ウェザーニューズは6月17日、「雹(ひょう)」についての調査結果を発表した。調査は2026年5月14日~20日にかけ、お天気アプリ「ウェザーニュース」のユーザーを対象に行われた(設問ごとに調査日および回答数は異なる)。

約4割が雹に恐怖を感じた経験

「これまで雹に恐怖を感じた経験はありますか?」と質問したところ、全体の約4割が雹に恐怖を感じた経験があり、そのうち10%は実際に何らかの被害を受けていることがわかった。

エリア別にみると、特に関東で「ある(被害あり)」が14%、「ある(被害なし)」が30%に達し、合わせて44%の人が恐怖を経験していることが判明した。次いで、甲信(38%)、東北(37%)となる。

具体的に何が恐怖のトリガーになったのかコメントを分析すると、最も多くの人が挙げたのが、雹が屋根や車に叩きつける「音」だった。「家中が何かに攻撃されているようだった」「新幹線に乗車中、窓が割れるかと思うほどの爆音だった」といったコメントが寄せられている。屋外で直撃を受けた人のコメントでは、「バイクや自転車の走行中、石を投げつけられているような痛さで死を覚悟した」「傘が破れ、頭や顔をカバンで隠して走ったが、腕があざだらけになった」など、生命の危機を感じさせる内容が目立った。

  • 雹に恐怖を感じた経験はありますか?

    雹に恐怖を感じた経験はありますか?

  • こ雹に恐怖を感じた経験はありますか?(エリア別)

    こ雹に恐怖を感じた経験はありますか?(エリア別)

実際に被害に遭った場所、トップは「車本体」

「これまで雹の被害にあった場所は?」と質問し、「被害があった」人の回答を調べると、最も多かったのは「車本体」で35%に達した。猛烈な速度で落下してくる雹の直撃により、ボンネットの広範囲なへこみやガラスの破損など、自動車への深刻な被害が生じやすい実態が浮き彫りとなった。

次いで多かったのが「家庭菜園」の22%。大切に育てていた野菜や果物、草花がなぎ倒されたり、葉が破れたりするなど、植物や農作物への被害も大きな問題となっている。

さらに「自宅の屋根や窓ガラス(14%)」や「カーポート(12%)」といった住まいへの被害も目立ち、降雹は個人の大切な生活資産に対して、突発的かつ甚大な経済的打撃を与えるリスクが高いことがうかがえる。

  • 雹の被害にあった場所は?

    雹の被害にあった場所は?

関東を中心に「増加・激甚化」を実感

「ここ数年で、雹が降る回数や激しさが増していると感じますか?」と質問したところ、「変わらない」が58%で最も多くなった。次いで「増えた気がする」が28%、「明らかに増えた」が8%と続く。

エリア別にみると、関東が突出しており、合計42%(「明らかに増えた」9%、「増えた気がする」33%)の人が雹の回数や激しさが増していることを肌で感じていることがわかった。

フリーコメントの分析からは、SNSの普及による「雹の可視化」が増加の一因として浮き彫りになった。「昔なら限定的な地域のニュースで終わっていたような超局地的な雹害も、今やSNSを通じて一瞬で全国に拡散されるため、実際の発現回数以上に、雹が身近で頻発しているように錯覚・認識されやすい」という意見も寄せられている。また、時期のズレを指摘するコメントもあり、昔は「晩秋から初冬に降るあられ程度」だったものが、「初夏(5~6月)にゲリラ雷雨とセットで大粒のものが降る」ようになり、作物への被害(ナス、梅など)が毎年恒例になってきているなど、実体験として変化を感じている人もいるようだ。

  • ここ数年、雹が降る回数や激しさは?

    ここ数年、雹が降る回数や激しさは?

  • ここ数年、雹が降る回数や激しさは?(エリア別)

    ここ数年、雹が降る回数や激しさは?(エリア別)

予報がでても2人に1人が「何をすればいいかわからない」

「雹の可能性がある時、事前の対策をしますか?」と質問したところ、全体の半数以上(51%)が「何をすればいいかわからない」と回答した。

「対策する」と答えた人は18%に留まり、たとえ事前に危険を察知していても、具体的にどのような行動を起こせば被害を防げるのかというノウハウが広く認知されていないことが浮き彫りになった。

  • 雹の可能性がある時、事前対策する?

    雹の可能性がある時、事前対策する?

事前の気象情報から対策できたのはわずか5%

2026年5月13~14日は関東など広い範囲で、ウェザーニュース会員から雹の報告が相次いだという。

そこで、雹の天気報告があった地域の人に「事前に気象情報(予報や通知)を確認して対策できましたか?」と質問したところ、事前に情報を確認していたのは53%で、見てすぐに対策できた人は、わずか5%に留まった。

「見たが降らないと思った」は約3割を占めており、フリーコメントでも「めったに降らない地域だから気にしなかった」など、自分は大丈夫だという正常性バイアスで油断したケースもみられた。

  • 事前に気象情報を確認して雹対策できた?

    事前に気象情報を確認して雹対策できた?

在宅時に雹が降っても約4割が「何もしない」

「在宅時に雹が降ったらまず何をしますか?」と質問したところ、「何もしない」が44%で最も多くなった。次いで「動画を撮る」が28%で、「何もしない」と合わせると全体の72%が被害回避のアクションを取らないことがわかった。

年代別でみると、「動画を撮る」は10代の約半数を占めており、20代でも32%にのぼっている。一方、年齢が上がるにつれて「車を守る」の割合が増加し、60代以上では20%に達した。過去の経験を基に車を案じるシニア層に対し、安全な室内から状況をSNS等に投稿・共有しようとする若年層の行動特性が現れたようだ。

  • 在宅時に雹が降ったらまず何をする?

    在宅時に雹が降ったらまず何をする?

  • 在宅時に雹が降ったらまず何をする?(年代別)

    在宅時に雹が降ったらまず何をする?(年代別)

雹への備えとして有効な対策を紹介

今回の調査から、雹は多くの人にとって恐怖の対象であり、特に車や住居への被害が甚大であるにもかかわらず、「いざという時にどう行動すべきか(事前対策)がわからない」という課題が明らかになった。

これから本格的なゲリラ雷雨シーズンを迎える。雹の被害を最小限に抑えるためどのような対策ができるか、同社が解説している。

身を守る
雹(ひょう)が降り始めたら屋内へ避難する(動画撮影などのためにベランダや屋外に出るのは危険)。

車を守る
厚手の毛布や専用のカバーを車体にかけ、衝撃を和らげる。

家を守る
雨戸やシャッターを閉める。ない場合はカーテンを閉め、窓ガラスから離れる(窓ガラスの飛散防止フィルムも有効)。

同社のプロフェッショナル向け気象情報サービス「ウェザーニュースPro」では、独自の雹予測を確認することがでできる。1時間ごとの発生リスクを「注意」と「警戒」の2段階で36時間先まで予測する。1万通以上の過去の雹報告を活用し、大気の不安定度や降水強度などの気象条件をもとに、雹のサイズや予想されるエリアを計算して、発生リスクとして提供する。1kmメッシュの高解像度で予測するため、自宅や会社などピンポイントで発生リスクを確認して、対策に役立てることができる。スマホへのプッシュ通知も設定可能で、雹に警戒が必要な場合は即時に「ひょうアラーム」で知らせる。突発的な雹災害から生命や生活資産を守り、被害を最小限に抑えるための事前対策をサポートする。

  • ウェザーニュースPro「ひょうリスク予測」

    ウェザーニュースPro「ひょうリスク予測」