6日に開催されたフジテレビ番組審議会の議事概要が公表され、ドキュメンタリードラマ『3.11~東日本大震災15年 福島第一原発事故 命の戦い~』(3月13日放送)で使用された津波の映像をめぐって、委員から賛否の声が上がった。
ある委員からは「津波の映像を全く流さないという選択肢もあったのではないか」との意見が出された。原発事故が津波によって引き起こされたことは広く知られており、「やはりあの映像はきつすぎて、15年経っても心をえぐられてしまう」と、視聴者に与える衝撃の大きさを指摘する声だった。
一方で、別の委員は「私は津波の映像はあった方が良いと思った」と発言。「見ていてつらくなるし苦しいが、やはりそれに向き合っていかなければいけないのではないか」と述べ、震災の現実を風化させないためにも、あえて映像を示す意義を訴えた。
これに対しフジテレビ側は、津波映像の使用について「非常に悩んだ」と説明。「あの時あった現実として放送すべきではないか」「もしかしたら中学生の子は初めて見るかもしれない」という考えから、放送で使用する判断に至ったと回答した。
今回の審議では、震災報道において何をどこまで見せるべきかという、テレビが抱える根源的な問いも改めて浮かび上がった。委員からは、災害報道における「カメラを向ける行為」の暴力性を指摘しつつも、「同時にメディアにしか残せないものもある」との意見も出ており、記録する責任と受け手への配慮のはざまで、放送のあり方が問われた。
『3.11~東日本大震災15年 福島第一原発事故 命の戦い~』をめぐっては、このほかにも、ドキュメンタリーとドラマを組み合わせた手法の是非や、医療現場の描写、フィクション表現のあり方などについて多様な意見が交わされた。
