JR西日本は30日、山口エリアに45年ぶりとなる新しい車両「Kizashi(きざし)」を導入すると発表した。同社の直流近郊形電車227系をベースとし、車両愛称名は「Kizashi(きざし)」に。2026年度以降、山口エリアの山陽本線へ順次導入予定となっている。

  • 山口エリアへ導入される新車両のデザインイメージ(JR西日本提供)

    山口エリアへ導入される新車両のデザインイメージ(JR西日本提供)

新車両はさらなる安全性・快適性・利便性の向上、省エネ化などの持続可能な鉄道運行の実現を目的として導入。岡山エリアなどで活躍する227系をベースとし、2026年度以降に計24両(2両編成×3編成、3両編成×6編成)を順次導入して既存車両を置き換える。

車両愛称名の「Kizashi(きざし)」は、古語において「山口」という言葉が「物事の始まり」や「前兆」を意味することから、新車両の導入で山口エリアに新たな変革をもたらし、人々の暮らしや旅に良いことが起こるように、その「きざし」となる思いを込めたという。

  • デザインコンセプトは「維新の陽光(いしんのようこう)」(JR西日本提供)

デザインコンセプトは「維新の陽光(いしんのようこう)」。夜明け前の漆黒と差し込む光の金色で維新のイメージを表現し、黒と金色のシンボルカラーで沿線の幻想的な光や「SLやまぐち号」にも通じる重厚な品格を表現した。シンボル・ロゴイメージも、新しく物事が起ころうとする「維新」のイメージをエネルギッシュな閃光と重ね合わせて表現している。

車両のおもな特徴として、山口エリア初という衝撃吸収構造、先頭車間転落防止ホロ、戸挟み検知装置、EB-N装置(運転士異常時列車停止装置)をはじめ、車両異常挙動検知装置やとっさの際につかまりやすい形状でオレンジ色調の吊り手と手すり、防犯カメラといった安全装置・設備を導入することで安全性を向上させている。

  • 車内イメージ(JR西日本提供)

    車内イメージ(JR西日本提供)

車いす・ベビーカー利用者のスペースとバリアフリートイレ、LED照明、自動温度調節による空調、自動換気機能も採用。すべての乗客が快適に利用できる車内空間を提供する。出入口付近のスペースを拡大し、車内ドア上部の情報表示装置で2カ国語による行先案内を行うなど、利便性の向上も図るとしている。