ビザ・ワールドワイドは7月22日、「FIFA ワールドカップ 26」開催期間中のVisaカード利用データをもとにした分析結果を発表した。

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同社の最新データによると、同大会は開催都市におけるクロスボーダー支出、海外からの旅行、デジタルコマースの大幅な成長を後押しした。今回のデータは、このような世界的な大型イベントが「ポップアップ経済圏(Pop-Up Economies)」を創出することを示している。同社では、ポップアップ経済圏を、文化、エンターテインメント、スポーツなどの大規模イベントを中心に発生する、一時的かつ集中的な経済活動と定義している。

また、世界中のファンが応援するチームに同行するように各開催都市を訪れたことで、レストラン、交通、エンターテインメント、小売、宿泊など幅広い分野でVisaカード会員の支出が大きく増加したことも明らかになった。大会による経済効果は、主要な開催都市だけでなく、新たにファンが集う各地にも広がり、スタジアムの外にまで及ぶ幅広い影響をもたらした。

ポップアップ経済圏としての大会

Visaカード会員の取引データから、大会期間中に創出された経済活動の規模や広がり、そのダイナミズムが見えてくる。本データの対象期間は、米国およびカナダが2026年6月11日から7月19日まで、メキシコが2026年6月11日から7月5日。本データには、米国およびカナダにおけるVisaカードの対面取引額(カード提示取引)と、メキシコにおけるVisaカードのクロスボーダー対面取引額(カード提示取引)が含まれる。2025年の同期間との比較を行った。

開催都市におけるクロスボーダーVisa取引は、大会期間中に前年同期比で約20%増加した。

開催都市においてクロスボーダー支出が特に大きかったのは、コロンビア、プエルトリコ、英国、アルゼンチン、ブラジルから訪れたファンだった。海外および国内のVisaカード会員による対面支出の伸びが最も大きかった都市は、サンタクララ/サンノゼ、ボストン、マイアミだった。

消費者による支出は交通およびエンターテインメント分野に集中しており、大会を目的とした旅行が幅広い経済効果をもたらしたことを示している。

タッチ決済取引は約12%増加し、旅行中のファンが迅速で安全かつシームレスな決済体験を好んでいることがうかがえる。

カンザスシティで開催されたエクアドル対キュラソー戦およびコロンビア対ガーナ戦、ならびにフィラデルフィアで開催されたクロアチア対ガーナ戦は、前年比で特に大きな支出額の増加が見られた試合の例であり、キックオフ前後を通じて消費活動が大きく活性化した。

スタジアムの外にも広がる経済効果

試合はスタジアム内で行われたが、その経済効果は地域社会全体に広がった。ファンが試合観戦に加え開催都市での観光や街歩きを楽しむ中、レストラン、バー、小売店、ホテル、交通機関、エンターテインメント施設など、さまざまな業種で消費活動が活発化した。カテゴリ別にみると、各都市で特徴的な伸びが見られた。

ボストンでは、ファンが地元のバーやレストランで自国代表を応援したことにより、飲食関連取引の前年比の伸びが最も大きくなった。グアダラハラでは、世界中からファンがスタジアムに向かったことで、交通関連支出の伸びが最も大きくなった。アトランタでは、ファンによる祝賀イベントや文化イベントを背景にエンターテインメント関連支出が伸長し、ニューヨーク市では小売支出が増加した。

これらの動きは、ポップアップ経済圏による恩恵が開催都市全体へ広がることを示している。その恩恵は、大会と直接関わる事業者だけでなく、地域のレストランや独立系小売店、ホテル、交通事業者、グローバルブランドなど、来訪者の日常的なニーズに応える幅広い加盟店にも及んだ。

市場を動かした大会の瞬間

大会で記憶に残る瞬間の中には、人々の注目を集めただけでなく、世界各地で経済活動の波を生み出したものもあった。ノルウェー代表が予想外の快進撃で準々決勝まで進出したことを受け、世界中のファンが同代表を応援し、ノルウェー国内だけでなく世界各地で消費支出や取引活動が大きく増加した。ノルウェー国内では、試合開催中のVisa取引件数が約2倍に増加。また、ノルウェー代表が勝ち進むごとに取引活動の増加が確認される国の数も拡大し、最終的には同代表の試合開催時に世界60カ国以上で支出の増加が見られた。これは、ファンの情熱や応援がポップアップ経済圏を生み出す力となることを示している。

こうした事例は、ファンの関心が経済活動に即座に影響を与え得ることを示している。注目度の高い対戦、予想外の結果、あるいは大会での躍進は、旅行動向を変え、需要を押し上げ、次なる都市で新たなポップアップ経済圏を生み出す。

観光、地域ビジネスの成長から、デジタル決済の普及に至るまで、同大会は、人々が熱狂を共有する瞬間が、かつてない規模の消費活動と経済効果を生み出すことを示した。同社のデータは、同大会が単一の世界的イベントにとどまらず、ファンの移動、情熱、支出によって生まれた、相互に連動する複数のポップアップ経済圏であったことを示している。これらは開催地域に経済機会をもたらすとともに、企業が世界的な需要に迅速かつ大規模に対応するうえで、シームレスなデジタル決済が果たす役割を示した。