東京建物は7月15日、再開発組合の一員として参画し、東京駅前八重洲一丁目東A地区市街地再開発組合が推進する「TOFROM YAESU THE FRONT」(トフロム ヤエス ザ フロント)が竣工したことを発表した。
東京駅直結の大規模複合施設
TOFROM YAESU THE FRONTは、2026年2月に竣工した「TOFROM YAESU TOWER」に続いて誕生した、東京駅八重洲口の目の前に所在する地上10階・地下2階の複合ビル。八重洲地下街(ヤエチカ)を介し東京駅に直結し、オフィス、商業施設、診療所などで構成されている。名称の「TOFROM」は、英語の「TO」と「FROM」を組み合わせた造語で、日本中、ひいては世界中のヒト・モノ・コトがここに集まってつながり、ここから多様な価値が生み出され、発信されていく場所になってほしいという思いが込められている。同ビルの竣工により、TOFROM YAESU TOWERと併せて一体街区を構成する「TOFROM YAESU」が完成を迎えた。東京駅が目の前という圧倒的アクセス性と、多彩なトレンドやカルチャー、イノベーションを感じられるロケーションを生かし、国際都市東京の玄関口にふさわしい都市機能の強化と国際競争力の向上に貢献していく。
先進のオフィス環境を提供
天井高2,800mmのレイアウト効率に優れた約852m2~540m2の整形なオフィスを整備。個別空調によるきめ細かな空調制御やLow-Eペアガラスの採用など、快適性と省エネルギーを両立した先進のオフィス環境を提供する。建築基準法で定められた耐震基準の1.5倍の耐力を有する高い耐震性能を備えるとともに、約72時間の電源供給が可能な非常用発電機を装備し、企業のBCPを強力にサポート。また、環境性能においては、DBJ Green Building認証プラン5つ星(最高ランク)に加え、BELS 5つ星(最高ランク)、ZEB Ready(事務所部分)、CASBEE Sランクの認証も取得している。
東京駅を望むルーフトップテラス
屋上には入居企業のワーカー向けに、東京駅のパノラマビューを眼下に収めるルーフトップテラスを整備した。都心のにぎわいの中にありながら、緑あふれる憩いのデッキ空間では、波紋のような曲線ベンチに腰を掛け、さまざまな角度から東京駅周辺の風景を見渡しながらオープンエアの開放感の中でリフレッシュできるほか、アフターワークでは、コミュニケーションを促進するスペースとしての利用も想定している。
飲食店を中心に68店舗が開業予定
TOFROM YAESU THE FRONTとTOFROM YAESU TOWERにまたがる商業ゾーン「TOFROM YAESU Shop & Restaurant」では、飲食店を中心とした68店舗が開業予定。「東京ならでは」を発信する施設として、江戸から続く東京の多様な食文化を継承する飲食店を中心に、多様な人々を受け入れる親しみやすさを創出する。なお、TOFROM YAESU THE FRONT内の店舗は2026年冬以降、順次オープンを迎える予定だ。
八重洲の歴史や水をテーマにしたデザイン
同施設のデザインにあたっては、外観デザインおよびエントランスのアートワークに小林・槇デザインワークショップ(KMDW)を、外観照明デザインに有限会社内原智史デザイン事務所を起用した。
外観デザインを構想するにあたり、多様な個性が集積する様を八重洲らしさと捉え、さまざまな個性がそれぞれ表出する様を、多面体をつくることで実現。「多様な個性が存在する八重洲のまち並み」や「さまざまな役割の人々を支え、つなげてきたまちの歴史」を体現し、この場所ならではの印象的なファサードに仕上げた。また、本施設に面する八重洲通りにはかつて紅葉川という川が流れ、外堀通りには文字通り江戸城外堀が存在したという豊かな水に囲まれていたという歴史も踏まえ、外堀通り・八重洲通りに面する街区角部のファサードではガラスを斜めに設置することで、いくつもの面が集まってキラキラと輝く水面のきらめきを表現している。
低層部は、立体的な壁面緑化と木・石などの自然素材を中心にさまざまな要素を箱状に積み上げ、八重洲の多様性を重視するコンセプトのもと、まちの人々を出迎える魅力的な空間を創出する。
デザインのテーマを「滝」とした1階のエントランスでは、エレベーターの縦ラインを生かし、石の模様を滝の水筋に見立てた印象的な導入空間を演出している。また、八重洲通りに面したエントランスに架かるアーチは、かつてこの地にあり、まちの風景を彩っていた旧建物の面影を残したもの。新たな建物が土地の記憶を継承し、これからもこのまちに息づき続けることを表現している。エントランスホール内部にある吹き抜け空間には、エントランス外部のアーチ形状を踏襲した4,400個の球を天井から吊り下げたアートワークを配置。多くの人が集まって一つの場所を形作り、永く愛されるようにという願いをこめてデザインされた。
インテリアデザインには、外観デザイン同様「水」のテーマが通底している。基準階のエレベーターホール・廊下では、一直線の共用部を川の水面として表現し、行き着く先への程よい緊張感と期待感を感じさせることで気持ちを高める空間としている。







