テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、22日に放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(総合 毎週日曜20:00~ ※22日は19:14~ ほか)の第24話「げにつれなきは日本橋」の視聴分析をまとめた。

  • 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第24話より (C)NHK

    『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第24話より (C)NHK

「吉原者と一緒になるなどありえません!」と言い放つも…

最も注目されたのは19時47分で、注目度77.2%。てい(橋本愛)が蔦重(横浜流星)のプロポーズの言葉でセンチになるシーンだ。

「どうです女将さん。一緒に本屋やりませんか? 本当は店、続けてえんじゃねえですか?」ていは先ほどの蔦重の言葉を思い出していた。奉公人のみの吉(中川翼)が暖簾(のれん)を片付けようとていに声をかける。ていには前夫(新名基浩)に甘い言葉でそそのかされ、丸屋を台無しにした過去があった。前夫はていと結婚して三月も経たないうちに吉原に入りびたり、400両を超える借金だけを残して去った。

そして今日、店を売ってほしいという男が現れた。吉原の本屋である耕書堂の主・蔦屋重三郎である。蔦重は交渉が難航すると、「じゃあ、俺と一緒になるってなぁどうです?」と言ってきた。元夫を沼に落とした吉原の者が、元夫と同じように求婚してきたのだ。ていは「花の咲かぬ女やもめは縁組をちらつかせれば喰いつくとでも? どんなに落ちぶれようと吉原者と一緒になるなどありえません!」と、怒りをにじませて言い放ち、すぐにその場を去った。ふと我に返ったていはみの吉を呼び止め、自分の手で暖簾を外した。あの無礼な吉原者の顔が、なぜかていの心から離れることはなかった。

  • 『べらぼう』第24話の毎分注視データ推移

「流石に信用無さすぎる」「蔦重は軽すぎる」

注目された理由は、蔦重の下手くそすぎるプロポーズに視聴者の関心が集まったと考えられる。

父を安心させるために前夫と所帯を持ったていだが、前夫は禄でもない男だった。ていに熱心に言い寄ってきたのも、店と金が目当てだったようで、放とうの末に借金を作り、前夫は失踪してしまう。父・小兵衛を失い丸屋までも失おうとしているていにとって蔦重のプロポーズはあまりに無神経だった。

SNSでは「借金をカタに脅した直後のプロポーズは流石に信用無さすぎるよ」「当然と言えば当然。蔦重は軽すぎるよ」「お稲荷様にばかって言われたの直ってないな」と、女心の分からなすぎる蔦重に非難が集まった。ていに最悪な印象を与えてしまった蔦重だが挽回は可能なのだろうか。

ていを演じる橋本愛はEDENに所属する熊本県出身の29歳。大河ドラマは2018年『西郷どん』、2019年『いだてん~東京オリムピック噺~』、2021年『青天を衝け』以来、4度目の出演となる。『西郷どん』では西郷隆盛の最初の妻・須賀を、『青天を衝け』では渋沢栄一の最初の妻・千代を演じており、主役の妻を演じるのは今回で3度目のベテランだ。

ていのトレードマークともいえるメガネだが、1551年にキリスト教宣教師のフランシスコ・ザビエルが、周防の守護大名である大内義隆に献上したのが最初という説が有力。江戸幕府初代将軍・徳川家康も、メガネを晩年に老眼鏡として使っていたと伝わっている。しかし、西洋人の鼻の高さに合わせて作られたメガネは、鼻が低い日本人には合わなかったそうだ。そこで、眼鏡がずり落ちないように鼻あて、現在のパッドにあたる部分が日本人によって独自に考案された。ていのメガネもしっかりホールドされている。