フジテレビ系ドラマ『明日はもっと、いい日になる』(毎週月曜21:00~ ※これまでの全話はFODで配信中)の第8話が、25日に放送された。
海沿いのある街の児童相談所を舞台に、そこに出向を命じられた所轄の刑事・夏井翼(福原遥)をはじめとした個性的な面々たちが、子供たちの純粋な思いに胸を打たれ、その親までも救っていく姿を温かく描く、ハートフルヒューマンドラマだ。
【第8話あらすじ】里親のところに行く準備が始まる花蓮
野良信子(小林きな子)が里親支援センターと協力して進めていた岩本花蓮(吉田萌果)の里親委託が大詰めを迎えていた。花蓮を迎えたいと願う橋本智(森田甘路)と千佳(朝夏まなと)夫妻は、研修にも熱心に取り組んでおり、入院中の花蓮の母親が退院できるまでにはまだ時間がかかる見通しである以上、今回の里親委託の成立は花蓮にとって最善の選択なのだ。
だが、花蓮とほぼ同じ時期に一時保護所にやってきて以来、ずっと仲良く過ごしてきた野口風雅(二ノ宮陸登)と坂西青葉(市野叶)は、花蓮が橋本夫妻と出かけたときのことを楽しそうに話す姿が気に入らず、部屋に立てこもってしまう。
花蓮の里親委託は、宿泊交流で問題なければ正式な手続きを進めることになった。夏井翼と蔵田総介(林遣都)に、花蓮の送迎を頼む蜂村太一(風間俊介)。蒔田向日葵(生田絵梨花)や信子らは、花蓮の退所式の準備を進める。
複雑な想いを抱える子どもたち
ただでさえ敏感な環境で育ち、それぞれの理由で児相に来た子どもたちたちにとって、花蓮に里親が決まって退所することは複雑な気持ちだ。喜ぶべきことと分かりつつも、素直に喜べない。それは、頭では分かってはいても、納得のいかない「別れの形」なのだろう。児相を退所するということは、時がくれば自然に訪れる学校の卒業式とはわけが違い、突然やってくる。それでいいはずなのに、その卒業が寂しい、悲しいと思う子どもたち。しかし、児相は「子どもたちが安心できる場所」ではあるが、蔵田が言う通り「いつまでもここにいることはできない」。児相を出て一歩踏み出すのは怖いだろうが、いつかは踏み出さないといけない。花蓮自身も、本当は母親と暮らしたい。その日を待ちたい。それでも一歩踏み出して里親の元に行くことを選択した。まさに「全部納得して里親の家に来るわけではないからね」と南野(柳葉敏郎)が言う通りなのだろう。
その一方で、「あの子たちのお母さんだし、ヘコんでる暇ないから」と2人の子どもを「迎える準備」を着実に始めている安西夢乃(尾碕真花)の姿が頼もしい。叶夢(千葉惣二朗)、奏夢(小時田咲空)兄弟が退所していく日も近いのだな、と実感する。
「普通の家族」が一番難しい
前回「親ってどうやるの?」という言葉があったが、今回は花蓮からの「上手にできるかな、普通の家族」という衝撃の一言。今まで「普通の家族」の経験がない子どもにしか分からない感覚。親の顔色をうかがって過ごしてきたことから沸いてくる感情。花蓮に至っては、誕生日を祝ってもらった経験すらもなかった。
さぞかし大きな不安と葛藤があったことだろう。しかし、それは花蓮だけではないように思う。普通でいられる場所がイコール家族なのだと、我々でもなかなか気付くことなく、日々を過ごしているのではないだろうか。
その花蓮に対して、同じ里親経験を持つ蔵田が丁寧に寄り添い、優しい眼差しで接する姿が印象的だ。
そして「大事なやつのためなら頭なんて何度でも下げてやる」という言葉で明らかになった南野と蔵田の関係。後半に向けてますます目が離せない。






