夏のボーナス時期が近づいてくると、「ボーナスで投資に挑戦してみようかな」と考える方も多いのではないでしょうか。 とはいえ、貯蓄や消費とのバランスはどう取るか、投資方法は何にするべきか、悩むことも多いかもしれません。
そこでこの記事では、ボーナスを賢く使い分けながら投資をスタートする方法をわかりやすく解説します。投資を始める時の注意点やおすすめの投資方法もあわせて紹介していますので、ボーナスで投資を検討している方や使い道に迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ボーナスの使い道で多いものは?
ボーナスの使い道は、身近な人ともなかなか話さないテーマかもしれません。では、世の中の人たちは実際にボーナスをどのように使っているのでしょうか。
マイナビニュースが2025年11月に実施したボーナスについてのアンケート調査(※)によると、ボーナス支給がある人の主な使い道(複数選択)は、「預金・貯金」が76%と断トツの1位でした。次いで、「投資・資産運用」と「生活費の補てん」がともに28.7%で並んでいます。
それ以降は、「外食・ちょっと贅沢グルメ」(27.9%)、「趣味(ゲーム、カメラ、スポーツなど)」(17.8%)が続きます。
「まずは貯金」という以前からの傾向は変わらないものの、投資・資産運用が生活費の補てんと並んで2位に入っている点は興味深い結果です。物価高が続く中、将来に向けてお金を「増やす」意識が着実に広がっていることがうかがえます。
(※)「2025年ボーナスに関するアンケート」調査時期: 2025年11月25日、調査対象: マイナビニュース会員、調査数: 302人、調査方法: インターネットログイン式アンケート
ボーナスは、3つの役割に分ける
このように、ボーナスの使い道は人それぞれですが、「とりあえず貯金しておこう」「せっかくだから欲しいものを買おう」と、なんとなく使い方を決めてしまっている人もいるのではないでしょうか。 しかし、ボーナスをより賢く活かすためには、あらかじめお金に「役割」を持たせておくことが大切です。
具体的には、「貯める」「増やす」「使う」の3つの視点でお金の使い道を整理します。それぞれの役割について、見てみましょう。
<貯めるお金>
「貯める」お金には、大きく2つの役割があります。
1つめは、急な出費や万が一の事態に備える役割です。病気やケガなどで働けない時も、すぐ引き出せるお金を預貯金として持っておくことで、慌てずに対応できます。これは生活の土台となるお金で、後ほど解説する「生活防衛資金」と呼ばれるものです。
2つめは、近い将来の支出に備える役割です。引っ越しや車の購入など、ある程度まとまった資金が必要になる場面は誰にでも訪れます。こうした支出も、計画的に貯めておくことで実現を目指せます。
<増やすお金>
投資信託などを通じて、将来のためにコツコツと増やしていく(投資する)お金です。最初から無理に大きな金額を動かす必要はなく、続けられる金額で長期的に取り組むことが大切です。
<使うお金>
「使うお金」には、趣味や学び、旅行など、今を楽しみ豊かに過ごすための使い道があります。心が満たされる使い方をすることで、毎日の生活に張りや心のゆとりが生まれます。
また、もう少し実用的な使い道もあります。たとえば住宅ローンやマイカーローンの繰上返済に充てれば、家計の負担が減り、気持ちの面でも余裕が生まれます。ほかにも、奨学金の返済、子どもの夏期講習代、家具や家電の買い替え費用など、人によって使い道はさまざまです。
「貯める」「増やす」「使う」お金はどう配分する?
では、3つの役割に分けたボーナスは、具体的にどう配分すればよいのでしょうか。まずは全体の比率を見たうえで、中でも比重の大きい「使う」お金の内訳について解説します。
<ボーナスの理想的な比率>
消費・貯蓄・投資をバランスよく行うには、ボーナスを以下のような比率に分けるとよいでしょう。
使う: 貯める: 増やす=5: 3: 2
「増やす」に多少多めに回すことで、昨今のインフレへの対応にもなります。たとえばボーナスが60万円支給される場合、「使う: 貯める: 増やす=30万円: 18万円: 12万円」という配分になります。
ただし、この比率はあくまで目安のひとつであり、実際にはご自身の状況に応じて調整が必要です。また、比率を考える際は、次の順番で確認していくとよいでしょう。
1.必要な貯蓄ができているか(「貯める」お金)
2.繰上返済や家電の買い替えなど、優先度の高い支出がないか(「使う」お金)
3.残った分を、好きなことに使うお金と投資に回すお金でどう配分するか(「使う」お金+「増やす」お金)
すでに十分な備えができている方は、「増やす」「使う」の割合を高めるなど、ご自身の家計状況に合わせて柔軟にアレンジしてみてください。
<「使う」お金の内訳>
5割を占める「使う」お金は使い道がさまざまで、具体的な配分は家族構成や家計状況によって変わってきます。たとえば独身の方なら旅行や学び、自己投資に多く回せるかもしれませんし、ローン返済を優先したい方や、教育費を確保したい子育て世帯もあるでしょう。
もしローンの繰上返済など優先度の高い支出が特にないのであれば、「自己投資・学び」に半分、「趣味・楽しみ」に半分という配分にすると、メリハリよく有意義に活用できます。
ボーナスで投資を始める時のポイント5つ
続いて、実際にボーナスで投資を始める前に確認しておきたい5つのポイントを見ていきましょう。中でも1と2は、必要な貯蓄について確認するステップです。投資はこの土台があってこそ安心して続けられるため、まずはここから押さえていきましょう。
