取って、「みんなが知ってて歌える楽しい曲」くらいにしか思ってなかったけど、20代になって聴くと、彼らがいかに素晴らしいソングライターであるかを強く思い知らされて。だから今では、自分の曲作りにおいてもすごく参考にさせてもらっているんです。

ートーキング・ヘッズもお好きだそうで。あなたが出演する予定のサマーソニックにはデヴィッド・バーンも出演予定ですが、どのような影響を受けましたか?

クロエ:トーキング・ヘッズには、どちらかというとサウンドプロダクションの面で影響を受けていて。彼らがプロダクションの中で使っているサウンドの質感やトーンがすごく好きなんです。あと、デヴィッド・バーンはパフォーマーとして本当に素晴らしい。今の時代に彼のようなパフォーマーはいないと思う。ステージデザインから振り付けの選択、ステージに立たせる人数のこだわりまで、すべてがとてもユニークで、パフォーマンスを観るたびにただただ圧倒されてしまう。今の時代にああいうパフォーマンスをする人がなかなか現れないのは、本当に残念なことですよね。

「Sex, Drugs, & Existential Dread」は、イアン・デューリー「Sex & Drugs & Rock & Roll」からタイトルを拝借しつつ、ロックンロールの文字を「実存的恐怖」に置き換えたもの。曲調はトーキング・ヘッズも想起させるダンスポップ

ー先ほど80年代の音楽について質問しましたが、実際のところあなたの音楽からはチャーリーxcxやフランク・オーシャン、フィービー・ブリジャーズなど広範にわたる現代のポップミュージックの影響を聴き取ることができます。さまざまな音楽的要素を咀嚼する上で何か意識していることはありますか?

クロエ:いい質問。私には、まだまだ自分がポップミュージックを学んでいる感覚があるんです。特に現代のポップミュージックにおける若い女性アーティストは本当にすごい。チャペル・ローン、サブリナ・カーペンター、質問にもあったチャーリーxcx……この3人は特にここ2年間で目覚ましい活躍をしていて、ポップミュージックをもう一度クールなものにしてくれた。つまり、私は欧米ではしばらくの間、ポップミュージックがあまりクールなものではなく、10年くらいあまり評価されてなかったと思っていて。彼女たちがその文化的意義を取り戻してくれたと思うんです。

私が特に注目しているのはソングライティングで、3人それぞれが一聴してわかる独自のスタイルや、ポップミュージックとの向き合い方を持っている。その上で、それが世界中に届いているという事実は、私のような発展途上のアーティストにとって、今の時代のやり方を学ぶ上ですごく参考になるんです。だから、いつも彼女たちのメロディや歌詞に注目しているし、広い意味で、彼女たちが世間にどう自分を見せているかも気にしています。さらに彼女たちの持つ独自の世界観や、その構築の仕方はすごく魅力的で。それこそが現代のアーティストにとって、特にポップアーティストにとって一番大事なこと。つまり曲単体というより、自分が作り上げる世界観こそが最も重要なんです。

「自分で作って、自分で発信する」バックグラウンド

ーあなたは「音楽が自分にとって選択肢の一つだなんて知らなかった」とも話していました。実際、日本を含む多くの国の、特に都市部以外では若者がアーティストとして活動することを現実的に捉えるのは今も難しいと思います。どのような経緯で音楽の世界に飛び込んだんですか?

クロエ:音楽業界に入ったきっかけは、ちょっと面白い話で。大学で学位を取るために勉強していて、心理学を専攻していたから、将来はセラピストになるんだろうと確信していたんだけど、最終学年の時、単に趣味でYouTubeにカバー曲を投稿し始めたんです。誰かの目に留まるかもとか、一切期待していなかったんだけどね。するとあるレーベルのA&Rからメールが来て、何も知らないまま、自分が何に飛び込もうとしているのかもわからないまま会うことになって。それをきっかけに、マネージャーや音楽専門の弁護士を紹介してもらって、そこからはひたすらミーティングの連続。業界の人間と会ったり、クリエイティブな人たちと繋がったりしながら、これが一体どういう世界なのかを掴んでいったんです。というのも、それまでポップスターになるには、『アメリカン・アイドル』か『Xファクター』のようなオーディション番組に出るものだって、かなり漠然としたイメージしかなかったから。

でも20代前半で、少なくともイギリスには、そうじゃない、全く別の世界があることを知った。表に出ずに、裏で力をつけていく人たちがいて、ひたすら曲作りのセッションに参加して曲を書き続けて、作品を積み上げて、それを自分でリリースしていく、というやり方をね。私がやったのもまさにそれなんです。2年くらい勉強と並行していろんな作曲セッションに参加して、プロデューサーやソングライターとのコネクションを増やしていき、そうやって4〜5年間、表舞台に出ずに、ひたすらソングライティングを学んで、コラボレーターと一緒に仕事をする術を身につけていって。そして現在のプロデューサーのロブ・ミルトンと出会って、彼が時間をかけて、今の私のサウンドを見つける手助けをしてくれて、最終的に十分な曲数が揃ってEPをリリースできたんです。

これまでに発表してきた2作のEP『Chloe Qisha』(2024年)、『Modern Romance』(2025年)

ー同じような境遇の若者に伝えたいことはありますか?

