
フジロック'26で2日目のヘッドライナーを務めるクルアンビン(Khruangbin)。彼らをスターダムに押し上げたデビュー作『The Universe Smiles Upon You』を、リリースから10年が経った今なぜ再録音したのか。その理由を語った2025年のインタビューをお届けする。
クルアンビンは、デビューアルバムのリリースから10年という節目を、すべてをもう一度やり直すという形で祝福した。バンドは昨年11月、オリジナル盤のリリースからちょうど10年目にあたる日に、デビュー作の楽曲を再録音し再構築したアルバム『The Universe Smiles Upon You ii』をサプライズリリースしたのだ。
バンドは当初、この記念すべき機会をどのように形にしたいのか、あるいはデビュー作の再録音バージョンが一体どのようなサウンドになるのか、自分たちでもよく分かっていなかった。「『とにかくもう一度全部やり直そう。10年後の私たちが、同じ場所で、同じ楽器を使って演奏するんだ。私たちが変わったから、違うものになるはず』というような考えだった」と、ベーシストのローラ・リー・オチョアはZoom越しに語る。「でも、その日が近づくにつれて、『いや、10年後の若者たちなら、今のままの曲として考えるだろうし、当時のままで演奏するだけなんてことはしないはずだ。それは私たちの姿じゃない』という風になった」
ローラ・リー、ギタリストのマーク・スピアー、ドラマーのドナルド・”DJ”・ジョンソンからなるヒューストンの三人組は、2010年代半ばにシーンに登場して以来、4枚のスタジオアルバム、ヴィユー・ファルカ・トゥーレとのコラボレーションアルバム、同じテキサス出身のレオン・ブリッジズとの2枚のEP、そして数枚のライブEPをリリースしてきた。タイのロックからサザンソウルまで世界中の影響を取り入れた、インストゥルメンタル中心のサイケデリック・ロックというクルアンビン特有のサウンドは、彼らをフェスティバルの常連にし、多くの模倣者を生む存在へと押し上げた。
マークは、デビュー作を再訪するにあたり、サウンドを正しく捉えることが重要だったと語る。「音の質感に本当にこだわりたかった」と彼は言う。「ほとんどASMRの観点からアプローチしたかったんだ。いくつかの曲ではアコースティックギターを弾くつもりだった。コンタクトマイクをあらゆるものに取り付けて、すべてのきしみ音やノイズ、部屋の空気が、この埃っぽいサウンドを持つようにしたんだ」。アルージ・アフタブとの仕事に影響を受け、彼らはいくつかの楽曲にドラムループも追加した。
ファンはトラックリストの順序が入れ替わっていることに気づくだろう。オリジナル盤のアナログレコードに収録されていた隠しトラックの「Bin Bin」が「Mr. White」に取って代わり、普段からバンドのアルバムの曲順を決めているローラ・リーが、それを中心に残りの楽曲を並べ替えた。「オリジナルの曲順のままでは、今回のアルバムの流れとしてしっくりこなかった」とローラ・リーは言う。「私は大抵、最初の曲を見つけなければならない。このレコードの中心となる命題は何なのか?とね。そしてそれは、間違いなく前作の最初の曲ではなかった」。ここでマークがオリジナルアルバムを弁護する。「今回はあの曲順じゃ流れが成立しなかっただけさ。2015年の曲順はあれで完璧だったよ」
3人の結束を保ち続ける「DIY精神」
いくつかの変更を加えたものの、クルアンビンは依然として、このリワークされたアルバムに『The Universe Smiles Upon You』を録音した時と同じ方法でアプローチしたいと考えていた。それには、デビュー作を録音した場所、つまりマークの家族が所有する敷地内にある、むき出しの納屋に戻ることも含まれていた。「ただの波トタンの壁なんだ。断熱材もない。床は土さ」と彼は言う。「だから寒くなると、本当に凍えるほど寒くなった。風が吹き抜けるのを防ぐためだけに、ドアの隙間に毛布を詰め込み始めたよ」
バンドがその納屋に惹かれた理由の一部は、そこがいかにもテキサスらしく感じられたからであり、それはこの三人組が常に公言してきたアイデンティティでもある。「特にヒューストンは、自分たちの存在そのものに織り込まれている」とDJは言う。「誰もがここに移住してきているから、その神秘性はいまや明かされてしまっているけれど、ヒューストンにはここで融合し合う独自の文化的なフレーバーのブレンドがあるんだ」
一見かけ離れた文化が融合するというその魅力はバンドの音楽に反映されている。テキサスのルーツは、彼らがしばしば立ち返る場所でもある。それこそが、2020年の『Texas Sun』と2022年の『Texas Moon』という2枚のEPで、レオン・ブリッジズと活動を共にするきっかけとなったものだ。「テキサス人がテキサス人と一緒に過ごすと、お互いに独特の理解が生まれるんだ」とDJは言う。彼らはフルアルバムを一緒に作るつもりだったと付け加えるが、ブリッジズのレーベルがそのアイデアに乗り気ではなかったという。「彼らが自信を持てるようなことではなかったの」とローラ・リーは言う。「それで私は、この音楽は聴かれる価値があると思うと伝えたくて、送れる限りのすべての人に一か八かのメールを送った」
この三人組のDIY精神こそが、彼らの強い結束を保ち続ける源であり、バンドであることの酸いも甘いも乗り越えさせてくれた、とDJは付け加える。「僕たちには『クルアンビンに賭ければ間違いない』という格言があるんだ。ただ自分たちを頼りにし、堂々と自分たちのままでいることを学んだのさ」
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From Rolling Stone US.

クルアンビン
『The Universe Smiles Upon You ii』
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FUJI ROCK FESTIVAL '26
2026年7月24日(金)〜26日(日)新潟・苗場スキー場
※クルアンビンは7月25日(土)出演