1.生活防衛資金を確認する
投資を始める前に、まず確認したいのが生活防衛資金です。生活防衛資金があれば、病気や失業など万が一の事態でも当面の生活に困らず、投資した資産を急いで売却せずに済みます。目安は、毎月の生活費の3〜6ヶ月分。家族構成などによって多少前後しますが、まだこの基準に達していない場合は、ボーナスで優先的に備えましょう。
2.近い将来使う予定のあるお金には投資しない
住宅購入の頭金や車の買い替え費用など、近い将来(おおむね3年以内)に使う予定があるお金も、投資には回さないのが原則です。投資商品は価格が変動するため、お金が必要なタイミングで値下がりしていれば、損失を抱えたまま換金せざるを得なくなります。こうしたお金は、元本割れのリスクがない預貯金などで準備しておきましょう。
3.無理のない金額を見極める
ここまでの2点を踏まえ、必要な支出も考慮したうえで、投資に回せる金額を見極めましょう。ポイントは、余剰資金で行うことです。「このお金がなくなっても生活に困らない」と思える範囲で投資をすることが、長く安心して続けるための基本的な考え方です。
4.投資の目的を明確にする
投資を始める前に、「何のために・いつ・いくら必要か」を明確にしておきましょう。たとえば「老後資金として30年後に2,500万円」「教育資金として15年後に400万円」のように、具体的に設定することが大切です。
投資の目的が明確になれば、どの程度リスクを取るべきか、どの商品が自分に合っているかも自然と判断しやすくなります。目標金額から逆算して、必要な利回りや毎月の投資額も具体的に計画できるようになります。
5.リスク許容度を確認する
投資先を選ぶうえでひとつの基準になるのが、受け入れられるリスクの度合いを示す「リスク許容度」です。ちなみに、投資におけるリスクとは、「リターンの振れ幅」を指します。リスク許容度は、資産状況や収入、年齢、家族構成、投資経験、性格などの要素によって決まり、最適な投資対象も異なります。
投資経験が浅い方や収入が限られている方はリスク許容度が低い傾向にあり、無理のない範囲で安全性を重視した商品を選ぶのが基本です。一方、投資経験が豊富で資産に余裕がある方はリスク許容度が高い傾向にあり、分散投資などを活用してより積極的な運用も視野に入れられます。
ボーナスで始めたい投資方法
ボーナスを活用して投資を始めるなら、どのような方法がよいのでしょうか。ここでは、非課税優遇が受けられる「NISA」「iDeCo」と、リスク許容度別の具体的な投資方法を紹介します。
<まずは非課税制度を検討したい>
投資を始めるなら、税制優遇制度の活用をぜひ検討してみましょう。
・NISA
「NISA(少額投資非課税制度)」は、NISA口座内で投資した商品が値上がりした場合の利益(譲渡益)や分配金等が非課税となる制度で、税負担をかけずに資産形成ができます。通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISAを活用することでそのコストを丸ごと節約できる点は大きなメリットです。
2024年にスタートした新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、積立投資・一括投資のどちらにも対応しており、両方を併用することもできます。
なお、多くの金融機関では、ボーナス月だけNISAの積立額を増やせる「ボーナス設定」が利用できます。この設定をしておけば、 ボーナスが支給される特定の月には、毎月の積立額に加えて自動で積立額の増額ができます。
・iDeCo
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は自分で老後資金を備えるための制度で、掛金が全額所得控除の対象になるなど、大きな節税効果が得られます。原則60歳までは引き出せないという制限はありますが、その分、着実に老後の資産形成が行えます。
<リスクを抑えたい人>
元本割れが心配、投資経験が浅いなどリスクを抑えたい方は、安全性の高い商品を選択してみましょう。たとえば個人向け国債は、国が元本と利子を保証する金融商品で、元本割れのリスクがほぼないのが特徴です。
また、債券型投資信託も、リスクを抑えたい方に向いた選択肢です。債券はもともと値動きが比較的安定しており、さらに1つのファンド(投資信託)で複数の債券に分散投資できるため、リスクをより抑えやすい点が特徴です。
<ある程度リスクが取れる人>
短期的な値動きを許容してある程度リスクを取り、中長期的に資産を育てたい方には、インデックスファンドやバランスファンドといった分散効果の高い商品が適しています。
このうちインデックスファンドは、市場全体の動きに連動するように設計されており、コストが低く長期投資に向いています。バランスファンドは複数の資産に自動で分散されるため、手軽にポートフォリオを組めるのが魅力です。
なお、個人向け国債は、金融機関で口座を開設して購入します。債券型投資信託やインデックスファンド、バランスファンドは、一般的な投資信託の購入方法のほか、NISAやiDeCoを通じても購入可能です。ぜひ、非課税優遇のメリットを享受しながら運用してみましょう。
ボーナスは3つの役割に分けて上手に活用しよう
ボーナスは「貯める・増やす・使う」の3つに役割を分けて、計画的に活用することが大切です。まずは生活防衛資金を確保したうえで、NISAやiDeCoなどの非課税制度も検討し、自分に合った投資方法を選んでいきましょう。
