テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、17日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第19話「過去からの刺客」の視聴分析をまとめた。
「与一郎を抱きしめとうございます!」「相分かった」
最も注目されたのは20時25分で、注目度81.6%。小一郎(仲野太賀)の妻・慶(吉岡里帆)が、一人息子の与一郎(高木波瑠)を想い涙を流すシーンだ。
「ずっと分からんかったんじゃ。なぜ、そなたは死ななかったのかと」城から姿を消していた慶と宝久寺村で再会した小一郎。慶のひた隠しにしてきた秘密は、村に残してきた一人息子・与一郎の存在だった。
「わしは死のうとした。直(白石聖)を失った時にの」小一郎と慶はともに若くして伴侶を失くしている。小一郎は慶に、これまで話すことのなかった自身の過去をゆっくりと語り出した。直は同じ村で生まれ育った幼なじみであり、想いを寄せながらも身分の差のためどうすることもできなかったこと。小一郎が侍を志したときに家を捨ててついてきてくれたこと。さらに直が命を落としたときに後を追おうとしたこと。しかし直が父・坂井喜左衛門(大倉孝二)と小一郎が万事円満な世を作れるかを賭けていたことを知り思いとどまったこと。
慶は小一郎の告白を黙って聞いていた。「はあ、何でこんな話をしとるんじゃ」小一郎はおもむろに立ち上がると、庭に出て月を仰ぎ見る。そして慶を振り返り静かに告げた。「そなたにとって与一郎がそうなのであろう。1人でよう耐えられた。気付いてやれんで、すまんかった」「だから、何であなたが。謝られる筋合いなど…」「あるわ。わしら夫婦じゃからな」動揺する慶に小一郎は寄り添う。「何でも力になるで。もっとわしを頼ってちょ」「偉そうに。おなごのことなど、何も分からぬくせに」相変わらず憎まれ口を叩く慶だが、その声は震えていた。
「私は…与一郎と一緒にいたい」慶は涙を流して小一郎へ向き直る。「与一郎を抱きしめとうございます!」「相分かった」小一郎は慶の想いを受け止めて、深く強くうなずいた。
「直への罪滅ぼし的な感情もあったんだろうな」
このシーンは、わだかまりが解けつつある小一郎・慶夫婦に、視聴者の関心が集まったと考えられる。
1569(永禄12)年に織田信長(小栗旬)の命令で夫婦となった小一郎と慶。しかし慶は、前夫・堀池頼広と死に分かれる原因となった小一郎に対して恨みを捨てきれずにいた。そんな慶に深入りせず、仮面夫婦を続けてきた小一郎だったが、今回ついに秘められた慶の秘密を知ることになった。
SNSでは「慶さんにとっても夫の過去を知る機会になったのか。この夫婦、隠し事ばっかりだな」「小一郎も小一郎で、直のこと好きすぎて引きずりまくってるから、似たもの同士だったんだね」「小一郎ずっと秘密を話さない慶に優しかったけど、直への罪滅ぼし的な感情もあったんだろうな」と、不器用な夫婦にコメントが集まった。
作中では慶と前夫・頼広との間に生まれた与一郎だが、史実では豊臣秀長と正室・慈雲院殿の子と伝わっている。生年は不明だが、1582(天正10)年ごろまでには亡くなった可能性が高いとされている。与一郎は斯波家と織田家に仕えた那古野勝泰の娘・岩を妻に迎えていた。岩は与一郎の死後に秀長の養女となり、1594(文禄3)年に森可成(水橋研二)の六男・森忠政の継室として嫁いだ。与一郎が生きていれば豊臣政権の歴史は変わっていたのだろうか。
与一郎を演じる高木波瑠は、スペースクラフト・エージェンシーに所属する東京都出身の12歳。大河ドラマは2021年『青天を衝け』、2024年『光る君へ』、2025年『べらぼう』に続いて4度目の出演で、今年で3年連続での出演となる。来年も出演が決まっていたりするのだろうか。数々のドラマに出演されており、これからの活躍も期待されている。