クロエ:私が音楽をリリースし始めたここ2〜3年で、状況がガラッと変わって、SNSやTikTokがすごく重視されるようになっています。正直私自身もそれには苦戦しているんだけど(笑)、とにかく恥ずかしがらずに、やってみることだと思う。世界に出すべき意味のある作品だと思うなら、思い切って出してみればいい。SNSがそれを可能にしてくれる時代だから。誰かにゴーサインをもらうまで待つ必要なんてないし、自分でやって、自分で発信できるんです。それが私からできるアドバイスかな。

ーアーティストとしてキャリアを進めていく中で、ご自身がマレーシアで生まれ育ったことの影響を感じることはありますか?

クロエ:アーティストとしての世界観の構築という意味では、少なくとも今の段階では、意識的に取り入れようとしてきたわけじゃない。まだどういう世界なのか、その土台を作っている途中だと感じていて、自分の出自を特に意識することはないですね。

ただ、自分の育ちがいわゆるメルティングポットというか、いろんなものが混ざり合った環境だったとは思っていて。マレーシア系中国人としてマレーシアで生まれ育ったんだけど、幼稚園からイギリス系のインターナショナルスクールに入れられて、16年間ずっとその世界にいた。マレー語もほとんど話せなくて、そのままイギリスに来て、残りの学校生活をここで過ごした。本当にいろんな文化が混ざり合った環境で育ったから、「自分にとっての故郷ってどこなんだろう」って混乱することも正直あるんです。家族もみんなバラバラで、兄はアメリカにいるし、両親もほぼ一年中旅をしているしね。でもそういう環境が私に与えてくれたもの、そして私の音楽にも影響していると感じるのは、人に対してすごく深い好奇心を持つようになったこと。いろんな場所で育って、様々なバックグラウンドを持つ人たちと出会えたのは本当に恵まれていたと思うし、人間を観察して、そこに純粋に興味を持つことが自然とできるようになった。

それが音楽やソングライティングにも活きていて、私の場合、曲の中で人間の行動や心理について書くことが多いんですよね。それに不思議なことに、ツアーで海外に行って、いろんな文化の人たちと会う時にも役立っていて。国によってエチケットも違うし、パフォーマンスの場でも感覚が微妙に違ったりする。そういう違いへのリスペクトと理解を持てることが、本当に大きな差を生んでいると思う。それは間違いなく、自分のバックグラウンドによるところが大きいですね。

ーあなたの作品の中には、セクシーであったり、パワフルであったり、様々なキャラクターが登場しているように感じます。そういったキャラクター像を生み出す上で意識していることはありますか?

クロエ:正直な話、少なくとも最近、この一年は、あまりキャラクターを作り込む必要がなかったんです。自分に対してとても強く、自信を持てた一年だったから。面白い話、いわゆるセクシーな曲については、それは自分の中に芽生えてきた深い自信から来ていると思う。セクシーさって、着こなしや見せ方が中心にあると思われがちだけど、実は内側から来るものだと思っているんです。他の誰かのためではなく、本当は自分のためなんじゃないかなって。何を着るか、どんなメイクをするか、どう自分を表現するか。それらは極めて内側から来る自信が重要で、自分の中で育まないといけないものだから。

この一年は本当に信じられないくらい充実していて、本当にあっという間でした。自分の音楽がこんなに多くの人に届くとは思っていなかったから、本当に感謝しきりです。一緒に仕事をしてきた素晴らしいクリエイティブな人たちにも恵まれて、それが全部、私に大きな力を与えてくれた。ファッションも大好きで、着るものをいろいろと試せるようになって、そういうことが全部重なって、大きな自信に繋がっていったんです。それによって作曲のセッションに入る時も、自然とその自信が滲み出て、ある意味、強気な感じというか、すごく自信が持てて、自分らしさを存分に感じられて、性的な面でもすごく堂々と表現できた。だから別のキャラクターや別のペルソナを演じる必要が実はあまりなくて、むしろこれから出てくる新しい曲は、今までで一番正直で、一番自分らしい曲になっていると思う。

世界観を構築するための挑戦

ーヴィジュアル面の話も聞かせてください。例えば「I Lied, I'm Sorry」をはじめさまざまな曲のMVではダンスも取り入れていますし、「YDH」のMVには中世のイメージも盛り込まれています。ヴィジュアル、および身体的表現においてあなたが世界観を構築する上でこだわっているポイントはどこにありますか?

