「今日はご飯作るの面倒やし、王将行こか」
「とりあえず餃子と天津飯頼もう」
「今日の夕飯は王将の餃子、テイクアウトしてこよか」

関西人の家庭では、しばしばこんな会話が繰り広げられる。私自身も学生時代から何度となく利用してきたし、周囲にも王将好きは多い。町中の中華としてコスパもよく味もおいしく、店舗数が多い餃子の王将は、多くの人の「行きつけの店」になっているのではないだろうか。

そんななか、「日本一メニュー数が多い餃子の王将は京都にある」と聞いた。その店が、京都市左京区にある「餃子の王将 宝ヶ池店」だ。

  • 餃子の王将 宝ヶ池店

    餃子の王将 宝ヶ池店

京都市営地下鉄・国際会館駅から徒歩約5分。宝ヶ池通り沿いに位置し、広い駐車場を完備している。席数も多く、学生や会社員、ファミリー層まで幅広い客層でにぎわう大型店舗だ。

餃子の王将は、一部の店舗で独自のメニューを展開しているが、基本的には全国どこで食べても同じ味。しかし宝ヶ池店が“別格”なのは、ここでしか味わえないオリジナルメニューが数多く存在するから。「日本一のメニュー数」と長らく噂されてきたのも、この店舗限定メニューの豊富さゆえだろう。

  • 左がグランドメニュー、右がオリジナルメニュー

    左がグランドメニュー、右がオリジナルメニュー

  • とにかくバラエティがすごい

    とにかくバラエティがすごい

オリジナルメニューを見ると、揚げ物やデザートが特に充実している印象。アイスやスイーツの豊富さに、「ここは本当に王将なのか……?」と不思議な気持ちになってしまう。今回は、そんな数あるオリジナルメニューの中から、気になった6品を実際に味わってみた。

■キムチ鍋と八宝菜の“ええとこどり”のような「スタミナこってりラーメン」

まずは、「スタミナこってりラーメン」(982円)。名前からガツンとした濃厚ラーメンを想像していたのだが、ひと口食べると印象は少し違った。

  • 「スタミナこってりラーメン」(982円)

    「スタミナこってりラーメン」(982円)

まず感じるのは野菜の甘み。そのあとからピリッとした辛さが追いかけてくる。味わいはどこかキムチ鍋を思わせる一方で、たっぷりの野菜が入っているため八宝菜のような雰囲気もある。まさに両者の“いいとこどり”といった一杯だ。

ピリッとした辛さはいいアクセントになり、体を温めながら野菜もたっぷり摂ることができて、なるほどスタミナがつきそうだ。野菜によって食感と味がいろいろ楽しめるので、最後まで飽きずに食べられるラーメンだった。

■揚げたてが絶品! 食感が楽しい「たこから」

続いて「たこから」(385円)。唐揚げといえば鶏肉が定番だが、こちらはタコを使用した一品だ。しっかりと下味がついており、噛むたびに旨味が広がる。タコ特有のコリコリした食感も心地いい。揚げたての衣はサクサクで香ばしく、思わず箸が進む。

  • 「たこから」(385円)

    「たこから」(385円)

私は「唐揚げにはレモン派」なので、途中でレモンを絞って味変を楽しんだ。一気にさっぱりした味わいに変化し、濃いめの味付けがほどよく引き締まる。お酒好きならビールやハイボールと合わせたくなる一品だろう。

車で来たことを少し悔やんだ。

■ホルモンと天津飯が好相性の「てっちゃん天津飯」

意外性を感じたのが「てっちゃん天津飯」(737円)だ。“てっちゃん”とは関東で“シマチョウ”と呼ばれている、牛の大腸のこと。

  • 「てっちゃん天津飯」(737円)

    「てっちゃん天津飯」(737円)

天津飯とホルモン。字面だけ見ると少し不思議な組み合わせに思える。「合うのかな?」と気になってオーダーしてみたのだが、実際に食べてみると、これが驚くほどよく合ったのだ。

てっちゃんはやわらかく、噛むほどに旨味があふれる。甘辛い下味がしっかりとついていて、おいしい。

天津飯は、卵がとろとろで出汁の風味が感じられ、ごはんとの一体感もある。ホルモンが乗った部分は力強い味わい、乗っていない部分は天津飯らしいやさしい味わいが楽しめるため、一皿の中で変化があるのも面白い。

スープを挟みながら、味変を楽しめる天津飯。完成度の高い一皿だった。

■肉とチーズのダブルパンチ「あぶりチーズ餃子」

餃子の王将といえばやはり餃子。レギュラーメニューとしても何種類かあるが、今回はオリジナルメニューの「あぶりチーズ餃子」(550円)を注文した。

  • 「あぶりチーズ餃子」(550円)

    「あぶりチーズ餃子」(550円)

餃子の王将らしく、パリッと焼かれた皮でしっかりとタネが包まれていて、上からとろりとチーズがトッピングされている。ひと口頬張ると、王将らしい肉の旨味と肉汁がしっかり感じられて、ホッとする。そこへ炙ったチーズの香ばしさとコクが追加されているのだ。

餃子もチーズもどちらも主役級。パンチとパンチがぶつかり合うような力強さがあったので、濃厚さを求めている場合はぴったりだろう。

肉の味をじっくりと噛みしめたい人には、やや不向きかもしれない。いつもの王将の餃子とは別物として楽しむのがおすすめだ。

■口直しにぴったりな「サーターアンダギー」

デザートメニューにもオリジナルメニューが多い。「サーターアンダギー」(330円)はひと口サイズで食べやすく、シェアもしやすい。

  • 「サーターアンダギー」(330円)

    「サーターアンダギー」(330円)

甘みは控えめながら、小麦の香ばしさがしっかり感じられる。外はサクサク、中はほどよくしっとり。重たさはなく、気づけば「もうひとつ」と手が伸びてしまう素朴なおいしさで、中華をたっぷり食べたあとでも無理なく楽しめた。

■大学いもとアイスの夢の共演「バニラ大学」

最後のメニューは「バニラ大学」(440円)。名前からわかる通り、大学いもとバニラアイスを組み合わせたデザートだ。

  • 「バニラ大学」(440円)

    「バニラ大学」(440円)

大学いもの表面はカリカリで、噛むとさつまいもの甘みが広がる。それを冷たくて甘いバニラアイスが包み込む。

大学いもの蜜がどんどん皿に張り付いていき、アイスもどんどん溶けていくので、このデザートは時間との戦いだが、背徳感たっぷりのおいしさを楽しめる。「王将でこんなデザートが食べられるのか!」と驚かされる一品だった。

■「いつもの王将」とは違う楽しみがあった

関西で餃子の王将といえば、子どもの頃から親しんできた身近な存在という人も多いだろう。餃子、天津飯、チャーハン、ラーメン。「お決まりのあの味」を求めて通っているのだと思う。

しかし宝ヶ池店では、「あの味」とは少し違う楽しみ方ができ、とても刺激的な時間を過ごせる。ホルモンをのせた天津飯や、チーズを合わせた餃子、デザートメニューまで、自由な発想から生まれたオリジナルメニューの数々。特に印象的だったのは、揚げ物やデザートの充実ぶりだ。チェーン店でありながら、個店ならではの個性を感じられるのが、ここ宝ヶ池店の魅力だろう。

餃子の王将好きはもちろん、「王将はどこも同じ」と思っている人ほど、一度訪れてみてほしい。