JR東海は、東海道新幹線での使用を目的とした新形状のトングレールについて発表した。長寿命化を目的に新たな形状を開発し、車両基地等での試験を経て、2026年1月から本線での試験を開始。形状の改良のみで取替周期を大幅に延伸する手法は世界初とされる。

  • JR東海が東海道新幹線での使用を目的とした新形状のトングレールを開発

    JR東海が東海道新幹線での使用を目的とした新形状のトングレールを開発

トングレールとは、列車の進路を切り替える設備であるポイントに用いる特殊な形状のレール。左右に動くことで車輪の進む方向を誘導する重要な部材だという。

東海道新幹線(東京~新大阪間)では、車両基地なども含めて約500カ所のポイントが設置されている。従来のトングレールは先端部分が薄く、複雑な形状であるため、摩耗やき裂が発生しやすい。本線において、一般のレールは約15年の取替周期であるのに対し、トングレールは約2年と短期間での交換が必要となっている。取替作業は夜間の列車が走行しない時間帯に実施しており、多大な労働力と費用を要している。

新形状のトングレールは、摩耗対策として頭頂面を高くし、ポイント通過時に左右の車輪に直径差を発生させることで、スムーズな走行を可能にして横圧を低減する構造とした。車輪が接触する側面形状を車輪形状に近づけて接触面積を広くし、横圧を分散させることで摩耗の進行を抑制することを意図している。き裂対策としては、基本レールと接触する側面を直線状にして力の集中を防ぎ、厚みを増して強度を高めることで発生を抑えるとのこと。

2006年から小牧研究施設で摩耗と傷の実態調査を進め、2021年に本格開発を開始。安全性検証を経て、2024年1月から車両基地で試験を行ってきた。

現時点で、従来品と比べて摩耗量は50%以下に抑えられ、き裂も発生しておらず、車両基地での取替周期は2倍以上になる見込み。今後は本線と車両基地での試験を継続し、効果を確認した上で2028年度以降に車両基地、2029年度以降に本線へ本格導入を予定している。在来線への導入に向けた実証試験も検討する。