6月のプライド月間に合わせて、LGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広め、「性」と「生」の多様性を祝うイベント「Tokyo Pride 2026」が、6月6日・7日の2日間、代々木公園イベント広場で開催された。
本稿では、同イベントに出展した電通ブースの「プライドアクション診断」について紹介していく。
8タイプのキャラクターで「自分らしい関わり方」を提示
今年で15回目を迎えるTokyo Pride 2026は、アジア最大級のLGBTQ+イベント。
6月7日に渋谷・原宿エリアで行われる「Pride Parade」をはじめ、6月6日・7日に代々木公園イベント広場と野外ステージで開催される「Pride Festival」、新宿二丁目を中心とした「Pride Night」、10〜20代を対象にした「Youth Pride」、アートを通じてLGBTQ+の現在地を伝える「Queer Art Exhibition」、人権をテーマにした「Human Rights Conference」など、多彩なプログラムが展開されている。
中でもPride Festivalでは、LGBTQ+コミュニティを応援する国内外の企業、団体、NPO、飲食店などがブースを出展。情報発信や交流の場をつくり、来場者が楽しみながら多様性やインクルージョンについて考えられる場となっている。
そのPride Festivalに、dentsu Japanは今年で10年連続となるブースを出展した。
今年、同社のブースで展開されたのが「プライドアクション診断」だ。
この「プライドアクション診断」は、いくつかの簡単な質問に答えることで、自分に合ったLGBTQ+支援アクションを見つけられる体験型コンテンツ。
診断結果は、個性豊かな全8タイプのオリジナルキャラクターとして表示され、それぞれのタイプに応じて、無理なく取り組める支援アクションのヒントやアドバイスが示される。
診断に登場する8種類のキャラクターは、すべて同社がオリジナルで制作したもの。
制作にはアートディレクターが参加し、「ナビゲーター」は光、「チェンジャー」は炎といったように、キャラクターごとに細かなモチーフを設定。親しみやすいビジュアルを通じて、来場者が自然にLGBTQ+支援について考えられる設計にした。
ブース内には診断体験に加え、キャラクターと撮影できるフォトブースや、診断結果に応じたキャラクターフラッグも用意された。フラッグは数量限定で配布され、会場内でそれを持って歩く来場者の姿も見られるほどの人気だった。
考えてほしいのは「支援するか」ではなく「どう関わるか」
今年のブースに「プライドアクション診断」を企画した背景には「LGBTQ+当事者の存在が見えづらい」という課題意識があったという。
企画のリーダーを務めている、第6CRプランニング局 DEIコンサルタントの福居亜揶氏は「LGBTQ+当事者の方は、まだまだ自分が当事者であると言い出しづらい環境にあると感じています。今回の企画には、自分の周りにLGBTQ+当事者の方がいるかいないかではなく、一人ひとりが今できるアクションを取ることが大事だというメッセージを込めました」と語る。
つまり、今回のブースは「支援するか・しないか」ではなく、「自分ならどう関われるのか」「今日から何ができるのか」を考えてもらう設計になっているのだ。
この狙い通り、来場者の反応も前向きだったそうで、友人同士で診断し、「自分はこのタイプだった」「みんな同じタイプだった」と結果を楽しむ姿が見られ、診断結果が違っても、同じでも、それぞれが自分なりの関わり方を考えるきっかけになっていたという。
「どの結果になっても、『私はこのキャラクターか』で終わるのではなく、『では自分は何をすればいいのか』と前向きに考えて、結果を受け止めてくださる方が多かったです」(福居氏)
社内でもプライド月間に合わせた取り組みを展開
dentsu Japanでは、今回の「Tokyo Pride」への出展にとどまらず、社内でも6月を「プライド月間」と位置付け、社員食堂やカフェでのプライド月間限定メニューの展開、社外ゲストや顧客を招いた映画上映会、トークイベントといった、さまざまな取り組みを実施している。
さらに、年間を通じた社内研修やアクション創出の取り組みの中でも、LGBTQ+をテーマにしたプログラムを継続的に行っている。
こうした活動の背景には、dentsu Japan全体でDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進していく方針がある。
特に重視しているのは、特定の部署や担当者だけが取り組むのではなく、グループ全体でDEIを推進する姿勢だ。
Tokyo Prideの会場には、2日間で40人ほどの経営層が来場する予定があるのに加え、社員ボランティアも全国から90人以上が参加し、グループ会社の垣根を越えてブース運営を支えている。
dentsu Japanのチーフ・ダイバーシティ・オフィサーである口羽敦子氏も「一番大事にしているのは、全員で取り組みを推進すること。経営も社員も、どの会社にいても、みんなでやるということを大事にしています」と強調していた。
Tokyo Prideへの10年連続出展は、同社にとって単なる対外的なPRではない。
「企画は毎年違いますが、基本的には私たちのビジネスの強みであるコミュニケーションの力を使って発信していくことを大事にしています。その一方で、ブース出展の目的は社外への発信だけではなく、電通の社員、特にLGBTQ+当事者に対して、『働きやすい会社である』というメッセージを届けることも大きな目的です」(口羽氏)
LGBTQ+支援は、特別な誰かだけが担うものではない。日常の何気ない振る舞いや、小さな行動が、誰かの安心や居場所につながることがある。
今回、筆者が体験した「プライドアクション診断」は、そのことを来場者一人ひとりに楽しく、前向きに伝えるブースだと感じられた。






