――NHKを退職されて、今回この仕事を始めるにあたって、どんな気持ちでオファーを受けたのでしょうか。

和久田:まず、NHKでは幅広い番組に携わる機会をいただき、アナウンサーとして育てていただきました。NHKで過ごしてきた日々や経験は、すべて私にとってかけがえのない財産です。この場を借りて、まず感謝を申し上げたいと思います。

 退職については、「この日、この瞬間に決めた」というものではありませんでした。子どもを2人授かり、育児をする中で、家族と過ごす時間と自分の仕事とのバランスを考えるようになりました。その頃から、働き方を見つめ直したり考えたりする機会が自然と増え、もう少し柔軟な働き方を望む気持ちが葛藤もありながら少しずつ膨らんでいったというのが理由です。

 そのうえで、この『news LOG』のコンセプトを伺った時、報道の結論だけでなくプロセスまで大切に伝え、新しい報道のあり方を目指すという日本テレビの制作チームの熱量と挑戦的な姿勢に、報道番組に携わってきたアナウンサーの一人として純粋に心を動かされました。これまで「誰のために、何のために、今何をどう伝えるのか」を日々考えながら仕事をしてきた私にとって、この番組のコンセプトやスタッフの皆さんの熱量は、自分が理想とする報道の形と重ね合わせることができた。その気持ちが一番の決め手になりました。

――オファーが来た時期、また、即答だったのか、迷いがあったのか教えてください。

和久田:具体的な時期については控えさせていただきますが、一番はこの番組のコンセプトに共感したことが決め手になりました。即答だったかと言われると、そうとも言い切れません。退職の一番の理由は、子どもと過ごす時間を抜本的に増やしたいという思いでしたので、家庭との調整が可能なのか、どういう働き方になるのかをしっかりシミュレーションし、検討した上でお答えしました。

複数年単位で温めていたものが形に

――この番組では、どのようなジャンルのニュースを扱うのでしょうか。

小江P:基本的には報道全般です。さらにスポーツ局とも連携し、普通の報道番組では扱わないレベルのスポーツも扱っていこうと思っています。ジャンルとしてはオールジャンルです。日本テレビ報道局が総力を挙げてこの番組に向かい、全記者が取材する体制になっていますので、あらゆるジャンルをしっかり確保していきたいと考えています。

――記者としては、書けないことや裏取りが難しくて出せないこともありますが、そこにも踏み込むのでしょうか。

小江P:事実として出せないことはもちろんあります。ただ、それがなぜ出せないのか、あるいは複数のファクトがあった時に、それぞれをどう裏取りしていくのか、そうしたことも含めて見せたいと思っています。何もかもをさらけ出すということではなく、しっかりとしたプロセスを踏んで皆さんに届けているのだという、その過程や葛藤を描いていけたらと思っています。

――この番組の構想は、どれくらい前から練っていたのでしょうか。

小江P::日本テレビ報道局は以前から調査報道にも力を入れていて、単にファクトを追うだけでなく、さらに調べて深めていくことを日常的に行っています。そうした取材の積み重ねを番組という形にできないかという構想はかなり前からありました。この放送枠が決まってから急に立ち上げたというより、「こういうことをやりたい」という会話を常々していて、その流れの中で企画が出来上がっていったという方が正しいかもしれません。複数年単位で温めてきたものが、この枠で形になったということです。