ビザ・ワールドワイド・ジャパンは7月2日、訪日外国人旅行者の消費行動における店舗での決済手段の表示(POS表示)の効果を検証したパイロットプログラムの結果を発表した。
東京3区で約5,000件のPOS表示を導入
本プログラムは2026年3月1日から4月末まで実施され、東京の主要インバウンドエリアとして渋谷区、新宿区、台東区を対象に展開された。対象エリアは、訪日外国人の来訪数および消費の集中度が高い地区を基準に選定し、英語・繁体字・簡体字・韓国語の多言語対応の、約5,000件のPOS表示を導入した。
観光庁が2026年4月15日に公表した「インバウンド消費動向調査 2026年1–3月期(1次速報)」によると、同期間の訪日外国人旅行消費額は2兆3,378億円(前年同期比+2.5%)と推計されており、費目別では宿泊費が36.7%、買物代が25.2%、飲食費が22.9%を占めている。2025年暦年の消費額9兆4,559億円(前年比+16.4%)とあわせて、インバウンド消費は宿泊・小売・飲食などのサービス業を中心に高水準で推移しており、大きな消費機会が創出されている。
本プログラムでは、飲食・小売・サービスなど、旅行者の利用頻度が高い業種を中心に展開することで、実際の消費行動に即した検証を行った。
カード利用者数・取引件数が約5~6%増加
その結果、インバウンド旅行者におけるカード利用者数および取引件数が約5~6%増加、飲食・小売・サービスなど主要業種を含む、幅広いカテゴリーでの利用拡大、並びに加盟店におけるカード決済の取扱規模拡大による、売上機会の取り込み効果が確認された。さらに、決済手段別の利用動向においても、タッチ決済の利用が約2%増加するなど、利便性の高いデジタル決済へのシフトが促進される結果となった。また、訪日旅行者の出身市場別に分析した結果、主要インバウンド市場においても一貫した利用拡大が確認され、特にタイおよび台湾などの市場において顕著な伸びが見られた。こうした効果は、決済手段の視認性向上により、利用可否に対する不確実性が解消されたことが背景にあると考えられる。
今回の結果は、POS表示の改善が訪日外国人の決済行動に直接的な影響を与える有効な施策であることを示している。
7月から全国展開を順次開始
同社は本取り組みを全国へ展開していく予定であり、2026年7月より関東および関西地域から全国展開を順次開始し、今後は5地域・20以上の都市へ拡大する予定だ。これにより、インバウンド消費のさらなる拡大と、より円滑な決済環境の整備に貢献するとしている。
