大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で喜多川歌麿役を演じている染谷将太が、本作出演について語った。

喜多川歌麿役の染谷将太

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛けている。

染谷が演じている喜多川歌麿は、美人画で江戸に旋風を巻き起こした天才絵師。幼い頃、絵師・鳥山石燕(片岡鶴太郎)のもとで絵を学び、その後、蔦重(横浜流星)と出会う。蔦重が洒落本、黄表紙、狂歌本と次々と新たな出版物を手がけていく中で、挿絵の仕事などを任され、自らの画力を磨いていく。 やがて寛政の改革で時代が変わると、蔦重と浮世絵の美人画を仕掛け、その才能を一気に開花させる。

7月6日放送の第26回では、形だけの夫婦だった蔦重とてい(橋本愛)との関係に進展があり、それによって歌麿の心も揺れ動くという展開が描かれた。

染谷のコメントは以下の通り。

――歌麿の蔦重への気持ちをどう捉えていますか?

蔦重への気持ちはたぶん子どものころから変わらないと思います。一緒にいたい、一緒に何か物を作りたいっていう気持ちの根っこの部分が何なのか気付いてなかったというか、蔦重への気持ちを改めて感じ直しているっていう。恋愛感情という言葉に当てはめることができない何か、というふうに自分は捉えて演じています。蔦重が人生のすべてになっていたところもあるので、その関係性の形が変わることはすごく不安になるけど、自分には得られない幸せを蔦重が得られることは喜ばしいことではあるという、すごく複雑な状況だなと思います。

――ていの存在についてはどう思っている?

歌麿としては、当たり前のようにいた義兄さんが今までの義兄さんじゃなくなるっていう、家族を一人奪われた感覚になってしまっているので、気にくわないんですけど(笑)。蔦重だけではなくていさんも、歌麿が絵師として次のステップに行くためのきっかけの一つ、そういう影響を与えているのかなとは思います。

――今の歌麿について

“蔦重と向き合うこと”は、“自分と向き合うこと”。自分の過去とも改めて向き合うことだと思って、自分の存在意義であったり、人として絵師として、自分という存在は何なのかということを探し出している、そんな時期なんじゃないかなと思っています。

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