事故で夫が行方不明となった咲子(蒼井優)と、同じ事故で妻を亡くした樹生(中島歩)の喪失から始まる“愛”と“秘密”の物語と紡ぐTBS系ドラマ『Tシャツが乾くまで』(毎週金曜22:00~)の第2話が、17日に放送された。SNSでは「展開がまるで読めない不思議なドラマ」「久々にリアタイしたくなるほど待ち遠しい」などの声が上がっている。

  • (左から)蒼井優、中島歩

    (左から)蒼井優、中島歩

似たような境遇で奇妙な連帯関係が生まれていた2人だったが、樹生の妻・あずさ(夏帆)と充(松山ケンイチ)の関係を疑うような樹生の言葉に緊張が走る。夫がそんなことをするはずがない、と充を信じようとする咲子だが、樹生は確信めいた様子で、以前自身が目撃した、あずさと充の“第3金曜日”の姿を語り始める。

樹生の主張をにわかに信じられない咲子だったが、もしかしたら充は自分には言えない不満を抱えていたのかもしれないという不安もよぎる。そこで咲子は樹生と共に、直人(高橋文哉)や宮内(リリー・フランキー)らの元を訪れ、事故の日までのあずさと充について調べ始めるが、宮内は「死んだってプライバシーは護られるべきだと思いますよ」とはぐらかす。

ただ、あずさがその古書店でのパートの仕事中に三島由紀夫の『愛の渇き』を読んでいたことを教えられる。どんな話かと聞かれると、宮内は「不倫の話」と、淡々と語った。

その後、樹生は充が店長を務めていた喫茶店へと赴く。直人は充から「のろけ話ばかり聞かされていた」と明かす。実は、事前に保育園で聞き込みをしたときも、あずさは、樹生ののろけ話をしていたらしい。そして直人の口から飛び出す。「(夫婦の)仲いいといっても不倫しないとは限らないし…」。実は直人も、“第3金曜日”にコインランドリーで充とあずさが仲良さそうに話しているのを知っていた。直人は2人の関係を「不倫」と決めつけているかのようだった。

その帰り道、夜道で悲鳴が。たまたまた咲子の家に虫が入り込み、逃げ出してきたところだったのだ。家へ入り、その虫を外へ逃がしてやる樹生。その樹生の服からは、充と同じ銘柄のタバコの匂いが…。その匂いに惹かれるように樹生に近づく咲子。その咲子の頭からはあずさと同じシャンプーの匂い。思わず樹生は咲子を抱きしめようとするが、そこで咲子のスマホに電話が入る。それは事故があった長野県の警察からのものだった──。

X(Twitter)では、「樹生はいろいろこじらせているな」「まだまったく、関係性が読み取れない」「こういう曖昧なままで進んでほしい」「さすが生方脚本」と、物語の面白さと、『silent』(2022年)、『いちばんすきな花』(2023年)、『海のはじまり』(2024年、いずれもフジテレビ)などを手掛けた生方美久氏の脚本を絶賛する声であふれていた。

ちなみに、あずさが読んでいた『愛の渇き』は、「愛を求める心が、嫉妬によって破滅へ変質していく過程」を描いた心理悲劇。主人公の悦子は夫を亡くし、夫の実家に身を寄せているが、亡き夫には何度も裏切られ、その傷を抱えたまま義父とも肉体関係を持ち、それでも心は乾いたまま。そんなある日、屋敷で働く若い園丁の三郎にも惹かれてしまう。悦子は三郎の若さや肉体に惹かれるが、三郎の心は女中の美代へと向いている。

「愛されたい」という願いが、「奪いたい」「壊したい」へと変質していく過程が描かれ、悦子の脳裏には嫉妬・執着・優越感・自己嫌悪・欲望が絶えず渦巻いている。最終的に悦子の嫉妬が限界を超え、三郎を殺害してしまうが、それでも悦子の「渇き」は満たされず、悲劇だけが残るという話だ。

三島自身は、このドロドロの愛憎劇を「幸福とは何か」を問う作品と位置づけている。果たしてこのドラマが、「幸福」にどのような答えを出すのか。今から楽しみだ。

【編集部MEMO】
『Tシャツが乾くまで』第3話(7月24日放送)あらすじ
充(松山ケンイチ)とあずさ(夏帆)はどんな思いで第3金曜日に会っていたのか。そしてあの日なぜ2人で同じバスに乗っていたのか…。関係者への聞き込みも虚しく真相がはっきりしない中、悶々とした気持ちを分かち合うことで奇妙な連帯感を育む咲子(蒼井優)と樹生(中島歩)。
その矢先、咲子に長野県警から一本の電話が……
咲子と樹生は、充とあずさの足跡を辿るため、2人が乗っていたバスが立ち寄ったサービスエリアを訪れることにするが……

(C)TBS