女優の多部未華子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、9日・16日2週連続放送の「12浪の早大生 38歳の就活~僕に内定をください~」。12浪の末に早稲田大学へ合格し、38歳にしてなお“新卒”として就職活動に挑む石黒さんの姿を追う。

後編では、キャリア支援アドバイザー・磯野さんとの出会いをきっかけに、石黒さんが行動を起こす姿を描く。“環境が変われば人生も反転する”。そんな希望の物語を、多部は温かく見つめた――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した多部未華子

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した多部未華子

地方企業に活路求め、夜行バスで島根へ

12年の浪人生活の末、30歳で早稲田大学に合格した石黒さんは、長い学生生活を続けるうちに39歳になっていた。就職活動は年齢の壁にも阻まれ、一向に進む気配がない。書類選考は落選の連続。面接にさえ進めない日々が続く。

そんな石黒さんに手を差し伸べたのが、大学のサークルOBで、女子大でキャリアセンター長を務める“大先輩”磯野さんだった。仕事の合間を縫って始まった個別指導だが、最初に直面したのは「エントリーシートが書けない」という現実だった。

12浪という過去、そして長過ぎた学生生活。失敗の連続だった自分に何を語れるのか…。石黒さんは自分を肯定できず、どう自己PRすればいいのか言葉がまったく出てこない。訪れたハローワークでは「普通の学生と同じルートで行くのは難しい」と告げられる。

そんな中、思いがけない出会いが訪れた。東京で開かれた地方企業との交流イベントで、島根県の企業担当者から「一度、遊びにおいでよ」と声を掛けられたのだ。その一言に、石黒さんの心は動く。夜行バスで島根へと向かうのだが…。

  • 就活で島根を訪れた石黒さん (C)フジテレビ

    就活で島根を訪れた石黒さん (C)フジテレビ

8年生になって「伝説の人」に

38歳にして、早稲田大学の“8年生”の石黒さんは、学内でも有名人。サークルの後輩からは、「伝説の人」と呼ばれている。正規雇用にこだわらなければ働く道もあるが、あくまで“新卒”の切り札を生かしたいと考えている。

当初は出版関係の会社を目指していたが、厳しい現実を突きつけられ、「就職できるなら、首都圏でなくとも構わない」と、地方企業が都内で開いた会社説明会に参加。社長から直々に「一度遊びに来たら?」と誘われ気持ちが傾いた石黒さんは、就活の相談に乗ってもらっている磯野さんに、揺れる心情を素直に打ち明ける。

後編のナレーションをしながらも、「石黒さんの本心がなかなかつかめなかった」と吐露する多部。だからこそ、その視線は、やはりアドバイザーの磯野さんへと注がれた。

「どんな時でも石黒さんのことを肯定し、進むべき方向に導いてくれる磯野さんは、本当にすごい人ですよね。磯野さんのように、言った通りにできなくても否定せず、寄り添う人がいるだけで、人は動けるんだと思います。番組を見て、磯野さんを頼って連絡する“後輩”が増える気がします(笑)」