パナソニックは7月29日、エアコン室外機に関する実態調査の結果を発表した。調査は2026年7月7日~7月14日、エアコンを所有している20~60代の男女551名を対象にインターネットで行われた。

エアコン消費電力の約8~9割は室外機、理解しているのはわずか5%

近年、夏の電気代上昇への関心が高まる中、エアコンの効率的な運転への注目も高まっている。エアコンの冷暖房能力を左右する室外機は、熱を屋外へ放出する役割を担う、いわばエアコンの「心臓部」ともいえる存在。その室外機はエアコンの消費電力の約8~9割を占めるとされており、室外機の状態や使い方は電気代にも大きく影響する。

そこで、エアコンの消費電力に関する認識について聞いたところ、「消費電力が大きいのは室外機」と回答した人は51%だった一方、「室内機」は17%、「どちらも同じくらい」は13%、「わからない」は19%となり、正しく理解していない方も約半数いることがわかった。

さらに、室外機がエアコンの消費電力に占める割合について聞いたところ、「80%以上」と回答した人はわずか5%にとどまった。室外機が消費電力の大半を占めることはあまり知られていないことがうかがえる。

  • エアコンの消費電力が大きいのはどちらだと思いますか?

    エアコンの消費電力が大きいのはどちらだと思いますか?

  • エアコンの消費電力のうち、室外機が占める割合はどれくらいだと思いますか?

    エアコンの消費電力のうち、室外機が占める割合はどれくらいだと思いますか?

「室外機の節電対策を行っている」28%

一方、室外機の節電対策については、「積極的にしている」(10%)、「ややしている」(18%)を合わせても28%にとどまり、「あまりしていない」(28%)、「していない」(44%)と、72%が十分な対策を行っていないことが分かった。

節電対策を行っている人に具体的な内容を聞いたところ、「室外機カバーを取り付ける」(52%)、「室外機の周りに物を置かない」(50%)、「よしずなどで室外機を日陰に置く」(42%)が上位となった。

  • エアコンの室外機の節電対策をしていますか?

    エアコンの室外機の節電対策をしていますか?

  • どのような対策をしていますか?

    どのような対策をしていますか?

一方で、節電対策を行わない理由としては、「やり方がわからないから」が66%で最多となり、室外機の節電方法に関する認知不足が課題として浮き彫りになった。

  • 節電対策をしない理由は何ですか?

    節電対策をしない理由は何ですか?

台風前に室外機対策を行っている人は18%

続いて、台風への備えについて聞いたところ、台風前に室外機対策を行っている人は「頻繁にしている」(7%)、「時々している」(11%)と、わずか18%にとどまり、82%が十分な室外機の台風対策を実施していないことが分かった。

  • 台風前に室外機の対策を行っていますか?

    台風前に室外機の対策を行っていますか?

台風後に異常があった場合「様子を見る」「放置する」が21%

台風後の室外機の確認についても、「毎回確認している」(9%)、「時々確認している」(17%)は合わせて26%にとどまり、74%が十分な確認をしていない結果に。

また、台風後に室外機に異常があった場合の対応については、「販売店・修理業者に相談する」(34%)が最も多かった一方、「すぐに対応せず、しばらく様子を見る」(17%)、「特に気にせず放置する」(4%)を合わせると21%となり、異常を認識しても対応を後回しにする人が一定数いることが分かった。

  • 台風後に室外機の状態を確認していますか?

    台風後に室外機の状態を確認していますか?

  • 台風後、室外機に異常があった場合、どのように対応しますか?

    台風後、室外機に異常があった場合、どのように対応しますか?

エアコン室内機の水漏れ経験者は30%

夏場のエアコン室内機の水漏れについても調査を行った。室内機の水漏れを経験したことがある人は30%で、10%は今年の夏も既に水漏れを経験していると回答した。

水漏れを経験した人にその対応について聞いたところ、73%が「そのまま使用を続けたことがある」と回答しており、不具合発生時にも使用を継続している実態が明らかになった。

  • 夏場にエアコン室内機の水漏れを経験したことがありますか?

