――原作の渡辺先生が、「橋本さんの誠実で思慮深いところが、温子と重なる」とおっしゃっていましたが、ご自身ではどう思いますか?
感情的になるより、理性的に思考を練って考える生き方は、自分自身とも重なるところがあると感じます。恋愛や結婚、出産に対して、なんだか居心地の悪さを感じながら生きているところにも共感しました。私もあっちゃんも考えすぎるところはあるのですが、その先に悔いのない決断をしようとするところは似ているかなと思います。
――温子が、仕事も恋愛も“自分の軸”で判断できるのはなぜだと思いますか?
あっちゃんは、幼い頃に母親を失くしたこともあって、自分のことは自分でしてきた人だと思うんです。それは一方で、頼りたいときに頼れる人がいなかったということかもしれません。お父さん、お兄ちゃんとの3人家族だったので、男性には相談しにくい話もあったのではないかな。自分1人で考えて、決めることをしてきたのかなと想像しました。
あと、恋愛感情も薄いほうだと自覚しているから、学生時代はクラスメイトの恋バナにも参加できなかったりして、人の輪に入りづらい思いをしてきたのかもしれません。そのため知らず知らずのうちに、周りの人の力を借りることを知らないまま育ったんじゃないかと思って演じていました。
――橋本さんは、“自分の軸”を大切にする生き方について、どう考えていますか?
例えば恋愛や結婚に関して、自分以上に人のことを愛せない人がいたとしても、いいんじゃないかなという気持ちがあります。瀬戸さんは「誰かのために生きることが原動力になる」とおっしゃっていたんですけど、そういう方もいれば、「自分自身のために生きることが原動力」の人もいる。「そんな自分はおかしいのかなって、悩まなくていいよ」と私自身が思いたいんです。恋愛も、家族も、人生も、いろいろな形があっていいと思っています。
――最後に、ドラマの見どころについて教えてください。
私自身、渡辺先生の原作が大好きで、実写化に携わることができて夢がかなったような気持ちです。あっちゃんの選択は、「この先何が起きても、私はこう生きていきたい」と、覚悟を持って考え抜いた結果なんだと思います。
家族って、授かりものだけど、自分で選べるものでもあるんだなって。もし登場人物たちの選択について、自分とは重ならないと感じたとしても、どこかのタイミングで、人生や選択を考えるきっかけになる作品だと思います。ぜひ、温子、晃平、高野さんのこれからを、ゆっくりと見守っていただきたいです。