クロエ:素晴らしい質問ですね。曲によって全然違うんだけど、アーティストとして世界観を構築するやり方っていろいろあると思っていて。同じ監督と一週間でミュージックビデオを全部撮って、世界観を完璧に統一させるアプローチの人もいて、それはそれで本当に素晴らしいと思うし、将来的には私もそういうやり方をするかもしれない。ただ今回のプロジェクトは、思っていたより曲を書くのにずっと時間がかかってしまって。この半年だけでも、「よし、これで揃った」って思った瞬間が何度もあったんだけど、次の作曲セッションに行くたびに、また前より良い曲ができてしまって、気づいたらそれを上回っていたんです。だから曲が出揃うのに時間がかかって、その間もリリースを続けながらつないでいく、という感じになってしまって。

ーなるほど、スケジュールの問題もあったと。

クロエ:で、実際にどうしたかというと、それぞれの曲ごとに小さな世界を作ったんです。全体的な統一感に関しては、アートワークやプレス用の写真、それからカラーパレットを通じて出していく予定で、色味でいうと、常に深みのあるダークレッドに戻ってくるような、そのトーンがプロジェクト全体を貫いている。クリエイティブディレクターのリリー・アイガーが、全体の統一感を保てるようにすごく助けてくれていて。彼女が私自身、私の顔や動き、声をとても信頼してくれていることが、全部を繋ぎ合わせる軸になっていると思う。このプロジェクト、人によっては少しまとまりがないように見えるかもしれないけど、私はこのやり方がすごく気に入っているんです。いろんな世界に飛び込んでいるんだけど、それでも毎回ちゃんと「私らしさ」が感じられる。そこが一番楽しかったしね。ファンとして好きなアーティストを見ていても、やっぱり一番いい作品って、アーティスト自身が心から楽しんでいるのが伝わってくるものだと思う。「YDH」で中世ルネサンス風のミュージックビデオを撮ったり、「I Lied, I'm Sorry」では階段でダンスしたり、「Modern Romance」では雨の中で踊ったり、最高に楽しかった。結局、映像が曲に正しく寄り添っていれば、それは正しいと思うし、今のところすべての曲でそれができていると思っています。

ーちなみにブレイクのきっかけにもなった「I Lied, I'm Sorry」は、LCDサウンドシステム風のビートに乗った大胆なポップソングでしたね。

クロエ:そうなんです、セッションに参考音源として持ち込んだのがLCDサウンドシステムの曲で。「North American Scum」という曲なんだけど、実は『バカニアーズ』というApple TVのドラマで聴いて、そのドラマのテーマ曲として使われているのはカバー・バージョンだったんだけど、ベースラインがとにかく独特で好きになって、ロブとのセッションに持っていったんです。そしたら彼が「これはLCDサウンドシステムっていうバンドの曲のカバーだよ」って教えてくれて。そのセッションでは、2人で彼らのアルバム『Sounds of Silver』をひたすら聴いていました。初めて聴いたんだけど、本当に素晴らしくて。プロダクションの質感とか、クリエイティブな選択がとにかく面白くて刺激的だった。

それでロブがベースを弾き始めて、あのベースのグルーヴを真似て、そこからピアノに移って、サビのメロディを作っていった。その時に、トークシンギングもやってみたいねっていう話もして。今では私の曲の一つのスタイルになって、どの曲も少し語るように歌う部分があるんだけど、「I Lied, I'm Sorry」で初挑戦したんです。でも実はセッションが終わってデモができた時、2人ともあまりピンとこなくて。「なんか変わった曲ができちゃったね」って感じ(笑)。周りの人に聴かせて、「いや、いい曲だよ」って言ってもらって初めて納得したくらい。当時の私たちにとって、本当に新しい実験だったんです。

ー最新曲「Surprise Surprise」は内省的なポップバラードで、音楽性は広がり続けていますよね。

クロエ:これもまた面白い曲で。「I Lied, I'm Sorry」と同じく、書いた時はあまりピンとこなくて。書いている時からわかっていたんだけど、曲自体は本当に美しい曲で、チームの人たちに後から「これ、2月の曲作りセッションで生まれた曲の中で一番の曲だよ」って言われて初めて実感できたんです。難しかったのは、私が遅い曲があまり好きじゃないってこと(笑)。他人の曲はいいけど自分の曲となると、スローな曲を書くのがどうしても苦手で。どういうわけか、書くだけじゃなくて、その曲を好きになるのも、聴き返すのさえも、余計なエネルギーを使っちゃう気がしてしまって。