    夏場にエアコン室内機の水漏れを経験したことがありますか?

  • エアコン室内機の水漏れを経験した際、そのまま使用を続けたことはありますか?

    エアコン室内機の水漏れを経験した際、そのまま使用を続けたことはありますか?

室外機の節電対策を解説

室外機の節電対策について、同社のエアーマイスター 福田風子氏が解説した。

エアコンの節電対策は、室内機のケアに気が向きがち。設定温度を下げすぎないことや、こまめなフィルター掃除は欠かせないが、室外機の節電対策やお手入れも出来る範囲で実施することが勧められる。

直射日光を避けて、室外機の周辺温度上昇を防ぐ

エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど消費電力量が多くなるため、外気温が高いほど冷房時の効率が低下し、消費電力も増加する。同社試験において同じエアコンの設定でも外気温35℃に比べ、外気温30℃の場合には消費電力が52%ほどと、約半分になることがわかっている。これは、エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなるため。また、直射日光などで室外機自身が熱くなることも冷房効率の悪化につながる。

この「外気温」とは、室外機の吸い込み温度を指す。まり、厳しい暑さの日も室外機の周辺温度を下げることができれば、消費電力を減らすことができる。

空気の流れを遮らないよしずなどを立てかけ影をつくることで、室外機の周辺温度を下げることができる。室外機の吸込み温度を1℃下げることは、実は設定温度を1℃上げることと同じく約10~13%もの消費電力の削減につながる。例えば、14畳エアコンの場合、冷房期間(135日・1日18時間運転)において約60.2kWh下げることができるため、冷房期間合計で約1865円の節約につながるという。

室外機の周囲はスッキリと整理整頓

室外機周辺も意外に汚れるもの。ホコリや落ち葉などのゴミが溜まると熱交換の効率が下がり、消費電力アップにつながる可能性もあるため、特に風の強い日や台風が過ぎた後にはチェックする必要がある。

「基本、室外機の前側は20㎝以上スペースを空けて、できれば30㎝以内には物を置かないようにしましょう」(福田氏)

  • 室外機の前側は20㎝以上スペースを空ける

    室外機の前側は20㎝以上スペースを空ける

室外機の裏側にたまったホコリやゴミも、手の届く範囲で取り除くことが勧められる。なお、室外機の内部に入り込んでいる場合は、無理に取り除こうとすると熱交換器のフィンを破損したり、ケガをしたりする可能性がある。

実はNG&注意が必要な室外機の節電対策

アンケート調査で多くの人が実践している節電対策の中には、一見効果がありそうでも、逆効果になったり室外機に負担をかけたりするものもあり、実施には注意が必要だという。

室外機カバーを取り付ける

室外機の据え付けは放熱に必要なスペースとして前・後・左・右・上・下のうち少なくとも3方向を開放し、通風路を確保する必要がある。2方向しか開放できない場合は、冷暖房能力・消費電力が10%程度悪化するおそれがある。また、室外機カバーはメーカーが発売する専用部品の使用が推奨される。自作のカバーなどで通風が妨げられると、室外機周辺が高温となり、消費電力がアップしてしまう可能性がある。

ドレンホースの先端に虫除けカバーをつける

虫の侵入を防ぐためにキャップやネットをつけるのは虫除け対策として有効だが、目が細かすぎると排水が詰まりやすくなり、逆に水漏れや故障の原因になることも。防虫対策をする際は、通水性を確保したメーカー公式の防虫キャップを使用し、定期的に詰まりがないか確認することが大切。また、排水がうまくいくようにドレンホースが下向きになっているかをチェックし、詰まったゴミは割り箸などでかき出して取り除くことが勧められる。

濡れタオルとバケツで天板を冷やす

室外機の上に濡れタオルを置いて冷却する方法は、タオルが吸込口や吹出口をふさいで空気の流れを妨げて、かえって消費電力が増えてしまう可能性もあるため、おすすめできない方法だという。天板の温度を下げたい場合は、メーカー公式の室外機日よけ屋根が推奨される。