元プロ野球選手で野球解説者の杉谷拳士氏が、ニッポン放送のラジオ番組『大沢あかね LUCKY 7 supported by 犬塚製作所』(毎週月曜~金曜21:50〜21:57)に出演。引退の決断に至った心境について語った。
プロ入り後にぶつかった壁
杉谷氏は高校在学中にドラフト指名を受けプロ野球選手となったが、入団後にプロの壁の高さを痛感したという。「まだ高校を卒業していない2月にプロ野球のキャンプが始まるんですけど、選手のレベルの高さも球のスピードも違いますし、パワーも違うし多分3年ぐらいでやめてしまうだろうな、という壁にぶつかりましたね」と当時を思い返した。
しかし、そこから自分で計画を立て、「このときまでには1軍で、これぐらい出ればいいな」と思いながらしっかりとプロセスを作り、見事1軍デビュー。一方で「1軍デビューしてからまたいろんな壁にぶち当たりまして、なかなかレギュラーが掴めず、14年間補欠として野球界にはいました」と、厳しいプロの世界での現実も明かしながらも、それでも31歳で引退するまで「満足する14年間だった」と振り返った。
栗山英樹監督からもらった言葉
引退を決断したのは、日本ハムファイターズの札幌ドームからエスコンフィールドHOKKAIDOへの本拠地移転がきっかけだったという。新球場の見学時に「選手として普通なら、絶対ここでやりたい、みたいな思いはあるんですけど、なぜかそこがちょっと薄れていた」と心境の変化を感じ、「このままこの気持ちで野球ってやってていいのかな」と自問した。
そんな迷いの中、栗山英樹監督から「拳士って人と違うことをできるよね」「変化って、やっぱ一番怖いことなんだけど、拳士ってずっとこの11年付き合ってきた時に、変化を恐れないで前に進めるよね」と決定的な言葉をもらったそう。杉谷氏はこの心に残る言葉に「もう僕は泣いてたんです」と当時の心境を回想。最終的に「野球界のため、北海道の方、ファイターズのためにいろいろ勉強しないといけないことが、たくさんあるよね。前進しよう」と背中を押され、引退を決断したと語った。
ダルビッシュ有の単独インタビューが実現
現在は、自身が開設したYouTubeチャンネル『熱スギヤch【杉谷拳士 公式】』でも活動中。「野球関係の対談だったり、選手インタビュー取材、スポーツアスリートへの突撃取材とか、本当にスポーツに特化したチャンネルにしたい」と今後の展望を明かした。
特に印象深かったのは、サンディエゴまで足を運んでダルビッシュ有の単独インタビューを実現させたこと。「第一声からやっぱりかっこよかった」と言い、「なんで来てんのお前、ほんまに来たんかい」というダルビッシュの反応に「嬉しいと思いながら」話を聞いたエピソードを披露していた。
【編集部MEMO】
北海道日本ハムファイターズに所属する現役時代から、テレビ朝日系『夢対決!とんねるずのスポーツ王は俺だ!スペシャル』内の1コーナー「リアル野球BAN」出演で注目を集めるなど、多くの野球ファンに親しまれる存在である杉谷拳士氏。現役引退後も、YouTubeチャンネル『熱スギヤch【杉谷拳士 公式】』などで、持ち前のムードメーカーぶりを存分に発揮している。