今回の放送で印象的だったのは、ディレクターが愛美さんに「最近、女性のお客さんが半数以上に増えている」と伝えた場面だった。愛美さんが「時代が変わりましたね」と返すと、ディレクターはこう言った。「いや、愛美さんが変えたんですよ」
「本当にそうだと思いました。最初の放送はもう5年前なんですよね。私がそのナレーション収録後に、初めて生で愛美さんのステージを見に行ったとき、お客さんは男性しかいなかったんです。それがいまや半数以上が女性になることもある。この番組に愛美さんが登場したことで、日本のストリッパーに対する見方がすごく変わったんだなと実感しています」
そう本仮屋が語るとおり、愛美さんの踊りに惹き寄せられるように、劇場に通い始めた女性たちがいる。その一人が、がんを患いながら大阪・岐阜・東京へと足を運んできた「ようこさん」だ。
「今回の放送の始まりが、まさに『愛美さんが時代を変えてから』なんです。愛美さんの踊りが、いろんな事情や生きづらさを抱えた人たちに届いて、生きる力になっている。番組を観ている方も、私も、少なからずそういう思いに共感する部分があると思うんですよね」
そして、愛美さんを「姉さん」と慕う「つみきさん」の存在も、今回の作品における大きな縦軸のひとつだ。
「若くて情熱のある方たちが、愛美さんの後に続こうとしている姿は、観ていて本当にうれしかったです。愛美さん自身も第一線で活躍しながら、まるで母親のように、後輩たちと向き合っている。そういった関係性や、ファンの方たちとのつながりの強さも、今回の見どころのひとつだと思います」
「大人が子宮の病気になったんだな」と受け止めていたが…
限りある人生において「何かを選択」し、そしてそれを「続けていくこと」の意味も、本仮屋の中でさらに大きくなっているようだった。
「愛美さんが、『還暦まではなんとしてでも続けたい』と言うのは、『辞める』という選択肢がある中での、『続ける』なんですよね。これまで必死に喰らいついて頑張ってきたつみきさんがこの仕事を離れるかどうか悩む場面もそうですし…。人生って、決断の連続なんだなと思って、最初にナレーションを読んだ時とは全く違う気持ちでした」
37歳でがんを患い、子宮を摘出した愛美さん。5年前、32歳で初めてこのシリーズのナレーションを担当した時、本仮屋は「大人が子宮の病気になったんだな」と受け止めていたという。しかし今回、自身が38歳になり、改めて愛美さんの人生への感じ方が以前と変わってきた。
「当時、『大人だ』と思っていた年齢(37歳)を、もう自分が超えてしまったから、『ちょうど自分がこれくらいの頃に、愛美さんは大病を患ったんだ…』と。そういう意味では、今まで以上に『人生で何かを選択すること』を考えさせられた回でした。きっと誰しも本来自分が思い描いていた道と、実際に歩んでいる道が少し違うこともある。でも、その積み重ねの上に、“今”がある。だから私は今回、『続いていること』そのものが、本当に尊いんだと感じながら、ナレーションを読んでいました」
