南海電気鉄道(4月1日からNANKAIに社名変更)は、子会社の南海フェリーが営む和歌山~徳島間のフェリー事業から撤退すると発表した。撤退時期は2028年3月末をめどとするが、船舶や設備の老朽化、従業員確保の状況によって前倒しする可能性もあるとしている。
南海フェリーは1975年設立。和歌山県と徳島県を結ぶ航路を約50年にわたり運航してきた。現在は「フェリーあい」「フェリーかつらぎ」の2隻体制で、和歌山港から徳島港まで61kmを結んでいる。南海電鉄との連絡割引乗車船券「好きっぷ2000」を2011年に発売するなど、鉄道と航路を組み合わせた移動ルートの利用推進にも努めてきた。
今回の発表によれば、1998年の明石海峡大橋開業に伴う神戸淡路鳴門自動車道の開通以降、本州四国連絡の主要ルートが陸路へ移行したことや、人口減少・少子高齢化による利用者減少が背景にあるとのこと。2020年度以降、コロナ禍による収入減も経営を圧迫したという。これに近年の燃料費高騰も重なり、2021年度以降は債務超過の状態が続いていた。
営業収益は2019年度の20億5,500万円から2020年度に12億5,100万円まで落ち込み、同年度は5億3,200万円、翌年度も4億6,200万円の赤字に。2023・2024年度の営業収益は21億円台を確保したが利益は薄く、2024年度の営業損益は3期ぶりの赤字(900万円)となった。
加えて、現在運航する2隻のうち、「かつらぎ」は就航から26年が経過し、老朽化が進んでいる。2019年に「あい」を新造更新したが、財務的に「かつらぎ」の更新が厳しく、「あい」1隻での運航継続も効率的な運航と経営が不可能と判断。撤退を決めたとしている。