だからレーベルに「次はこれでいこう」って言われた時は、正直困惑しました。その前に出した「So Sad, So Hot」と「YDH」がどちらもアップテンポでエネルギッシュな曲だったから、キャンペーンの途中でスローな曲をどうやって打ち出せばいいんだろうって。完全に未知の領域に踏み込む感じがして、マーケティングの面では本当に頭を使わなきゃいけなかった。今はすべてSNSで完結する時代だから、スローな曲でどうやって人の心を掴むか、どうやって人の興味を引けばいいんだろうって、我ながら現実的な悩みだと思いつつも、いろいろ考えて。とはいえ最終的に、うまく曲の持つ美しさを伝えることができたと思っています。次に出てくる曲はもっとアップテンポなものになりそうだから、その前に私の別の一面を見せられたのは大きかったです。

ー現在、取り組んでいる作品についても教えてください。

クロエ:実は今取り組んでいるプロジェクトはアルバムではないんです。これまでの作品よりも曲数が多いけど、今のところはただ「プロジェクト」と呼んでいて。実際にリリースする時には別の名前がつくかもしれないけど、今の時点ではミックステープに近いですね。これまでの2枚のEPの世界観を一つにまとめるような位置づけで、80年代の影響やABBAの世界観を引き継ぎつつ、この新しいチャプターでは意識的により王道ポップスに、正確にはサウンドというよりも、ソングライティングの面でアプローチを変えています。セッションに入る時の意識として、メロディや歌詞の参考音源として、この一年で主に聴いてきたのが現在進行形のメインストリームポップだったから、以前よりずっと現代的なポップに寄っていた感じ。コラボレーターも夢のような顔ぶれで、ロブとはもちろん引き続き一緒にやっていて、その上で子どもの頃から聴いていた曲を書いたプロデューサーたちとも仕事ができて、夢のようです。それらの曲が世に出て、みんなに聴いてもらえるのがすごく楽しみ。

※編注:この取材からしばらくして、10月30日(金)にミックステープ『Fantasize』をリリースすることを発表。新曲「Baby Girl」が併せて公開された

過去のインタビューではアディソン・レイのデビュー作を絶賛していましたよね。デビューアルバムについて考えることはありますか?

クロエ:アルバムというものについては、この一年で本当にたくさんのことを学んだと思っていて。アディソン・レイのデビューアルバムもそうだし、最近だと友人でもあるホリー・ハンバーストーンの新作アルバム『Cruel World』──これも実はロブがプロデュースしているんだけど、この2人のアーティストに共通しているのは、やっぱり世界観の構築で、SNSのティーザーから、ファンに向けたメッセージ、タイポグラフィ、カラースキームに至るまで、全部が統一されていること。本当に見事なんです。そしてもう一つ学んだのは、一度始めたら止まらず畳み掛けるように続けること。一つ一つのコンテンツのリリースのタイミングまで本当によく計算されている。私もいつかそういう段階に辿り着いて、すべてを事前に計画できるくらいの作品群が揃えられたらいいなと思っているし、今回のプロジェクトの後は、きっとそういうやり方になっていくと思います。

ー楽しみです。サマーソニックで初来日することが決まっています。日本のオーディエンスにどのようなステージを届ける予定でしょうか?

クロエ:そもそも本当に日本が大好きなんです。昔、家族と一緒にほぼ毎年訪れていた時期があったくらいで。また行くことができてすごくワクワクしてる。それに、自分は今アーティストとしてすごく成長したと実感できていて。1カ月半前に北米ツアーをしたんだけど、そのツアーだけでも、パフォーマンスの面で本当に大きく成長できた。声の出し方も、ステージ上での動きもね。これからもそれを磨き続けて、さらに表現の幅を広げていくのが楽しみ。本当に楽しくて最高にポップなショーを届けたいんです。実際のセットは、ちょっと皮肉めいたところや、小生意気な感じもあるけど、ユーモアも感じてもらえるはず。それに、バンドとの演奏は毎回本当に楽しくて、彼らの演奏は最高。とにかく、本当に待ちきれません。正直に言うと日本のセブン‐イレブンに行くのもすごく楽しみ。日本のコンビニに行って、美味しいものをたくさん食べたい。日本のスナックをたくさん買い込んで、イギリスに持って帰ります(笑)。

クロエ・キシャ

最新ミックステープ『Fantasize|ファンタサイズ』

2026年10月30日(金)リリース予定

再生・購入:https://ChloeQishaJP.lnk.to/FantasizeAWRS

シングル「Surprise Surprise」

再生・購入:https://chloeqishajp.lnk.to/SurpriseSurpriseAW

SUMMER SONIC 2026

2026年8月14日(金)・15日(土)・16日(日)

東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ

大阪会場:万博記念公園

※クロエ・キシャは8月14日(金)東京会場、15日(土)大阪会場に出演

公式サイト:https://www.summersonic.com/

チケット購入:https://www.summersonic.com/tickets/tokyo/