「正義とは何なのか、正しさとは何なのか」

4月5日からNHK BSプレミアム4KとBSで放送されるドラマ『対決』の撮影期間中、そんな問いを自分自身に投げかけ続けていたという俳優の鈴木保奈美。医大理事という立場から“正しさ”を貫こうとする女性を演じるなかで、役の解釈は少しずつ変化していった。「それは苦しいことではなくて、自分の糧にもなっています」――4日に都内で行われた会見で、数カ月にわたる撮影を振り返りながら心境を語った。

  • 鈴木保奈美

    鈴木保奈美

「問いを常に突きつけられている撮影期間」

同ドラマは、月村了衛氏の同名小説(光文社)が原作。幸せを願い、理不尽に立ち向かう女性たちを描く社会派エンターテインメント。ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げているという噂を耳にした新聞記者の檜葉菊乃(松本若菜)は、医大の理事・神林晴海(鈴木保奈美)に目をつける。追及をかわす神林だが、檜葉は粘り強く核心へと迫っていく。脚本は渡邉真子氏、演出は池田千尋氏、小菅規照氏が担当。全5話。

医大の理事・神林役を演じる鈴木は、「シンプルなタイトルですが、性別間の対決、世代間の対決、組織の中での上下……いろいろな意味での対決が含まれていて。正義とは何なのか、正しさとは何なのか、誰にとっての正しさなのか、正しいことを選択するのは正しいのだろうか……という問いを常に突きつけられている撮影期間でした」と回顧。続けて「でもそれは苦しいことではなくて。数カ月の撮影をすばらしいチームで通り抜けられたことが自分の糧にもなっています」としみじみ語った。

また、オファーを受けてすぐに原作を読んだという鈴木は、「『こういう作品を、こういう内容を映像にしようと思っている人たちがいるんだ』ということに、とても温かいものやパッションを感じました」と当時の心境を吐露。さらに、演じる役についても、「あまり今までに演じたことのないタイプの役なので、こういう役に呼んでくださるということは本当にとてもうれしくて、ぜひにと思いました」と喜びを明かした。

神林というキャラクターについては、「原作を呼んだときの感想は、ポーカーフェイスでクールで、信念に一直線に向かっていく人。だから菊乃に探られてもばっさばっさ切っていく、という強いタイプの女性を想像していたんですが……」と振り返りつつ、「監督と話しているうちに、自分のやっていることに常に迷って悩んでいて、正しさを探している人、自問自答をずっと続けている人、とイメージが変わってきました」と変化したといい、「(演じるのは)強い女性というより、その都度探し物をしている女性、というふうに結果、なりました」と語っていた。