9月26日に最終回を迎える連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。25日放送の第129回でついにテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の初回放送が描かれた。これは、実際に日本テレビで放送されたもの。制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーは、日本テレビに交渉したところ映像の使用を「快諾してくださった」と明かす。

  • 『それいけ!アンパンマン』の初回放送を見守る“嵩”北村匠海と“のぶ”今田美桜

    『それいけ!アンパンマン』の初回放送を見守る“嵩”北村匠海と“のぶ”今田美桜

『それいけ!アンパンマン』初回放送をのぶ&嵩らが見守る

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田(柳井)のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けた。

第129回では、1988年10月3日のテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』初回放送を、のぶと嵩、蘭子(河合優実)やメイコ(原菜乃華)、ヤムおんちゃんこと草吉(阿部サダヲ)らが見守るという展開が描かれた。

アニメの映像は、日本テレビで放送された本物の『それいけ!アンパンマン』の映像。局の垣根を越えたコラボが実現した。

「これは最初から覚悟を決めていたことで、最終週のどこかで実際の『それいけ!アンパンマン』のアニメを流したいと思っていたので、相当前から日テレさんで歴代の『アンパンマン』プロデューサー陣の方々とお会いしてお話させていただきました。『局の垣根を越えて一緒に日本を盛り上げましょう』と日テレさん側もおっしゃってくれて、快諾してくださったので本当にありがたかったです」

アフレコシーンは戸田恵子が若い時の声に近づけて新たに収録

第128回では、初回放送のアフレコ収録シーンが登場。アンパンマン声優の戸田恵子をモデルにした戸部由子が、「僕、胸の中がとってもホカホカしてるよ。人を助けるって、こんなに胸があったかくなるものなの?」というセリフを言いながら涙があふれるという展開が描かれた。

映像に映っている戸部役はエキストラの人だが、声は戸田恵子本人が『あんぱん』のために新たに収録したものだという。

「戸田恵子さんに『それいけ!アンパンマン』の第1話を見てもらって、若い時の声になるべく近づけてもらってアフレコさせていただきました。今の60代後半の戸田恵子さんとは全然違う、昔の声になっていてびっくりしました。ご本人も『若い時の声、出るかな』とおっしゃっていたんですけど、何の違和感もなかったです」

初回収録のアフレコシーンは、「戸田さんの出演が決まる随分前に戸田恵子さんに初めてお会いして取材させてもらった時に聞いた話から生まれたシーンです。戸田さんが台本をもらって初めて読んだ時にここの部分に涙したと聞いて。取材にも同席していた中園さんが思い出してくれてこのシーンを書いて下さいました」と倉崎氏は明かす。

アフレコシーンでも、初回放送シーンでも、アンパンマンが「僕、胸の中がとってもホカホカしてるよ。人を助けるって、こんなに胸があったかくなるものなの?」と話すシーンが採用されたが、戸田自身が「すごく好きなセリフ」だと話していたこともあって、このシーンを放送したという。

そして、倉崎氏は「『あんぱん』の第1週のラストが、まさしくアンパンマンのこのセリフを体現しているなと。父・結太郎を亡くして心にぽっかり穴があいたのぶに、嵩が絵を描いてあげて、その後、ヤムおんちゃんがあんぱんを差し出して、おいしいあんぱんを食べてのぶが元気になっていく。胸の中がホカホカしているって、まさしくこのことだなと思いました」としみじみと語る。

人を助けたり助けられることで胸が温かくなるというアンパンマンの精神が、第1週から描かれていた『あんぱん』。局の垣根を越えたコラボレーションで、両作品に通ずる温かいメッセージが改めて浮き彫りになった。

(C)NHK