連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の脚本を手掛けているふじきみつ彦氏にインタビュー。劇中にたびたび登場する「しじみ汁」への思い入れを語ってくれた。
113作目の朝ドラとなる『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツと、夫のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。小泉セツがモデルのヒロイン・松野トキを高石あかり(高ははしごだか)、小泉八雲がモデルのレフカダ・ヘブンをトミー・バストウが演じている。
ふじき氏は「しじみ汁については、割と思い入れがあって」と話し出し、「私自身、松江で生まれているんです。母の実家が松江市にあって。里帰り出産なので1カ月しかいなかったですが、夏休みやお正月など、子供の頃は年に2~3回は松江の祖父母のところに帰っていたので、松江の言葉はずっと馴染みがありました」と松江との深い縁を明かす。
制作統括の橋爪國臣氏はふじき氏が松江生まれだとは知らなかったが、いくつか物語のモデルの候補を挙げた中に小泉セツがあり、ふじき氏とも縁のある松江が舞台の物語を描くことに。
トキは母・フミ(池脇千鶴)が作るしじみ汁が大好物。しじみ汁を飲んで「あ~!」と幸せそうな表情を浮かべるシーンが印象的だ。
ふじき氏は「(自分が)『あ~!』って言っていたかどうかはわかりませんが、しじみ汁はおいしいですからね。家族でしじみ汁を囲んだという体験は何十回としていることで、松江を描くのにしじみ汁を外すのは変だなというぐらい」と話した。
松江のほかの家庭もしじみ汁を食べているのかということは、事前に確認してもらったという。
「たまたま私の母方の実家だけの食卓だったら書く必要はないと思ったので、他の人たちも食べているのかリサーチしてもらった結果、普通に昔からあるものだし、しじみ汁も飲んでいたということで、だったら書こう、書くんだったらあれぐらい書いちゃおうという感じになりました」と述べ、夫婦をつなぐキーアイテムとして「今後も出てきます」ときっぱり。しじみ汁が並ぶトキ&ヘブン夫婦の食卓にも注目したい。
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