• 矢吹奈子

――映像とは違う、生の舞台で作り上げていく楽しさややりがいについてはどのように感じていますか?

映像は間違ったらやり直せますが、ミュージカルは舞台なので、舞台上に立ったら全部見られていて、間違ったり噛んだりしたことも生かさないといけないというのはドキドキです。だからこそ毎回新鮮な気持ちで立たなければいけないですし、それがやりがいでもあるのかなと感じています。

――アイドルとして数々の生のステージに出演されていた経験も生きていますか?

歌やダンスの基礎的なところは生きていると思いますが、ミュージカルはアイドルのステージとは全然違うなと感じています。アイドルはみんなで作り上げた曲を見せるという感じで、もちろんミュージカルも作り上げたものを見せるという部分もありますが、その時の相手の言い方などでこっちも変わったり、毎回少しずつ違う舞台になるので。歌もただリズムに合わせて曲として伝えるのではなく、セリフだと思って歌うので、そこも全然違います。

――数々のミュージカルで主演を務めている座長の坂本昌行さんから学びや刺激がありましたら教えてください。

稽古の時に早めに行ったつもりなのに、もういらっしゃっていて、稽古が始まる前も、終わってからも、すごく熱心にいろいろ確認されていて、予習復習がすごいなと思いましたし、集中力もすごいなと思いました。その姿を見て、私もより背筋が伸びたというか、いい意味で緊張感を持ってしっかりやるぞと気合が入りました。

  • 撮影:友澤綾乃/photo by Ayano Tomozawa

――坂本さんからアドバイスなどはありましたか?

ブラック・ジャックとピノコの関係はかわいらしいので、そこがうまく表現できるように会話のラリーのタイミングをそろえましょうというお話がありました。私がブラック・ジャック先生にツッコむところがあって、「こういう風に言ったらもっと面白いかもしれないね」みたいなことを言ってくださって、すごく勉強になりました。

――初ミュージカルの『ブラック・ジャック』でだいぶ鍛えられそうですが、完走した時にどうなっていたいと期待していますか?

後悔なく、やり切ったと思いたいです。私は舞台を見に行った時もカーテンコールでうるうるする人なので、自分の時はどうなってしまうんだろうと。達成感あふれる千秋楽を迎えられたらいいなと思います。

――今後の抱負もお聞かせください。

今年はミュージカルに初挑戦し、もう1つ控えているので、まずはこの2つをしっかり完走し、ミュージカルも自分の強みになったらいいなと。そうなれるように頑張ります。そして、これからもどんどん新しい挑戦をしていきたいです。ラジオドラマも久しぶりにやらせてもらって楽しかったので、いろんなお芝居に挑戦したいですし、いろんな役にも挑戦していけたらと思います。

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■矢吹奈子
2001年6月18日生まれ、東京都出身。2013年8月、HKT48第3期生オーディションに合格し、翌年4月よりチームHとして活動を開始。2018年に韓国で開催されたオーディション番組『PRODUCE48』に参加し、IZ*ONEのメンバーに選ばれデビュー。専任活動を開始し、2021年4月に2年6カ月の活動期間を終了。その後HKT48として2年5カ月ぶりに活動再開。2023年4月に行われた卒業コンサートでHKT48を卒業。グループ卒業後は2作連続で連続ドラマのヒロインを務めるなど、現在は女優業を中心にバラエティ番組等でも活躍している。
■ミュージカル『ブラック・ジャック』
東京公演は2025年6月28日~7月13日にIMM THEATERにて上演。その後、7月18日に新潟公演、7月21日に名古屋公演、7月23日に浜松公演、7月26日に札幌公演、7月31日~8月2日に兵庫公演が予定されている。

ヘアメイク:舩戸美咲