――役作りについてはいかがでしたか? プロフィールを拝見すると、阿久根さんは実際にはサッカーが得意で、陽とは対照的ですよね。

阿久根:そうなんです。最初に台本を読んだとき、正直「陽より翔太のほうが自分に近いかも」と思いました。サッカーもやってましたし、どちらかと言えば明るく、友だちも多いので。陽は自分と真逆のタイプだからこそ、ゼロから作っていくしかないなと。最初は不安もありましたが、その分しっかり準備してから現場に入りました。

――井内さんは、演じた翔太とご自身に共通点はありましたか?

井内:実は僕も「これ、逆なんじゃないか?」と思ったんです。家族にも「陽じゃなくて、翔太のほうなの!?」と言われたくらいで(苦笑)。とはいえ、もちろん翔太にも共感できる部分があったので、完全に自分と別のキャラクターを作り上げていくというより、自分の中にあるナチュラルな感情を少し誇張しながら形にしていきました。

――本作においては、足し算や掛け算の芝居より、むしろ引き算の芝居が求められる場面が多かったのではないかと感じたのですが、現場で監督からはどのような演出を受けたのでしょうか?

井内:僕はむしろ「もっと感情を出して!」と言われることの方が多かったですね。というのも、僕自身、相手のテンションに割と影響を受けやすいタイプというか。陽の落ち着いた空気に引っ張られがちで。でも、今回は作品のタイトル自体がそもそも『コントラスト』ということもありますし、芝居の上でも2人の対比が大事だと。「もっと明るく!」「もっと元気に!」と、監督さんから何度も言っていただきました。

阿久根:僕は自分とは正反対のキャラクターだったからこそ、スイッチの切り替えもしやすかったですし、割とはっきりとしたコントラストが出せたのかなと思ってます。

――では、現場で相手のお芝居に助けられたと感じた瞬間は?

阿久根:陽は、心の中では感情がいろいろうごめいていても、それをそのまま表に出せないシーンが多いんです。アドリブも自分の方からは仕掛けていけないところがあったので、それこそ翔太が積極的に引っ張ってくれたことで成立したシーンはたくさんありました。そういう意味で、本当に助けられました。

井内:僕が助けられたのは、まさに温世の現場での切り替えの速さですね。直前まで普通に話していても、「よーい、ハイ!」で一瞬にして陽になるんです。その変化が本当にすごくて。そこに引っ張られて、自分も一気に翔太になることができました。

「まずは、キュンキュンしてほしいです」

――実年齢よりも若い高校生役を演じる中で、改めて感じたことはありますか?

阿久根:客観的に見ると、「もっと違う言い方もあるのでは…?」と思ったりすることもありますが、いざ現場で実際に芝居に入ると、そんなことは一切考えなくなるんです。陽として生きているからこそだと思いますが、その感覚はすごく不思議でした。

井内:それぞれがまだいろんな意味で不安定だからこそ、支え合える関係なんだろうなと思いました。大人になると責任や立場が伴うので、どちらか一方が無理して相手に合わせたりすることもありますけど、彼らは互いの足りない部分を自然に補い合っている。少し引いた目で見たときに、「分かるな」と思う部分がたくさんありました。

――最後に、お二人は本作を観た人にどんな気持ちになってほしいと思いますか?

阿久根:前向きな気持ちになってほしいです。陽は過去にトラウマを抱えていて、人と向き合うことが怖い部分もあります。ドラマをご覧になる方にも同じように何かを抱えている方がいると思うので、この作品が少しでも背中を押せたらうれしいです。

井内:まずは、キュンキュンしてほしいです。原作や台本を読んでいるときから、本当に一喜一憂できる物語だったので、純粋に楽しんでほしい。そして、自分が今いる場所を離れることを怖がらないでほしいなと思います。翔太も、陽との出会いで新しい居場所を見つけていく。変わる勇気や、新しいことに挑戦する一歩を、この作品から感じてもらえたらうれしいです。