
大学の軽音サークルで出会い結成されたガールズロックバンド”らそんぶる”が、2ndミニアルバム『心の隙間を埋めるのは』を引っさげて東名阪ワンマンツアーを開催。ファイナルとなった5月31日(日)恵比寿LIQUIDROOM公演の模様をレポートする。
チップチューンっぽいSEが流れ、ミニランプ、ウッドシェルフ、パズルピース、電飾などで彩られたかわいらしいステージにメンバーが登場。”君に会いたい”気持ちをまっすぐ歌う「ロングヘアー」から、ライブは颯爽とスタートした。
そら(Vo&Gt)のピュアでひたむきな歌唱と瑞々しいエネルギーを宿すバンドアンサンブルが早くも存在感を放ち、「START DASH★」の間奏では、みやび(Dr)の溌溂としたスネア連打、なんちー(Ba)の軽快なスラップ弾き、ゆー(Gt)の風穴を開けるようなソロと、各自の個性が鮮やかに炸裂。
そら(Vo&Gt)(Photo by 西光史郎)
キャリア最大規模ワンマンとなるLIQUIDROOMの後方までがぎっしり埋まったフロア、オーディエンスの熱い歓声やハンドクラップに、結成わずか2年ながらハイペースで支持を広げ、なおも期待を寄せられている彼女たちの今が見て取れ、この時点で思わずグッときてしまう。
ゆー(Gt)(Photo by 西光史郎)
ゆーの作詞・作曲による「恋する少女はヒーローだった」を駆け抜け、そらが「いつまでもみんなの心に光を与えてあげられる、私を助けてくれたあの三日月みたいに優しい音楽をやりたいと思ってます!」と宣言。間延びせず、すぐに演奏を再開させる姿もいい。経験したことがない大舞台と大観衆の中、自分たちの曲をめいっぱい鳴らせるという最高なシチュエーションを意欲的に楽しもうとしているように見えたから。
なんちー(Ba)(Photo by 西光史郎)
次のブロックでも、何気ない風景をきっかけに”私も負けてらんないな”と奮い立つ「昼間の三日月」、自由を謳うポジティブな曲調に乗せて眩しすぎるシンガロングが湧き起こった「カラフル」と、4人はキラキラした笑顔でミニアルバムの収録曲を果敢に届けていく。
思春期の悩みを等身大で歌っている。つらい状況に寄り添ってくれる繊細な曲が多い。佇まいやアートワークに華があり、サウンドも明るい印象のらそんぶるだが、結成して間もない頃のシングル曲「風船」、未音源化曲「BAD-BYE!」を含め、メドレーのような滑らかさでライブが進むにつれ、本質的な魅力がじわじわと表出。
みやび(Dr)(Photo by 西光史郎)
「今日、高校でいっしょに軽音部をやってた友達が何人か来てくれてます。私はこうして出会えたから、助けてくれる人がたくさんいたから、バンドで自分の曲をみんなに聴いてもらえる。いちばん仲良い子は普通に大学生になって、普通に就職をした。でも、やっぱり音楽が諦められず、キーボードをまた触り始めたらしくてね。それがすごく嬉しい!」
「私、まだ忘れられないんだ。軽音部の死ぬほど小さな暑い楽屋で、アンプの使い方がわからないのに無理やり繋げてさ。歪んでもいない、コーラスのかかったようなぜんぜんカッコよくない音が、当時の自分にはめちゃくちゃカッコよかった。その初期衝動に今も背中を押されてる。だけど、この景色を見たら、初期衝動で終わらせちゃいけない。ずっと続けていきたいなって思います」
胸に響くそらの言葉を汲む「ロックンロールに恋をしたんだ!」が、場内の空気をきゅっと引き締める。LIQUIDROOM単独を叶えても先を見据える4人の凛々しさが伝わり、単に前向きなだけではない、深い葛藤の末に辿り着いた温かみを持つ、まさしく心のピースになり得る音楽だということが改めて実感できた。
中盤には、みやびがBeReal用の写真撮影をしたり、なんちーが車の免許を取った話をしたり、ゆーが「いえー!って言えー!」とコール&レスポンスを求めたり、全員でわちゃわちゃとトーク。まだ20代前半であるメンバーの若さが滲む。
来場者に「失恋した人とかいないの?」とそらがエピソードを募り「君のために歌います」と始まったのは、一転して切ない「ストロベリームーン」。淡くドリーミーな照明のもと、寂寥感を湛えたバラードが奏でられ、余韻そのままにさらなる未音源化曲「もしも」へ繋ぐ。過去曲「夢見がちガール」「オーライ」においては、ギターカッティングやベースソロで心地よいグルーヴ&ジャンプを生み、LIQUIDROOMをガツンと揺らすなど、緩急の付け方も秀逸だ。
Photo by 西光史郎
「またひとつ忘れられない大切な日になりました。本当にありがとうございます。これまでいろんな瞬間、いろんな人や物を大切に思ってきて、全部を守りたかったけど、そんな器用なことはできなかったから、愛するために捨てなきゃいけないこともあるんだなって知りました。何かを捨てることは怖いことじゃなく、たぶん今を必死に生きているってこと。いちばん大切なものの愛し方は忘れたくない。忘れないでください!」
儚く美しい心の変遷をそらがリアルに訴え、現段階での最新曲「いつかまたひとりぼっちだったら」へ。恋愛だけに限らない、人生のあらゆる取捨選択をイメージさせたあと、ネガティブな自分でさえも許そうと思える「私のB面」がフロアに包容力をもって広がり、疾走感あふれるリプライズ「コンティニューして!」とノンストップで邁進した終盤は、言わずもがな怒涛の盛り上がりに。
【 ダイジェストムービー 】
らそんぶる
東名阪ワンマンツアー
"心のピースを探しに"
5/31(日) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
????️ @J_of_Jt pic.twitter.com/9QPDYLuhie — らそんぶる (@rassemble_band) May 31, 2026
「諦めなければ叶うこと、私たちが証明してみせます」とそらが頼もしく呼びかけ、本編ラストは「夢を見よう!」。つまらない生き方に抗う反骨心を全面に出しつつ、らそんぶるの音楽に共鳴するオーディエンスとサビを大合唱し、4人は熱狂のうちにステージを降りた。
アンコールでは、6月10日(水)にリリースされる新曲「素直になれたら」の披露も。そして、メンバーの思い入れが強い「いつかのうた」でツアーは無事に終了。「すごく楽しかったです。”ライブハウスに初めて行きます”と連絡をくれる人もいて、自分たちがそういう入口になっていることが嬉しい」と語るそらの晴れやかな表情が印象深かった。引き続き、今後の活躍を見守っていきたい。
Photo by 西光史郎
セットリスト
1. ロングヘアー
2. START DASH★
3. 恋する少女はヒーローだった
4. 昼間の三日月
5. カラフル
6. 風船
7. BAD-BYE!
8. ロックンロールに恋をしたんだ!
9. コンティニューして!
10. ストロベリームーン
11. もしも
12. 夢みがちガール
13. オーライ
14. いつかまたひとりぼっちだったら
15. 私のB面
16. コンティニューして!
17. 夢を見よう!
En1. 素直になれたら(新曲)
En2. いつかのうた
<リリース情報>
らそんぶる
New Digital Single「素直になれたら」
2026年6月10日(水)配信





