事件報道は、どこまで詳しく伝えるべきなのか――。日本テレビが27日の定例会見で、メディア全体の“過剰報道”をめぐる指摘に対し、見解を示した。「必要以上に繰り返しやっているとは思っていない」とする一方で、被害者が小学生であることを踏まえ、視聴者への影響に配慮しながら報道していると説明した。
京都府南丹市の男児行方不明事件をめぐり、テレビ各局は連日にわたり注目度高く報道。13日に男児の遺体が発見され、16日に養父が逮捕されると、報じたニュース番組は高視聴率をマークし、その後も報道が続いた。この状況にSNSでは「他にも取り上げるべきニュースがある」という意見が相次ぎ、20日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)に出演した池上彰氏は「もう扱わないほうがいいんじゃないか」と苦言を呈した。
会見では、メディア全体として報道量が多すぎるという指摘がある現状について質問が飛び、伊佐治健取締役執行役員(報道担当)は「非常に塩梅が難しい」とした上で、「必要以上に繰り返しやっているとは思っていません」と回答。「考え方は全て現場に任せていますので、現場の方で然るべき対応をしていると信頼して任せています」と述べた。
また、今回の事件については、「事件の詳細が明らかになればなるほど、事件の悲惨さ、残忍さがクローズアップされています」と説明。報道機関の使命として、「事案を追求し正確な情報を伝えること」「警察の動きそのものが的確であるかどうか検証しながら取材して伝える義務がある」と語った。
一方で、詳細に伝えることが視聴者に与える影響にも言及。「視聴者にとってつらく悲しいことについては配慮をしながら対応しています」とし、特に被害者が小学生であることから、「同世代の子どもを持つ親御さん、さらには同世代の子どもたちにとっても非常にショッキングな心の傷になりかねない」と慎重な姿勢を示した。
その上で、「事実を伝えることは使命」としながらも、「その伝え方は、その時々の状況によって議論しています」と強調。事件の詳細を伝えることが「再発防止、そして二度と起きないための安全管理のあり方」につながり、「社会が良くなっていく方向に私たちの取材がなんらかのきっかけになれば」と述べ、日々議論を重ねながら報道しているとした。
