ポール・マッカートニー『The Boys of Dungeon Lane』徹底レビュー 「新たな傑作」で輝かしい過去を振り返る

ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の18枚目のソロ・アルバム『The Boys Of Dungeon Lane(邦題:ダンジョン・レインの少年たち)』が5月29日にリリースされる。前作から5年半ぶりとなる新作は、このレジェンドが今なおかつてないほどクリエイティブであることを証明する、豊かな郷愁に満ちた旅路だ。

ポール・マッカートニーは君に物語を語りたがっている。椅子に座った彼が、静かな言葉で描き出す情景に耳を傾けてほしい。「よく君の家の前を歩いたものさ」と彼は歌い始める。その声は最近少しハスキーになったものの、優しさは少しも変わらない。「毎晩、君の窓を見上げた。明かりがついていた。ブラインドに君のシルエットが見えた……」。それはずっと昔のほろ苦い記憶であり、ザ・ビートルズの「No Reply」に似ているが、そこにある悔しさはすべて、より穏やかな感情へと置き換わっている。「そこで横たわりながら、僕のことを思い出すことはあるかい?」と、彼はかつて片思いした相手に問いかける。そしてバンドの演奏が始まる──といっても、実際にはそのほとんどがサー・ポール自身によるもので、少なくとも9つの楽器を演奏している。そしてこれだ。何年経とうとも、ポップミュージックにおいて、この男がロックするのを聴くことほど素晴らしい歓びは、そうあるものではない。

Paul McCartney Looks Back in Splendor

Illustration by Brian Lutz

「As You Lie There」は、マッカートニーにとって6年ぶりのスタジオアルバムとなる『The Boys of Dungeon Lane』の幕開けを飾る曲であり、この温かくノスタルジックな、キャリア晩年の傑作のトーンを決定づけている。リヴァプールで過ごした若き日々を歌った楽曲がいくつか収録されており、そこには盟友リンゴ・スターとの「古き良き時代」を懐かしむデュエット「Home to Us」も含まれる。アルバムのタイトルは、彼とジョージ・ハリスンが共に育った近所の通りに由来している。全体として、一人のレジェンドが十分に全うした人生を振り返っているような感覚がある。これは、自身がかつて「絶え間なき過去」と呼んだものについて何年も歌ってきたマッカートニーにとって、必ずしも新しいテーマではない。しかし、晩秋のような佇まいはかつてないほど際立っており、「Days We Left Behind」のような楽曲には、並々ならぬ哀愁が漂っている。そこでの彼は、古い白黒写真をめくりながら、「煙の立ち込めるバーと安いギター/だけど長持ちするものは何ひとつなかった」という言葉だけを見出している。それは、決して弾き語りバラードに事欠かない彼の全作品の中でも最も感動的な一曲であり、静かな悲しみの背後に、さらに60年の経験を積み重ねた「Yesterday」のようである。

だからといって、このアルバムはどう見ても気分を落ち込ませるような作品ではない。全14曲を通じてマッカートニーの生命力は衰えを知らず、彼が音楽を作ることに見出す喜びは、すべてのコード進行から伝わってくる。「Mountain Top」では、永遠に若い83歳の彼が、マジックマッシュルームと蝶に囲まれた心地よいハイキングを回想しており、チェンバロ、ボンゴ、テープループがそのサイケデリックな雰囲気を高めている。「Come Inside」は、1993年の『Off the Ground』を彷彿とさせる、手拍子が鳴り響く自由奔放なロックソングだ。「Never Know」は、1979年の『Back to the Egg』期のウイングスを思い起こさせるような形でグルーヴし、スウィングする。「Life Can Be Hard」と「Ripples in a Pond」は、彼の人生における女性へのロマンチックな賛歌であり、愛は決して愚かなものではない(silly love songsではない)ということを思い出させてくれる。

これらの楽曲はすべて、マッカートニーがほぼすべての楽器を自ら演奏する、シンプルでエレガントなアレンジの恩恵を受けている。これは、2020年に一人バンドとして大成功を収めた『McCartney III』に続き、このスタイルでは2作連続のアルバムとなる。ザ・ローリング・ストーンズやオジー・オズボーンとの仕事を通じて、今世紀(2020年代)におけるクラシックロックの最高の理解者となった共同プロデューサーのアンドリュー・ワットが、ところどころでシンセサイザーやギターを加えている。しかし、大体において彼は、歴史上最も天賦の才に恵まれたミュージシャンにその本領を発揮させるため、賢明にも一歩引いている。これは、マッカートニーがポップ志向のコラボレーターを複数招き入れ、内容にばらつきのあった2010年代の『NEW』や『Egypt Station』といった取り組みとは新鮮な対比をなしている。私たちが新しいソロアルバムに求めているのは、「もっと多くのマッカートニー」なのだと、彼は学んだようである。

アルバムを締めくくる印象的な2曲

『The Boys of Dungeon Lane』は、困難な状況下において親であることをテーマに結びついた、一対の楽曲で幕を閉じる。「Salesman Saint」は、彼の実際の父と母であるジムとメアリー、そして戦時中のイギリスで家庭を持つことを選んだ二人の決断を呼び起こす。「彼らはこれ以上耐えられなかった、それでも続けなければならなかった」と彼は歌う。「だから彼らは、笑いと歌とともに、歩み続けることを学んだのだ」。

さらに強い印象を残すのが「Momma Gets By」だ。ここで彼は、はた目には不幸のどん底にあるように見えても、変わらず愛し合っているある夫婦の姿を描き出している。彼女は働く母親であり、それは彼が「Lady Madonna」や「Another Day」で歌った女性たちの系譜に連なる人物かもしれない。夫はといえば、ドラッグでハイになるのに忙しく、ろくに手も貸さない。「彼は一筋縄ではいかない男だけど、彼女はそんな境遇をさらりと受け入れている」とマッカートニーは歌う。「彼女が胸に秘めた想いに比べたら、彼のくだらない欠点など何だというのだろう」。高音に手を伸ばす彼の声が、わずかにかすれる。そこへ木管楽器のパートが軽やかに、風のように滑り込み、それとともに圧倒的な慈愛の念が押し寄せる。

From Rolling Stone US.

ポール・マッカートニー

『The Boys of Dungeon Lane|ダンジョン・レインの少年たち』

2026年5月29日リリース

再生・購入:https://umj.lnk.to/PM_TheBoys

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