ドラマ初出演の平井は、女性役を演じること自体も初挑戦。「これまでハロー!プロジェクトの舞台で演じさせていただいた役は、すべて少年や青年だったんです。どう演じればよいのか本当に分からなすぎて、監督に相談しました」と打ち明ける。
上坂龍之介監督からは、台本に描かれたやり取りだけでなく、「自分がその場で感じたことを言ってもいいし、あえて何もしなくてもいい」と助言を受け、その先にある“余白”を大事にするよう伝えられたそうだ。
高野も、登場人物が急がず、ゆっくりとした空気の中で過ごすことを意識。すべての出来事に明確なリアクションを返すのではなく、感情を内側に残すような芝居を心がけた。
そんな2人の撮影初日は、渓流近くの非常に寒い場所でのシーン。平井は、共演者たちを前に緊張し、「本当に芸能人だ!」と圧倒されていたという。
寒さと緊張で震える平井は、積極的に声をかけてくれた高野に「優しくて、ありがたいと思いました」と感謝。高野も、カイロを仕込んでいても震えるほどの寒さだっただけに、「話しかけて場を少しでも温められればと思って。お話ししたことで僕もほぐれて、助かりました」と笑う。
一対一での芝居を不安に感じていた平井にとって、高野は頼もしい共演者だった。
「私が芝居で投げたものを受け取ってしっかり返してくださる。それを日奈として考えて、また返すことができたので、すごく演じやすかったです。先輩として引っ張ってくださり、多くのことを学ぶことができました」(平井)
高野は、平井の芝居について、「日奈はいろいろなものを抱えているけれど、人前では明るく振る舞っている。それがすごく感じられて、素敵だなと思いました」といい、気配りや周囲への優しさが、演じた人物像にもにじんでいたことを印象深く語った。
電波も届かない山奥で縮まった“シェアハウスの住人”の距離
物語の中心となるシェアハウスの撮影は、実際の古民家が使用された。電波もあまり届かない山奥の環境が、出演者たちの距離を自然に縮めていったようだ。
休憩中は安井謙太郎が押し入れから見つけたトランプで遊び、こたつを囲んで話し、部屋にあったギターを手に取るなどしていたという。あまりの盛り上がりに、別の場所で撮影していたスタッフから「本番回っていますよ!」と注意されたことも。
撮影期間は決して長くなかったが、平井は「シェアハウスの住人たちとしての距離感を、そこでつかめたような感覚がありました」と振り返る。
高野は、余裕のないスケジュールの中でも、「全員で乗り越えようという温かい気持ちがありました」と回想。最寄りのコンビニまでは、車で往復約40分。「今日は我慢して、明日の撮影終わりに行こう」と相談し、共演者たちで出かけた時間も思い出になった。

