テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、4日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第1話「二匹の猿」の視聴分析をまとめた。

  • 織田信長役の小栗旬=『豊臣兄弟!』第1話より (C)NHK

    織田信長役の小栗旬=『豊臣兄弟!』第1話より (C)NHK

小一郎には理解のできない世界

最も注目されたのは20時55分で、注目度80.6%。織田信長(小栗旬)が苛烈な沙汰を告げるシーンだ。

「斎藤義龍(DAIGO)の手の者による襲撃を退けた数日後、信長は清須へと帰還した。清須城には佐久間信盛(菅原大吉)を筆頭とする家臣団が勢ぞろいしている。中庭には小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)の姿もあった。信長が現れると、丹羽長秀(池田鉄洋)が小一郎と藤吉郎が間者・横川甚内(勝村政信)を討ち取ったことを報告した。「ようやった。褒めて遣わす」信長は直々に兄弟を労う。

信長の言葉に喜色を見せる藤吉郎だったが、柴田勝家(山口馬木也)によって現実を突きつけられた。なんと、兄弟たちの知らせよりも半日も早く、丹羽兵蔵という人物が京都で情報をつかんでいたというのだ。信長も今回の手柄は兵蔵のものとすると宣告した。伏したまま動かなくなってしまった藤吉郎と、兄の様子をうかがう小一郎。信長が「サル。不服か?」と問いかけると、藤吉郎は顔をあげ、信長が無事に帰ったことが何よりの褒美だと声を張り上げた。

そんな藤吉郎に「手柄が欲しければ、誰よりも早く動け」と信長は続けた。「はっ! 肝に銘じまする!」そんな2人のやり取りを、小一郎が怪訝な表情で眺めていると、「美濃の毒がどこまで回っているやもしれぬ。見せしめじゃ。間者の身内は女子供に至るまでことごとく殺せ」と、信長は冷徹に言い放つ。信長の苛烈な命令に長秀は動揺するが、「直ちに。この権六にお任せを」と勝家が進み出る。小一郎には理解のできない世界であった。

  • 『豊臣兄弟!』第1話の毎分注視データ推移

    『豊臣兄弟!』第1話の毎分注視データ推移

「信長さま、1話からアクセル全開だな」

注目された理由は、パブリックイメージそのままの冷酷な信長に、視聴者の注目が集まったと考えられる。

盗人の容疑をかけられた藤吉郎は、小一郎と共に自らの潔白を証明することになった。小一郎の機転によって、兄弟は真犯人を見事に討ち取ることに成功する。真犯人は織田家の台所方として藤吉郎にも親切にしてくれていた甚内で、彼は信長と敵対する美濃の斎藤家の間者だった。

大手柄をあげたと有頂天になる藤吉郎だったが、残念ながら兵蔵に一歩及ばず、褒美にはありつけなかった。間一髪で生き延びた信長の怒りはすさまじく、甚内の身内を皆殺しにせよと家臣団に命じる。信長の容赦ない振る舞いに、小一郎はただ絶句するのみだった。

SNSでは「信長さま、1話からアクセル全開だな」「信長さまかっこ良すぎるけど、だからこそ冷酷なところが恐ろしい」「冷静沈着な信長。怒らせると1番怖いタイプだね」と、従来のイメージそのままの信長にコメントが集まった。

清須は尾張の政治・軍事の中枢であり、織田信長が天下統一に向けて勢力を伸ばした出発点として有名だ。その中心地だった清須城はもともとは1405(応永12)年に当時の尾張守護・斯波義重によって築城された平城。その後、信長が居城とした。ちなみに斯波家は足利政権では三管領の地位にある名門で、信長の家格は家来のまた家来にあたる。現在の天守閣は1989(平成元)年に 模擬天守として再建されたもので、内部は歴史資料館として公開されている。

丹羽兵蔵は織田信長に仕えた家臣の一人として太田牛一の記した『信長公記』に登場する。信長が上洛する途中で、信長の暗殺計画の情報をいち早く察知して報告した人物とされているが、詳細は明らかになっていない。今作ではその中心人物として描かれた。

織田信長を演じる小栗旬は、トライストーン・エンタテイメントの社長を務めながら俳優としても活躍する東京都出身の43歳。1995年『八代将軍吉宗』、96年『秀吉』、00年『葵徳川三代』、05年『義経』、09年『天地人』、13年『八重の桜』、18年『西郷どん』、22年『鎌倉殿の13人』、23年『どうする家康』に続いて実に10度目の出演になる。小栗は14年のドラマおよび16年の映画『信長協奏曲』で織田信長を演じており、2度目の信長役となった。この配役はSNSでも大いに話題になっている。